観光がしたい
では、さっさと帰りますか。名ばかり部隊長と経路の確認をしたら
地図への書き込みが半端ない。
なぜ行の五倍時間をかけて帰らないといけないのだ。
彼らはガッツリ観光をするつもりだ。王子は気づいた。
ダメだ。これ以上妙なトラブルを起こす可能性が在ることはできない。
せめて王子である俺を城に送り届けてからにしろ。王子は願った。
「王子よろしいのですか?完全武装の部隊が
無暗に動き回るのは予測不能の事態を招く恐れがあるのでは?」
ハクア殿にも指摘されてしまった。
その通りなのだ。しかも彼らは訓練された正規軍ではない。
もしトラブルが起きて、どこぞの組織の部隊が動けば歯が立たない。
今想定できる中で、最悪のシナリオは防人の豪族たちとの接触だ。
彼らはガチの実力集団である性質上、事になれば王家との対立をも恐れない。
実際総力戦になれば王家と五分の戦いはできる。民衆の支持が防人側に行けば
冗談ではなく負ける可能性が出てくる。
そうなるくらいならむしろ地元に帰ってほしい今すぐに。
ホームシックってどうやったら起こせるんだっけ。
彼らの食事に下剤を入れるか…
いや臭そうだな。嫌がるだろうが、武装を解除させて荷物として背負わせるかな。
それが現実的かな。ボンボンの修学旅行に見えなくもないんじゃないか?
王子は決断した。
「悪いが お前たち その武装を…」
「あなた方は 何もわかっていない
その武装は飾りですか?」
あれ?ばれるの早いな。
「王子の護衛であれば王子の身の安全のため
統率を強化し気を引き締め速やかにお城へ送り届けることが先決
何故街を練り歩こうなどと無益なことを考え
本気で行おうとするのですか?」
ハクアの声は怒気を帯びていた。
もうこの流れは止められそうにないと王子は思った。
「あなた方は本気で王子のことを考えているのですか?」
ハクアの問いに彼らは素直に答えた。
「何を言う 俺たちはいつも本気で遊ぶことだけ考えて生きているのだ!!!」
王子は無音という人がいる場所では通常
起こりえないことを体験した。
シ…ンと音のない音が聞こえたのである。




