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放課後1-1

 白虎は、放課後武道館にやってきた。

先日の一件依頼、本物の部長より部長らしかった。

扉を開けて、中に入る前に一礼。そして、武道館の西にある神棚に深々とお辞儀した。

「今日も、誰もケガをしませんように神さんお願いします。」

ちょっと慣れ慣れしいのは、出雲でたくさんの神々に会ってきてからだ。

今は、その姿は見えないが、y時々感じることが有る、その存在を。

次に、佐々木がやってきた。

白虎と同じように、一礼をして武道館に入ってくる。

そして、神棚にも深々とお辞儀した。

その所作に、白虎も見とれるぐらい美しい。

依然の女装のときにこんな所作をされたら、『もしかしたら、惚れていたかもしれない。』と思いながら、

見ていると佐々木と目が有った。

「白虎先輩、今、エッチなこと考えたでしょ?」

「何を言うかと思えば、相変わらず面白いことを言うな、お前は。」

「でも、顔が赤いですよ。」

そこに、部長と副部長そして2年生の三宅がきゃきゃ言いながら入ってきた。

3人とも、一礼して入ってきた。そして、同じように神棚にもお辞儀した。そして、またおしゃべりを始めた。

白虎と佐々木の所に来ると、

部長が話し始めた。

「私たちもそろそろ引退して、受験勉強しないといけないので、そろそろ次期部長と副部長を決めます。」

「と言うことで、白虎が部長、そして、三宅さんが副部長ね。そして、あなた達に重要なミッションを与える。」

「部員をもっと増やしてください。少なくともあと二人、でないと来年の4月には、廃部決定です。」

「最後のチャンスは、11月の文化祭です。」

「チア部にも、話は、通してあるから大丈夫。策もねってあるわ。」

「だけど、それには、新部長は不要と言うより、来ないで。その文化際の日は、変な奴らが入ってこないように、虎徹と警備の仕事がんばってね。」

その案とは、こうだった。

「まず、チア部が、体育館ではなく武道館で演技をして、それで、学校中の男どもをこの武道館に集めます。」

「そのあと、美人部員の4人が、長い髪をなびかせながら、木刀で日本剣道型を披露します。」

「部長、ちょっと待って。うち、美人かどうかは置いといて、内の部、女子3人ですよ。」

「あなた、今、目の前の3美人を敵に回したわね。」

「部長と副部長、そして、新副部長の三宅先輩でしょ?で、もう一人、どこにいるんですか?」

その言葉を、待っていたとばかりに副部長がカバンから手鏡を取り出して、佐々木の顔の前に差し出した。

「ほら、もう一人いるでしょ。」

「僕は、もう、昔の自分には絶対戻りません。」

「えっ、白虎も昔、女の子と間違えて、逃げまわるぐらいだったのに。」

「だから、厭なんです。今なら、こうやって普通に会話してくれるじゃないですか。僕は、今の方が幸せなんです。」

「新部長、何とかしなさい。」

「自分がですか?」

「そうよ。」

白虎は、しばらく困った顔をして、立ち尽くしてしまった。

可愛そうに思った佐々木が、

「じゃ、僕と試合して、新部長が勝ったら女装してもいいですよ。」

「それと、もし、自分が勝ったら、一日デートしてもらいますからね。」

「白虎、準備。」

 旧部長が、有無を言わせず、白虎に命令した。

『今の自分では、佐々木には、勝てないから、結局は、佐々木の気持次第か?』と、思いながら、面を付けた。

「始め。」の合図で、二人間合いを詰めた。

ただ、それ以上は近づけない。鶺鴒のように剣先を器用に動かす佐々木。

それに乗って、面を打とうと手を挙げれば、竹刀のケツを剣先で突かれて、竹刀を後ろに飛ばされる。

かといって、浅く打ち込んで体でぶち当たって後ろに飛ばそうとしても、体幹がしっかりしているせいなのか、重心の低いつっかえ棒に突っ込んでいくみたいひっくり返される。佐々木と対峙すると体がでかくても、何もメリットも無い。

 しかも、足さばきが速く、思ってもみない方向から、竹刀を叩き込まれる。

さらに、近づくと、息もつかせないない速さで竹刀を連打される。

それが、こちらから手が出せない状態で数分続く。そして、その後でも、息一つ切らさない。

こちらは、全身が痛くて立っているのもやっとだというのに。

基本的には、防具の所しか叩けないけど、それは、一本が取れないというだけで多少外れても文句は言えない。それで、痛がった時点で一本取られている。

そんなことを考えてると、これ以上間合いを詰められない。

佐々木が、注意しているのは、白虎の頭の上から振り下ろされる強烈な面だけだ。まともに受けると竹刀で防ごうとしても無意味だった。

 気絶することは、まちがいなかった。

相手の動きを探るように、軽く打ち合った。

そんなときにき、背後に姫さんの気配がした。

確認したくて、振りむきそうになったが、そこは我慢した。

心の乱れを佐々木に悟られる前に平常心に戻した。

『何とか撃たれなくて済んだ。』と思って、佐々木を見ると

目の焦点が、姫さんがいるあたりを見ていた。

チャンスとばかりに、面を打ち込んだ。

ちょっと浅いが、面が入った。

部長と、副部長が旗を上げた。

佐々木を見ると負けましたとばかりに手を挙げた。

お互い蹲踞をして、面を取った。

残念なことに、姫さんは、その時にはすでにいなくなっていた。

「白虎先輩、負けました。」

「どうしたんだ、佐々木。さっき、武道館の入り口の方を気にしていたようだが。」

「勝負の時に、相手から目を離すなんて僕もまだまだですね。でも、姫様と一緒に並んでた女の子が可愛くて、一瞬目を奪われてしまいました。」

「明日香か?真紀か?姫といっしょなら。」

「でも、可愛いなら、真紀だな。明日香は、姫さんと同じぐらい美人だからな。」

佐々木の背後に、3人の女子が化粧道具を持って近づいてきた。
















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