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第52話:詰んだよ【〃】

前回のあらすじ!

四五六世界に誘われたよ。すごいね。


『では、プレイヤー以外は退いててもらおうか! 閲覧席へカモン!』

 と、グェェム・マスターが指をパチンと鳴らすと、アフノさんたち大人組は姿を消してしまった。閲覧席カモン──と言っていたが、果たしてそれは何処にやら?


「あー。たっくんさん、あそこー」


 リコちゃんが指し示した先を見上げれば、いつの間にか設けられていた空中ステージから「お~い!」と手を振る皆の姿があった。あれならサイコロ蹴ったりしなくて済むね。


「ところで、サイコロ何処いったぁ?」

 と、ユイねぇさんが叫んでいる。そういや誘われた際に投げっぱなしだった。

 地面をキョロキョロ眺めてみると、視界隅っこに小粒の何かが映った。


「あー、サイコロだー」


 エっちゃんが拾おうと一歩踏み出すと、サイコロはシュン──と姿を消して、


「おぉう」


 エっちゃんの掌に移動してきたのだった。


『どれだけ遠くに転がれど、君たちの元に戻ってくる魔法さ!』


 便利だね。


「じゃあ、投げるよー。……投げたー」


 カラカラドゥン──と、止まったサイコロの出目は──、


「『6』だー」

「すごーい!」

「おー……!」


 初っ端からの魅せプレイにおチビちゃんズも歓喜した。

 尚、エっちゃんが止まった肝心のマスは──、


『財布忘れた スタートへ戻る』


「どへー」


 エっちゃんは地面から生えてきた椅子に拘束されると、ジェットコースターさながらの速度で、スタート位置へと戻されてきましたとさ。


「ぶはははははは!!!!!」


 ある意味の魅せプレイに大人組は失笑を禁じ得なかった。

 エッちゃん、最高の魅せプレイをありがとう。


「嬉しくねぇよー……」


 他のマスはどうだろう? 項垂れるエっちゃんを差し置いて、確認しようと歩きだす。


『おぅい、タケ』

 と、そこへグラさんを始め、大人組を映したホログラムが現れた。


「わー。グラにぃだー。どうやってるのー?」

『説明書に書いてたんだ。んでお前ら、手をパッとやると地図見れるぞ』


 助言を基に手をグッと握ってパッとやると──、おぉ。宙に全体マップが現れた。

 五……四……三……と逆行して確認する。


『買い物メモ忘れた スタートへ戻る』

『買い物カゴ忘れた スタートへ戻る』

『トイレ行き忘れた スタートへ戻る』

『靴片っぽ間違えた スタートへ戻る』


 ここまで、どう足掻いてもスタートからやり直しだった。


 世知辛さを感じている中、勝手にサイコロを放っていたリコちゃんが「一だったー」とマスに進むと──。


『お困りかい? 手を貸そうか』


 見知らぬ男が『あいつが現れた』のテロップと一緒に現れた。


『誰だよあいつ』

『わたしは貴方が思い描いた姿さ』

『返答してきたぞ』


 僕らの声、聞こえないでー。


『……説明のキャラクター欄にも載ってないぞ』

『それより最序盤からシビア過ぎない?』

「1以外、許されない、やつだねー」


 製作者は1以外に何か恨みでもあるのだろうか?


『……1に愛されたばかりに一度もゴールできたことがないらしいぞ。その分学業一位やら駆けっこ一位やら覇道を歩んできたそうだ』


 やかましいわ。


『人生背景よか〝あいつ〟について書けよ。それだけでもう駄作まっしぐらだ』

『この〝あいつ〟って知り合いよね流石に?』

『アフノさん、ツッコミ所そこじゃない。〝あいつ〟がどう手伝ってくれるかだ』


 次々とツッコミが入る中、気を利かせて静観していた〝あいつ〟がやっと口を開く。


『借りるならば〝絶対6サイコロ〟を託してしんぜよう』


 合わせてテロップも宙に表示される。


『貰う→赤カード①を引く 要らない→青カード①を引く』

「要らなーい」

 と、差し伸べられた手をぐっーと押し退けて、そのまま〝あいつ〟を退場させてから、青カード①を引いた。


 リコちゃん、サイコロ要らないの?


「知らない人から、物貰っちゃ駄目って、お父さんとお母さん言ってたー」


 でも、特別サイコロ無いと、事実上脱出不可能だよ。


「……ホントだー」


 そこまで考えていなかったようだ。


「次は気を付けないとねー」

「そだねー」


 なんて反省会を見届けていると、〝あいつ〟が戻ってくる姿が見えた。

 〝あいつ〟は再びリコちゃんの居るマスに入ってくるや否や、


『GOOD……!』

 と、称賛するなり指をパチン──と鳴らして、リコちゃんを〝五マスの螺旋回廊〟を超えた七マス目に瞬間移動させた。


『物に釣られない思慮深さに敬意を表そう』

「わーい」

「リコリコに続けー」

「おー……!」


 こうして、〝魔の螺旋回廊〟を脱した皆は、今度こそ四五六を始めるのだった。



 ◇ ◇ ◇



「あー。イベントだー」

 四分の一地点にて──。リコちゃんが引き当てたイベントマスに足を踏み入れると、


 ──ボソンッ!!


「ぎゃあ」


 パンパンに詰まった革鞄が、どこからともなく降ってきたものだから、リコちゃんは尻もちをついてしまった。


『プレイヤーには当たらないよう設定されていますので……ぐふぅ……』

『アフノさん、気絶だけはさせんなよ?』

『私らがシバけなくなっちまうから』


 グェェム・マスターがタコ殴られているが、それよりもリコちゃんの安否だ。

 リコちゃん。お尻は大丈夫かい? 割れちゃってないかい?


「二つに割れてるよー」


 それは大変だ。重傷だ。グェェム・マスターに慰謝料をせびろう。


「元から割れてるよー?」

「おー……?」


 幼児二人して首を傾げられる。幼児に頓智は難しかった。


「ところで、これなーにー?」

 リコちゃんが切り替えて鞄に触れると、テロップが表示された。


『5億G入った鞄を拾った。憲兵さんに届けよう』


「何が悲しくて落としたよその鞄」

「しっ。おもちゃの設定に詮索は野暮よ」


 続けて、テロップが表示される。


『→3コマ戻り、青④カードを引く 行き先で落とし主に会うかも……→そのまま進む』


「戻るー」


 リコちゃんは躊躇なく来た道を引き返した。良い子だね。


 指定位置まで戻ったリコちゃんは〝青④〟をひっくり返した。ステージは異空間の癖にカードはアナログだった。


『おお! それは私の鞄‼ 拾ってくれてありがとう。礼をさせてくれ』


 煙と共に身形の良いおじさんが現れる。落とし主らしい。


『憲兵に紛失届出中の貴族から一割貰う→右手を挙げる 「だが断る」→左手を挙げる』

「持ち主、見つかったよー」


 良かったねぇ。


『一割っつったら…………5千万G⁉』

「要らなーい」


 リコちゃんは何の迷いもなく②を選択した。


「リコリコ、貰わなくて、いいのー?」

「お金持ちは怖いのー」


「どうしてー?」

「お母さんが話してたのー」


『なんて言ってたんだ?』

「お母さん、お父さんと旅してたのー」


(あ、時間掛かるわねこれ)

(まぁまぁアフノさん。僕は興味あるよ)

(タローくん、あなたエスパー?)


「お父さんと、お母さんと、ライカさんの分しか、お宿代、無かったのー」


 4人以上のパーティだったらしい。


「仕方なく、カジノ? に入ったのー」

『打開策が極端……!』


「お父さんとライカさん、すぐ摩ったのー」

『泣き顔が目に浮かぶよ……』


「グレイガンさんの分は、グレイガンさんが稼いだのー」


 4人目はグレイガンさんというらしい。


「お母さんは、出禁になるまで稼いじゃったのー」

「おー……?」


「当ててる間に、人が集まってきて、引くに引けなくなっちゃったのー」

『ひぃ……』


「果てには、最高連当記録、更新しちゃったのー」

『とんでもないや……』


「お母さん、もう二度と行きたくないってー」


 出禁を差し置いても?


「いきなりお金持ちになって、怖かったんだってー」


 へー。


 お金持ちといえば大金。大金といえば贅沢三昧だが、それの何が怖いのか僕にはよく分からない。

 なので僕は、贅沢について頭をこねくり回してみた。


 ……そういえば──。


 小学生の頃だったか──、お小遣い千円を握りしめて、駄菓子屋で憧れの大人買いをしたことがあった。所持金の許す限りカゴに詰めたのをよく憶えている。

 そちらに贅沢がどれだけ恐ろしいか当てはめてみよう。

 僕は駄菓子屋の商品が「今から全部キミの物」と言われたと仮定してみた。


 ……おえっ。

 すごく怖くなった。


『どうしたタケ? 急に青ざめたりして、具合悪いんか?』

 と、心配してくれるグラさんに、昼市に例え直して経緯を説明する。


『何それ怖ァ……』

『ヒュッ……』

『うぷっ……』

「たっくんそれ二度と言わないで」


 グラさんは恐れ慄き、リンねぇさんは八の字に皺寄せ、ユイねぇさんは吐き気を催し、エっちゃんに至っては開眼してまで拒絶してきた。


『贅沢はね、ちょっと奮発したレストランでデザート付きを頼むくらいがちょうど良いのよ。皆も過剰な贅沢は大敵だからね。さっ続けましょ。お金は要らないのね?』


「要らなーい」

『では店まで送らせてくれ。その身なり、買出し中だろう?』

『→馬車に乗せてもらえた! 店まで進む!』


「送ってもらえるってー」

『良かったわねぇ。欲に塗れなかったご褒美だわ♪』


 こうしてリコちゃんは馬に連れられ一人中間地点へと抜け出したのだった。


「わたしも、そこ狙おー。……外れたー」

 とエっちゃんが進んだ先には──ブロッコリーのような毛玉を頭部に生やした白犬がいた。


野菜犬(やさいぬ)と戯れる 一回休み』


 一回休みイベントだった。ここにもあったか一回休み。


「やさいぬだー」

『いぬっいぬっ』


 野菜犬(やさいぬ)はエっちゃんを〝のすんっ〟と圧し潰した。人懐っこそうだ。

 いいなぁ……。


『ブロンゴリーみたいな頭しやがって』

『なぁおい。説明書に野菜犬(やさいぬ)の生態載ってるぞ』


 ユイねぇさんが開いた説明書を音読してくれる。


野菜犬(やさいぬ)は食べた野菜が毛玉となって頭部に現れます、だと』

『なんとも色々試したくなる生態ね』

『スウィカ食わせたらアフロになんのかな?』

『巨大毛玉乗っけてるんじゃない?』


『ちなみに、現在頭に生やしているのはカリュフラワーらしい』

『どうでもいいわ』


『製作者の出身国では野菜犬(やさいぬ)の頭に生えた毛玉の美しさを競うコンテストがあるそうだ。今年はニンズン毛玉指定だったとか』


 ニンズンだったら、そのまま縦に生えてくるのかなぁ。


「もしかしたら、リーゼントっぽく、なるかもしれないよー」

『いいなそれ。見てみてぇな』


「おー……」


 どうしたんだいコウくん? 野菜犬(やさいぬ)に乗ってみたいって?


 野菜犬(やさいぬ)はグレート・ピレニーズに匹敵する大型犬種だった。コウくんリコちゃんなら背中に寝転がれそうな巨体だった。


 お願いしてみたら、ワンチャン乗れるかもよ?


「おー……!」


 コウくんは期待の眼差しを籠めて、野菜犬(やさいぬ)を目指していった。

 そこに、入れ替わりでユイねぇさんが通信を入れてくる。


『わんこだけに?』


 ミュートにしておいた。


『おおっと? 待ちたまえコウブォォイ! 野菜犬と遊びたいならばサイコロを振りたまえ! 外野が他者のマスに干渉するのは固く禁止されているからね!』

「おー……⁉」

『動物と触れ合うくらい良いじゃないか。減るもんじゃあないし』

『器が小せぇぞぉ!』

『弟の邪魔してんじゃねぇよ●すゾ』

『リンちゃん⁉』


「おー……‼」


 コウくんは野菜犬との交流を掛けて、乾坤一擲のサイコロを投げた。

 サイコロが示した先は──別のマスだった。


「おー……」

 コウくんはあからさまにがっかりしてイベントマスに止まった。


 瞬間──、爆発音とともに、人一人歩いていない城下町と強面のおじさんが現れた。

 強面おじさんは具合が悪そうだった。


『熱中症の強面おじさんを日陰に運ぶ→緑③カードを得て一回休み』

『怖いや→ほっとく』


「おー……」

 コウくんは戸惑いながらも、おじさんを担いで日陰に移った。


『スマンのぉ……ありがとよぅ……」

「おー……」


 コウくんはちょっとうら悲しい顔を浮かべた。一回休みになっちゃったからね。

 人助けは時間かかるから、仕方ないさ。


『そう落ち込むなコウ。先ずはおじさん助けてやった自分を褒めてやりな』

『ん……』

「おー……」


 グラさんとリンねぇさんに諭され、コウくんは割り切れた顔になった。


「ぎゃー」

「ぐえー」


 程なくしてリコちゃんが、一回休みが解けたエっちゃんが又も一回休みとなったので、あっという間にコウくんのターンになる。


「おー……?」


 コウくんが進むとチンピラゴボウが現れて、そいつらにぶつかられた。


『痛ぇなてめェ! 落とし前つけんかい我ェ!』


 なんとコウくんは因縁付けられてしまった。


『所持金取られてゲームオーバー。スタートからやり直し』

「おー……」


『リン! ステイステイ! この高さじゃ骨折どころじゃねぇ!』

『とんでもない輩ね。成敗してやりたいわ』

『……いや、コウ。まだ何か書いてあるぞ?』

「おー……?」


『──ただし、緑③を持っている場合、青②を引く』


『こちらでございます』

 と、持ってこられた青②をコウくんが掲げると、


『お前ら、倅に何しとんじゃあ!』

『ぎゃー‼‼‼‼‼』


 集団を引き連れて再登場した何時ぞやのおじさんにチンピラゴボウたちは炒められ、きんぴらごぼうにされてしまったとさ。


『ギャングファーザーが助けてくれた! 所持金紛失回避!』


 救済イベントだった。

 強面は恩に報いるタイプのおじさんだった。


『怖かったけぇのぉ。これ食って元気出しんしゃい』


 しかも〝元気百倍アイス〟を奢ってくれた。


「おー……?」

『好きなタイミングでサイコロを2回投げれるのよ。良かったわね♪』

『アイスで体力回復ってやつだ。一回休んだ甲斐あったな』

「おー……!」

『ドヤァ……!』


 弟のラッキーイベントに、リンねぇさんも我が事顔でご満悦だ。

 四五六はまだまだ続く。



 ◇ ◇ ◇



「ようやく着いたー……ぶへぇ……」


 コウくんが中間地点を超えてしばらく経った頃──。

 三人の中で一番ドべだったエっちゃんが、遂に中間地点──商店に辿り着いた。


『おう。やっとかエイリ。苦労したなぁ』

「ホントだよー……。躓きまくって粉砕骨折だよー……」

「え……?」

「ごめんリコリコ折れてないから安心してちょ」

『まぁ、お前は泣いていいよ。えれぇ回数一回休み引っ掛かってたもん」


 憐むグラさんの言う通り、エっちゃんは『おトイレ行きたい』『あ、ちょうちょ』等の足止めマスを悉く踏み抜いていた。


『子どもの好奇心をふんだんに盛り込んでるわよね。ほら、子どもの頃って色々と気になるお年頃だったし』

「そのお年頃二人、今何処にいるのー?』

「此処にいるよー」

「おー……」


 リコちゃんは全体の四分の一地点から、コウくんがそれを追う位置から手を振る。


「……これ、もう追い付きようなくなぁい?」


 エっちゃんが珍しく弱音だ。

 まぁまぁ、エっちゃん。リコちゃんとコウくんがいる場所、戻りマスと止まりマスが蔓延ってるし、ワンチャン出し抜けるかもしれないよ?


「じゃあやる」


 エっちゃんはやる気を取り戻した。

 だからなのか、遂にギャンブルの女神が彼女に微笑んだ。


『一発逆転チャンス到来! 赤カードを引く』


「ビックチャンスきたぁぁぁぁあああ‼‼‼‼‼」


 エっちゃんが珍しく声を荒らげた。逆転ハイと化していた。


『よっしゃあエイリ! お前の豪運の魅せ時だ!』

『運がないからモタついてたんだろう』

『ユイ、お黙り!』


「そいやぁぁぁああ‼‼‼‼‼」

 エっちゃんが気合い一発カードを引くとともに、煙幕がボワンッ──と湧いた。


 その煙が晴れたとき──昔懐かしいダチョウだかヒクイドリ擬きが現れた。


「ア ニョ ペ リ ノ」


「ぎゃあ!」

『やだ! アニョペリ鳥じゃない⁉』

『乗りなキティ』

『ノリノリだぞあの鳥!』

『やめとけエイリ! そいつは指定危険生物だぞ! ノリで連れ去られかねない!』


「うぐぅっ! で、でも……わたしはもう後には引けないんだぁぁぁああ‼‼‼‼‼」


 エっちゃんは苦悶の表情でアニョペリ鳥に飛び乗った。


『さぁ、サイコロを振るんだキティ。出目×3の数だけ送り届けてやるぜ!』

「四五六の神さま我に力をぉぉぉおおあああああよっしゃァァァアア‼‼‼‼‼」


 サイコロの出目は〝6〟だった。

 ということは18マス進行だ。考えうる限り最上級のアメリカンドリームで、彼女はリコちゃんを追い越し、ゴール一歩手前で止まった。


『という夢を見たのさ 所有物を破棄してスタートへ戻る』


「嫌ァァァァアアア‼⁉‼⁉‼」

『うわァァァァアアア‼‼‼‼‼』


 エっちゃんもアフノさんたちも今世紀最大の悲鳴をあげた。アニョペリ鳥でさえ絶句する、残酷な末路だった。

 こんなのってないよ。


『せめてスタートまで送ったるわい……』

「待ってェェェエエ‼ 此処まで来てふり出しなんて僕は嫌だァァァアア‼‼‼‼‼」


 覆水盆に返らず。決死の訴えも虚しくエっちゃんは所持品をばら撒きながらスタート位置に戻ってきましたとさ。

 実況だったら最高の撮れ高ってやつなんだろうなぁ。

 エっちゃんは最後までエンターテイナーだった。


 こうして、コウくんがズッコけ、エっちゃんが泣いているうちに、リコちゃんがなんやかんや一着となって、僕らは四五六世界を抜け出せましたとさ。


 ……え? 僕は何処で何をしていたって?

 ……ふふふっ。


「ははは」

「ひひひ」

「へっへっへ」


 〝魔の螺旋回廊〟で詰んでたよ。

アニョペリ鳥「どんマイケル」

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