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ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第2章 埴輪(はにわ)のパピプペポ
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友達のために怒る人は優しい人だと思います



横で聞いていた竹下愛が突然口を開いた。


「アスナちゃんはどうしてミコトちゃんの悪口ばっかり言うの?そんなのおかしいよ!ミコトちゃんは何も悪口言ってないじゃない!」


「アイちゃん落着いて、私のことで怒らないでよ」


「ミコトちゃんは、怒らなきゃだめなの!」


「ごめんなさい」


「もう!ミコトちゃんがあたしに謝ってどうするの?」


「そんなに怒るなよ、アイ。ほら、私のチョコあげるから」



石川和美は竹下愛の口にチョコを放りこんだ。いいタイミング!これで話題を変えられる!


「そういえば、アイちゃん、舐めてると絵が変わるチョコってもう食べちゃった?」


「ううん、まだ食べてないよ」


良かった、話のすり替えに成功した。ミコトは石川和美の方を見て肯いた。石川和美はミコトに軽くウインクしてみせた。


「じゃあ、見せてよ」


竹下愛は、歩きながらリュックを手に持ち、目的のチョコを取り出した。


「これがペロリンチョコ。見て、今アニメキャラの猫兵衛が写っているでしょ?」


「うん」



ミコトは猫兵衛なるモノを知らなかったが、とりあえず返事をしておいた。


「これを、絵の部分をどんどん舐めていくと」




そう言って、言った通りのことを実行していく。


「ほら、だんだん絵が変わって来た。これは、あれだ。犬衛門だ」


確かに、さっきの猫のロボットから子犬の絵柄に変わった。


「すごいね、本当に絵が変わったよ」


「ペロリンチョコのすごいところは、絵が変わるだけじゃなくって味も変わるところなの。さっきの普通のチョコ味から今度はストロベリー味に変わるの」


「味は全部でいくつ変わるの?」


「三回。全部で四つの味があるの。一つの味に一枚の絵がついていて四コマ漫画になってるんだよ」


すっかりご機嫌になった竹下愛を横目に、宮崎藍は、私は何の花だったんだろう、と気を揉んでいた(後で聞いたら、しばらく考えて紫陽花とミコトは答えた。理由は気付かないときに気付かない所で咲いているから、というのだそうだ。それって地味ってことなのかな、と宮崎は問うと、でも雨上がりの夕方に見た紫陽花はとてもきれいだったよ、と答えた)。



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