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第7話 みんなでお買い物③

 モールの中に入り、エスカレーターを使い2階に行く。

 そこから案内表を元に少し道を歩いていくと。


「確かあの店のはずだわ」


 目的の店を発見する。

 見ためは普通の店って感じで良さそうなんだが……。

 

「あの名前がラブ&キスってお店のことですかね……」


 凛音ちゃんが店の上についてある看板を指さす。


「その名前のお店で合ってるわ」


「……」


 名前からしておかしい。どう考えても俺のような奴が行くところじゃない。

 ……ヤバい気がする。不安だ。大丈夫かな?

 少し心配になってくる。


「……まあ、見た目より中身が大事ですからね。まずは入ってみましょうか」


「……そうだね。とりあえず行ってみようか……」


 店のドアを開けて、入っていく。


「おおぉ……」


 中はおしゃれにコーティングされていて、人気のスイーツ店のようだった。

 上を向けばキレイなシャンデリアがあり、横を向けば、スイーツの模様が書いてある壁紙がある。

 代金は先払い制で払った後に商品が来るらしい。

 まあ、そこまではとてもいい。

 そこまでは、だが……。


「ねぇ、蓮。あのスイーツが食べたい!」


「おん、わかった。おごってやるよ」


「やったー蓮大好き!」


「ふ、それくらい当たり前だろ。彼氏なんだしな!」


 前にいた男を女の会話を聞きながら俺は思った。

 こんな感じはしていた。きっとそうなるだろうと。

 その予想は嫌なことに見事的中し、今こうして引き起こった。

 周りをみれば……。


「……カップル多すぎるでしょ」

 

「ですね」


「そうみたいね」


 カップルだらけだった。

 いや、だらけというよりカップルしかいない。

 みな彼氏彼女を連れ、この店の中にいるのだ。


 つまり非モテ陰キャの俺にとっては完全アウェー。

 圧倒的アウェーなのだ。

 

「おい、これどうするんだよ。スイーツを食べるとか言ってたけどこの中でカップルなんか演じるのは難しいんじゃないのか?」


「……大丈夫よ。なんとかなるはずだわ。いいえ、なんとかして見せる」


「その自信はどこから出て来るんだ……」


「まあ、いいわ。なら早く始めましょう」


「え?」


 すると、姫野は脇の間に手を入れ、俺の肩に腕をまわしてくる。

 体と体の距離が近くて、妙に緊張してしまう。


「よし、これなら恋人って言われるに違いないわ」


「ちょっと姫野さん。これはちょっと恥ずかしいんですけど!?」


「そうです! 姫野先輩ばかりズルいです!!」


「そこかい!!」


 思わずツッコミを入れる。


「仕方ないでしょ。これも恋人を立証させるための工作なのだから」


「いやいや、ここまでする必要あるんですかね。普通にカップルですっていえばいいんじゃないですかね!?」


「それこそダメよ。もし、店員さんが恋人か証明してくださいと言われた時どうするのよ。あなたのような人が口で説明できるのかしら。いいえ、多分無理よね。でも、これなら疑われずに済むでしょう」


「ホントのことだからなにも言えない……」


 確かに説明を求められたら恋人です! とかはっきり言えないと思う。


「これで許可は出たわね。さっさと行ってスイーツでも食べましょうか」


「ってことで私も!」


 ついでに凛音ちゃんも肩を組んでくる。


「ふふふ、先輩の匂いはいい匂い~」


 服に顔をこすりつけて、においをかいでくる。


「それは流石に勘弁して……」


「うーん、しょうがないですね。先輩がそういうなら少しだけ我慢してあげます」


 さっきから周りの視線も厳しいし、なにこの状況怖いんですけど……。

 

 俺のそんなことなどお構いなしに姫野はそのまま店員の方に腕を引っ張っていき、注文を始める。


「あのちょっといいかしら」


「……はい。ご注文はいかがでしょうか?」


 この姿に少し動揺を見せる店員。

 ホントすいません。マジでごめんなさい。

 心の中で出来るだけ謝っておいた。

 

「そうね……じゃあこのラブラブストロベリーとバナナのパフェをおひとつ」


「私はこの大好きチョコレートとフルーツポンチパフェで!」


「……俺はなしで」


 二人が交互に注文を言っていく。

 なんだろう。この店の名前といい、この商品の名前といい、これを考えた奴は非リア充に殴られてもおかしくない気がする。


「……その注文でよろしいですか?」


「はい」


「お会計は2560円になります」


「……え? 割引とかはないんですか?」


「割引? ああ、カップル割引のことですかね」


「それです」


 すると店員が衝撃発言をする。


「そのキャンペーンは昨日で終わりましたよ」


「「……え、ええええええええええええ!?」」


 三人の驚く姿がそこにはあった。 

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