表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

四季――あるいは死季――

作者: メープル

やりたいことがあるなら

生きる理由には十分だ

動機なんてなんでもいい

生まれ変わるのに 時期はなくて

希望と絶望を乗せた風

繰り返す四季で一区切り


廻る春

選択した想像に 口ずさむ行進曲

叶えるための 一歩を出して


ほどなく見せつけられる現実

予定した未来に目を背けて歩く


散った桜の花びら 舞うことはなく

旅立った夢を 踏みつけないで



自分と戦う覚悟があるなら

生きる理由には十分だ

何者でありたいのか

生まれ変わるのに 時期はなくて

希望と絶望を乗せた風

繰り返す四季で一区切り



廻る夏

虚しさも残る 失敗続きの日々

横たわる蝉の亡骸 早すぎるエンドロール


焦げたアスファルトをはだしで駆け出して

成仏しきれない未練を振りほどきながら


渇いた望みを 炭酸水で潤せば

まだ大丈夫 望みは生き返る



死ぬ気で頑張る覚悟があるなら

生きる理由には十分だ

腐ってても始まらない

生まれ変わるのに 時期はなくて

希望と絶望を乗せた風

繰り返す四季で一区切り



廻る秋

進む解体工事 横目に重ねる人生

薄暗い部屋に モニターの明かり


覗く白い光がかつての面影を焼く

まったく涙が出てくるよな


残り僅かな カードの残高

執着握りしめて 終着を探す



目指すべき場所があるなら

生きる理由には十分だ

後悔するより挑戦を続けよう

生まれ変わるのに 時期はなくて

希望と絶望を乗せた風

繰り返す四季で一区切り



廻る冬

死ぬほどの努力 打った手の数々

割れそうな心を テープで張り付けた 


今日までの昨日はこの日のためにあったんだと

そう思える時を凍えた体で待ちわびている


もう何度目かの 希死念慮を越えて

死なないための 起死回生を起こせ


立ち上がる足があるなら

生きる理由には十分だ

継ぎ接ぎだらけでもいいだろう

生まれ変わるのに 時期はなくて

希望と絶望を乗せた風

繰り返す死季に止めを刺して


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ