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ミコトのドーグー!  作者: あいうわをん
第2章 埴輪(はにわ)のパピプペポ
125/155

課題が残りましたな



”ちょっとソナタ、今の話、聞いてた?”


”聞いてたが、何か?”


”何か、じゃないでしょ?やっぱりこの辺にいるんだよ、パの奴が”


”それは先ほど道行きの歌でわかっておったはずでは?”


”ずっと前からここらにいたのかな?”


”そうではあるまい。そなたがペとポをわらわに会わせた日、あの日の前あたりと考えた方がよいのでは?”


”どうしてそう思うの?”


”前に言わなかったか?雨が病を変える機と”


”それは聞いた。それと何の関係があるの?


”機はきっかけ、場を移す良ききっかけとなる”


”どうやって移動するの?”


”答えてやるがいい、埴輪の兄弟よ”


”ヒノミコト殿は我らを持った感じ、いかがでござった?”


”うん、見た目よりずっと軽かったよ。そんなに大きくもないし”


”そう、我らは大きくなく、しかも軽いので運んでもらうことができるのでござる”


”運んでもらうって、誰に?”


”主に、鳥たちでござる”


”主に?鳥に?”


”四足どもでも運ぶことはできるでござるが、運び方が雑なのと、あまり遠くまで行けないので鳥たちを使うでござる”


「どうやって頼むの?」


「ミコトちゃん?何言ってるの?もう全部飲んじゃったけどまだ飲み足りないの?」


「ああっ!いやいやこっちの話!ご馳走様でした。そろそろ始めようか?ちょうど九時になったことだし」




ミコトは大部屋の大黒柱に掛けてある時計を見て皆に声をかけた。


「それじゃあ分担するところを決めようか?全部でプリント二十五枚あるから」


「四人で分けても六枚ちょっとかあ。一枚でどのくらいかかるかなあ?」


「真面目にやったら連休全部使って一日五枚。一枚一時間かけるとして五時間。こりゃ、連休中は遊びに行くなって言ってるな、完全に」


「おまけに作文もあるしね。でも一時間はいらないんじゃない?せいぜい三十分ってところかな?それでも分量多いけど」


「だからみんなで手分けしようって言ったの。我ながらいいアイデアだったと思うなー」


「でももっと人数がいたら良かったね。せめてリンちゃんでもいてくれたらなあ」


「いらないいらない。やかましくなるだけだって。ちっとも進まないと思うよ」


「それじゃ、さっさと始めよう。一人ひとりが違うプリントをやっていって三十分で一区切り。わからない所は飛ばす。終わったら隣の人に自分のやったのを見せて、隣りの人はもらったプリントを書き写す。間違いがあれば指摘する。そうやってみんながやった四枚のプリントを書き写していく。どう?これなら四枚を一時間かからずに終わらせられるよ」


「よし、それでいこう。それでも六時間はかかるか」


「一人でやるより全然ましだよ」


「でも進むスピードはみんな違うんじゃない?問題の難しさもプリントによって違うし」


「簡単なプリントだったらサッサと終わらせて新しいのに取りかかればいいんじゃない?それでその新しいのを次の三十分のときにやる、と」


「エリコちゃん、ナイスアイデア!それでいこう」



 こうして四人はそれぞれが異なるプリントを手に取り作業に取り掛かった。途中、お茶休憩をはさむまで皆で黙々と書き込みを続けていった。その結果十一時には目標の一人三枚を超える四枚のプリントを仕上げることができた。


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