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林未香の優雅な旅行紀  作者: 藤村夕樹
2/2

一日目、午後十二時四十分

 講義が終わり、私は旅支度をするため一旦大学から徒歩五分の自宅へ戻る。二十分後、大学の目の前にある駅の改札前で未香さんと待ち合わせた。

「神戸、って、なにで行くんですか? 新幹線?」

「そう。新幹線」

 はい、と未香さんに乗車券と特急券を渡される。この駅から、新神戸までの往復切符。特急券は行きも帰りも指定席で、出発、到着時間が印字されている。

「帰りギリギリじゃないですか」

「君にとってはギリギリかもね」

 新幹線の到着時間から計算して、東京駅からこの駅につくのがおおよそ十六時二十分、私の金曜日最後の講義はその十分後の十六時半スタートだ。

「私にとって、とは?」

「これ、もともと僕と研究室の同期で行く予定だったんだよ。そう。元々は教授のお使いだったんだ。だけど朝になって、その連れが風邪引いて行けないとか言い出したもんだから、君を誘ったって訳」

 ドッペルゲンガー云々の話はなんだったのだろうか。

「それも目的のひとつだよ。詳しくは新幹線にのったら説明するからさ、とりあえず先ずは快速乗るよ」

 そう言って未香さんは改札を抜け、向こう側から私を手招きした。

「五限、間に合うんですかね……」

 紙の切符を改札に通すのはずいぶん久しぶりだななどと、現実逃避めいたことを思ってしまった。

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