表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第2章 埴輪(はにわ)のパピプペポ
137/155

軍師 山口真央



ミコトは、山口真央がそんな風に考えていたとは思っておらず口ごもって返事した。


「ところがミコトクラブでは、その対象がヒトだけでなく、イキモノやただのモノにまで及ぶのさ。それで、マオちゃんの作戦っていうのはどういうの?聞こうじゃないか?」


「うん、作戦ていうのはね、うまくいくかどうかはわからないよ?ミコトちゃんの情報を基にして考えたんだから」


「うん、それでいいから、聞かせてよ」


「あのね、本当にカラスがミコトちゃんの言うとおり、埴輪を口に銜えて持っていったんだとしたら、そのカラスはミコトちゃんと同じように埴輪に興味があるってことでしょう?だからね、今ミコトちゃんが持っている埴輪を餌にして、そのカラスを釣るの。モチロン釣るっていうのはお魚みたいに餌に針を付けて針をカラスに引っ掛けるっていう意味じゃないよ。この場合、目的は埴輪を持っていったカラスの巣を見つけることだから、そのために埴輪に糸を付けておくの」


「糸?」


「そう、どれくらいの長さになるかわからないけど。カラスの巣は近くにあると思うから、そんなに長くする必要はないと思うな。それでカラスがその埴輪を持っていったら…」


「なるほど、その巣の在り処がわかるっていうわけね、マオちゃんにしては上出来じゃない?ミコトちゃんはどう思う?」


”ペィはどう思う?この作戦成功するかな?”


”悪くないと思うでござるよ?ただ、カラスをだますことになるので拙者としては気が引けるでござるが”


”だます?どうしてだますことになるの?”


”我らは鳥たちに頼んで居場所をかえるでござる。それをわざわざ巣まで運んでもらってそのあとで巣を荒らすとは拙者は感心しないでござる”


”別に荒らすわけじゃないし、あんたの兄弟探すだけだから。って、あんた鳥と話せるならパの奴を連れてきてもらってよ”


”それはできないでござる。パァにはパァの考えがあるのでござろう。鳥たちはただ移ることを頼まれるだけであるから。迷惑はかけたくないでござる”


”カラスに迷惑はかけないようにするから。それとお礼もするからって言ってよ”


”わかったでござるよ”



「いいんじゃないかな?やってみる価値はあると思うよ」


「やたらとため、つくってたねえ?どうしたの?」


「埴輪と相談してたの、やるかやらないか。やってくれるって」


「それでこそ、ミコトクラブのリーダー。私も手伝うよ」


「ありがとう、エリコちゃん。でもなんでまた?埴輪には興味なさそうに見えたけど」


「なに、何もしないで連休過ごすのも退屈だし、作文のネタになるかなって思ってさ」


「あちゃー、作文のネタにされるのか」


「それじゃ、策は授けたから。がんばってね、二人とも。それじゃバイバイ」


「お疲れ様でした、軍師殿」


そう言ってミコトは山口真央に敬礼してみた。荒木恵理子も面白がって真似した。山口真央はあきれ顔だったが、しょうがないなあと言う感じで敬礼し返してウチの中に入っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ