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ユーリとカレンの日常 2

 顔を筆でなぞるようなくすぐったさでカレンは目を開く。


 職業柄(・・・)、寝起きはいいほうで、すぐに頭の芯から冷えていくように覚醒していく。


 「(意外と睫毛長いのね)」


 開けた視界に真っ先に飛び込んできたのは芸術作品のような整った顔だった。


 ぞんざいな扱いにも関わらず癖のない柔らかく細い髪は、月の光を溶かした絹糸のよう。


 その髪が顔にかかるとくすぐったいのか、


「んんっ」


 と声を上げて身じろぎする。

それが、カレンがくすぐったく思った原因だったのだろう。


 少し視線を移せば、白く艶のある瑞々しい肌が陽の光に照らし出されている。


 そういう関係(・・・・・・)なわけではない。ただ、ユーリが一人で眠るのが怖いと言って一緒に寝る習慣が出来上がったのと、ユーリが眠る時にパンツ以外を脱ぎ捨ててしまうだけだ。


 カレンはユーリの顔にかかる髪をかきあげるとユーリの口角が上がる。


 身長の低さで子供扱いされるユーリだが、手足の長さや顔や身体のバランスはとてもいい。このバランスであと10cmか15cm身長があったなら周りが放っておかないのではないだろうか。


 身体の線が出にくいゆったりとしたローブを着用し、信頼できる者の前以外ではフードを被っているため、完全に知り得ているのは自分だけだろう。


 ユーリの自分への信頼を思うと、カレンは胸の奥が暖かくなる。


 だから本当のことは話せない(・・・・・・・・・・)


 わずかに表情を歪ませた後、深呼吸をしてカレンはベッドから出る。



「……さて、朝食の準備しないと」


 んんーと大きく伸びをして、鏡の中の自分を見る。


「ユーリに渡された時はこんなに透けている夜着じゃ羽織ったってって恥ずかしがってたのに、慣れって恐ろしいわね」


 ため息を一つつくと、それで踏ん切りをつけて身支度を整えると台所へと向かった。

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