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ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第1章 遮光式土偶はかく語りき
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午後は体力測定の時間です


 二人が運動場に着いたのは、担任・宮本指定の時刻の直前であった。外は穏やかに晴れていた。ソナタはたっぷり日の光を浴びているかしら、ミコトはそんなことを考えながら走ってきた。


「よーし、そろったな。それじゃあ、準備運動をするわよ。背の高さが近い者同士で柔軟体操をするから。木村さんは前に来て。私と組んで、見本をやるから」

木村詩織は仕方なしに前に出た。


「マオちゃん、やろうか」

ミコトの身長に釣り合うのは、石川和美と竹下愛、それに山口真央の四人だった。竹下愛は体育を休みがちなので、よく三人で柔軟体操をやっていた。ちびっ子三銃士と呼ばれる所以であった。


柔軟体操が終わると、担任・宮本は全員を背の高さ順に整列させた。



「はい、これから陸上競技の記録測定をします。種目は遠投、走り幅跳び、百メートル、四百メートル、千六百メートル走のタイムを計ります。そのあと体育館に行って反復横とび、垂直飛び、立位体前屈、踏み台昇降です。最後に身長、体重、胸囲を測って終わりです。気分が悪くなった人はその場ですぐ申し出ること。いいですか?それと日野さん記録係お願い。それじゃあ始めますよ」

みんなやる前から終わった後のことを考えてげっそりした。


 全ての測定が終わった。体操服から制服に着替え終わった六年生たちは、測定前の予想どおり、みんなぐったりしていた。教室までたどり着くと、各々が各々の席で各々の方法でだれていた。

「ミコトちゃん、相変わらず足速いねー」

隣の席の山本凛が顔の右半分を机につけて話しかけて来た。ミコトは顔の左半分を机につけて返答する。


「足の速さって鍛えないと速くならないからねー」

「朝から毎日走ってるもんねー。それにしても男子より速いんだもん、すごいよねー」

「すごくないよー」

「ケイジ君も速かったけど、ミコトちゃんには負けてたしねー」

「アイツ、走ること以外は結構すごかったよ。運動音痴じゃなかったんだねー」

「どうしてそう思ったのー?」

「昨日、ウチの神社の境内でサッカーボール蹴ってるの見たんだよー」

「へー、それでー?」

「ボール蹴るの下手だったからそう思っただけだよー」

「へー、そんなことがあったのー?」


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