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ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第1章 遮光式土偶はかく語りき
70/155

ボーイ ミーツ マム ♪



 境内に近づくと、ボールを蹴る音が聞こえて来た。ああ、そう言えば今日も来るって言ってたっけ。さっき来たばかりなのかしら?


「あら、誰かいるわね」

「あれ、ヤナイ君だよ。学校終わったり、休みの日にはここでサッカーの練習してるよ」

「ん?横にいるのはおスミちゃんじゃないの?」

「あ、本当だ」


 参道を歩くにつれて、少年の姿が大きく見えてくる。少年も、二人ともう一匹が来たのに気づいたらしく、ボールを蹴るのを止め、こちらを向いてペコリと頭を下げた。


「こんにちは」

「あら、こんにちは。君が、ヤナイ君かな?」

「あ、はい」


 柳井圭治はミコトの方を見てちょっとびっくりしたようだった。初めてクラスメイトの袴姿を見て驚いてるのだろう、そうミコトは推察した。少年は呼吸を整えてミコトに聞いてきた。


「あの、日野さん、こちらの方は、ここの職員の人?」

「ウチのママ」

「初めまして。ミコトの母です。君の話は娘からよく聞いてます」

「日野さんのお母さんですか?本当に?確かに顔は似てるなとは思ったけど。すごく若く見えるから、ここのアルバイトの大学生の方かと思った」

「あらあら、ヤナイ君はお世辞が上手ね」


母親はまんざらでもないらしく、嬉しそうに笑っている。


「いやいや、お世辞なんかじゃないですよ。日野さんのお姉さんって言われても聞いた人は全員納得しますよ」

「おやおや、ミコトと姉妹みたいだって」

「マ・マ!調子に乗らないの!」

「やっぱりお母さんのことも、ママって呼ぶんだ。でも全然ママって感じじゃないね」

「さあさあ、お喋りはそのくらいにして。さきに用事を済ませちゃいましょ。行くよ、」

「あ、すみません、お邪魔しちゃって」

「また、後でね。ケイジ君って呼んでいいかしら?」

「あ、はい」

「私のことは、日野さんのお母さん、じゃなくって美鈴さんって呼んでね」

「あ、はい」

「それじゃ、サッカーの練習がんばってね、ケイジ君」


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