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ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第1章 遮光式土偶はかく語りき
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パパさんからの依頼



食事が終わり、後片付けが終わると、ミコトは父親に尋ねた。


「明日のコトなんだけど、いったい何するの?全然見えてこないんだけど」

「ああ、明日のことかい?それじゃあ、居間で話そうか?」

そう言うと、父親は立ち上がり娘を連れだした。


「君も来ない?」

「先に二人で話してて」

「わかった」



 居間に入り、二人はソファに座る。目の前のテーブルには積み上げられた書類があった。その中の一つを父親は広げた。


「見てごらん、これ境内の地図。ここにある建物、なんだかわかる?」

「ここは、まだ中を見たことがない建物だね」

「ここ、神楽殿だよ。どうも、昔はここで神楽をやっていたらしい。先代は使わなかったらしいが」

「どうして使わなかったのかしら?」

「さて、どうしてだろうね?いろいろ調べたけど、理由は分からなかった。ともかくだ、せっかく神楽殿があるんだから、使わない手はないだろう?」

「そうだね」

「そこでだ、秋のお祭りまでにここで神楽を練習してもらう。そのために明日はあそこを点検してお掃除するんだ」

「掃除はわかるけど、点検って何するの?」

「神楽に使える広さを調べたり、何か変わった仕掛けがないか確認するのさ」

「変わった仕掛け?」

「床が開いたりしないか壁が回転しないか、まあ多分そういったものはないとは思うけど、念のため」

「じゃあ、明日は大掃除だ」

「まあそういうこと。あと五ヶ月ちょっとあるけど、どうかな?やれそう?」

「わからない。だって神楽見たことないもの」

「まあだいたい三十分程度のものと考えといて。内容は、まあ舞台を見てからだね」

「本当に神楽なんかで人が集まるかな?」

「人に来てもらえるようにテレビ局に交渉するよ。むしろ、人が集まり過ぎるのが問題だね。駐車場を広げるかな……」


「うちにそんなお金のゆとりがあるの?」

「お金の心配は、ミコトがしなくっていいものだよ」

「そう?それじゃあ、テレビ録画機買ってよ」

「どうしたの、急に?」

「アイちゃんが言ってたの。お昼に神楽の放送やってるって。お昼は学校行ってて見れないでしょう?」

「本当に神楽が目的かな?」

「いや、それだけじゃないけど。本当は夜のドラマが目的。夜は起きてられないのでお休みの日に見ようと思って」

「うん、わかったよ。それでミコトのやる気がでるんだったら、それくらい安いもんだ」

「やったー、ありがとう、パパ」

「それじゃあ、よろしくお願いします」

「任せて、完璧に舞って見せるから」

「それはそれは、頼もしいね」

「話は終わったかしら?お風呂が沸いたんですけど、ミコト入りなさい」

「うん、話は分かったからもういいよ」

「それじゃ、ミコト明日は頼むよ」


承諾の返事してミコトは居間から出ていった。


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