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午前中は筆記テストだそうだ
ミコトは注意を促した。
皆が席に着いた途端、担任・宮本が教室に入ってきた。
「はい、皆さんおはよう。ホームルーム始めるわよ、日野さん号令は?」
ミコトの号令によってホームルームが始まる。ここからミコト達の学校での毎日が始まるのだ。
「今日は、春休みにみんながどれくらい勉強してたか、テストします」
ええーっ、というどよめきが起きた。
「そんなの聞いてないよー」
川村幸治が大声を上げた。
「当然よ、言ってませんから。これは柳井君の学力を先生が知ることも兼ねてるの」
「先生、今日体育の時間があるんですけど、それはどうするんですか?」
ミコトは尋ねた。
「体育の時間は午後に回して、午後いっぱい体力測定をします。運動着、忘れずに持ってきてるわよね?」
「他の何かは忘れても、体操服は忘れないよな」
「そうだな」
馬鹿なことを男子諸君はささやきあった。
「それじゃあ、国語、算数、理科社会の順番で始めるわよ。そういうわけで一時間目は国語のテストよ」
何がそういうわけだかよくわからないまま、ミコト達はテストを受けることになった。