冗談に非ず
「今の発言は冗談でしょうか?申し訳ありません
私には難解過ぎたようです」
ハクアの表情から
本気の確認だとわかる。
「これは俺たちの総意であり本気だ」
そしてやはり彼らも本気だ。
「わかりました それほどまでに
武人の勤めを軽んじるのであれば
問答無用 剣を交えて雌雄を決するのみ」
「臆病者のごくつぶし能無し野郎でないなら
どうぞ何人でもかかってきなさい」
ハクアは意外と口が悪かった。
「え~女の子に大勢はちょっと
能無し野郎でいいよな別に」
今まさにほぼ最悪の状況に近いトラブルが起きていると、
王子は悟った。王女直属の武人である彼女が
自他ともに認める臆病者の能無し軍団に、
彼らよりも弱い存在として見下され
こども扱いさたのである。
彼女の言葉はすべて正しかった。
しかしそれを彼女に言わせたのは王子の
怠慢だ。
「お前たちもういい このまままっすぐ実家に戻れ
ただもし街によるときは必ず武装を外せ
ハクア殿でなければ言葉ではなく
真剣で切り捨てられる
言動だった」
王子はハクアの腰の落とし方と構えを見て
彼女が一撃必殺の剣技を習得していること確信した。
訓練された部隊であれば、居合い切りの達人一人を
相手にする事など容易いが、
何せ彼らは名ばかり護衛団である。
数の理が生かせず、一人ずつ素人剣術で戦うことになる。
武人一人を相手の戦いに、全滅もありうる。
そして名ばかり護衛団は本当に帰っていった。
「王子出ですぎた言動をしました
申し訳ありません」
「いや こちらの人間の非礼こそ
お詫びいたします」
「しかし良いのですか?
護衛団は他にあてがあるのでしょうか?」
「母の実家の人間に腕の立つものが居ますので
呼んでみようと思います しばらくは近くの街で
過ごします」
「ではその間のお世話は私にお任せください」