続く襲撃
登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) ジャド=ジャド(台詞表記) ニイナ=ニナ(台詞表記) ミリアナ=ミア(台詞表記) レイセモルス=レイ(台詞表記) 小林幸=幸(台詞表記) ミーリス=ミリ(台詞表記)
襲撃があった後なるべくメンバー同士連絡を密にするのと、一人で行動しないように気を付けるようにした。後はなるべく夜は一緒の場所で固まって生活するようにして、襲撃を警戒したりもする。そんな感じで注意しながら生活すること約一ヶ月・・・・・・そろそろ緊張感も薄れて来る時期にそれは起きた。
ロプ 「幸、起きろ」
幸 「・・・・・・ロップソン?」
ロプ 「我が声を伝えたまえ、メッセージ。みんな襲撃だ、起きてくれ」
幸 「襲撃! 囲まれてる。数は十二」
ロプ 「ジャドの方は?」
幸 「そっちには二人みたい」
ロプ 「ならミリアナ達の方にも、賊が行っているかもしれないな」
幸 「そうね。相手はまだ、こちらが気付いた事を知らないみたいだよ」
ロプ 「了解」
僕はそう言ってジャドの家のある方をそっと窺い、敵の数を確認する。
幸 「こっちは敵が四人」
ある程度何がしたいのか予想できたのかそう言って、詳しい方向を指で指して教えてくれる。それによって何とか敵の位置を把握することができた。これなら何とか突破して合流できるかな?
ロプ 「輝き集めたる力をここに、ライトランス」
夜だからこそ効果が高まる光の攻撃魔法を、数を四つに増やしてそれぞれの敵に向けて飛ばすとともに、幸を連れてジャドの家へと走る。夜に目が慣れた敵は、突然の強烈な光で目潰しされるのと、その魔法自体の攻撃を受けて起き上がって来られなくなったようだ。その隙を突いて走り抜けると、ジャドの家の手前で賊二人と戦っているジャドを見付ける。
ロプ 「焼き尽くせ、ファイアアロー」
もたもたしていると、背後から集まって来た賊と挟み撃ちになる為、過剰攻撃になっても構わないと魔法攻撃を仕掛けて倒して行った。元より相手は襲撃して来ているので、生かしておく必要すらない。さすがに鎧を着ている時間はなかったようで、剣と盾にマント姿のジャドと合流した僕達は、向かって来る賊の配置を幸に教えてもらいながら、的確に迎撃していった。
何度が修行と言って幸にリーダーをやらせたかいがあったようで、上手いこと僕達を使って賊を仕留めて行くことができた。本当に何が役に立つのかわからないものだな。これが人間じゃなくてモンスターだったのなら、幸だけに任せたら直ぐ決着が付いたのだけれど、さすがに幸に人殺しをしろとは言えないので僕達が戦った。
まだ息がある賊は縛り上げて拘束し、他の仲間がどうなったのか連絡を取ってみる。
ロプ 「そっちは大丈夫か? こっちは何とか撃退できた」
ミリ 『こちらも問題ない。直ぐそちらと合流する』
ロプ 「ミーリス達も無事だそうだ。こっちに合流するってさ」
向こうにも魔法の使い手がいるので、こういう時はお互いに風魔法で連絡付けられて便利だな。
ジャド「そうか、よかった。悪いんだが、庭に野営の準備を頼む」
ロプ 「了解」
幸 「手伝うよ」
ジャドはそう言って装備を整えに家に戻って行ったので、こちらも仲間が集まる前に野営準備を整えて行く。しばらくしてまずはジャドが母親と一緒に家までやって来たので、母親には家の中で寝てもらうことにした。
その後しばらくしてから女性メンバーが揃って家までやって来る。全員怪我などはなかったようでホッとした。
ロプ 「また巻き込んだみたいで申し訳ないな」
ニナ 「まったくだよ~」
ミア 「あの、仕方なかったと思うから、そんな言い方しない方が」
ジャド「いやこれは確かに相手が悪いんだが、原因を作ったロップソンにも問題がある」
ロプ 「すまない」
レイ 「それよりこれからどうするかだな」
ジャド「そこが問題なんだよな」
ロプ 「下手に冒険にも出かけられないよな。依頼に乗じて待ち伏せされたり、尾行されて襲われたりってこともあるだろうし、ジャドは母親と離れている間に人質に取られないとも限らないしな」
幸 「ありえますね」
ニナ 「卑怯なやつらだよね!」
ミリ 「厄介なことになったな」
ミア 「あの、レイシアさん達に助けてもらうのはどうでしょうか」
確かに発明王に力を借りられたら、なんとでもしてくれそうなんだけれど、前回特別に助けただけだって言っていたからな~
ジャド「おそらく無理だな。前回助けてもらえたのはあちらの好意だったみたいだから、そうそう何度も助けてはもらえないだろう。自分達で何とかしろみたいな言い方もしていたからな」
レイ 「確かにそんなことを言っていましたね」
ロプ 「まあしばらくはみんな一緒に行動ってところか?」
ジャド「それが一番安全だろうな」
妙な事に巻き込んでしまったようで、申し訳ないと思う。そうだ、こうなったら逆転の発想ってやつで、下手に手を出したらまずいって考えるくらい名前を売ってみるのはどうだろうか? 僕を下手に襲ったら世界中から攻撃されるとかになったら、ちょっかいをかけて来なくなるかもしれない。
確か空間系の魔石が偶然できたから、あれを使えば転送ゲートみたいな物が作れるかもしれない。いざって時には、緊急脱出できるしね。ちょっとそっちの研究をしてみるかな。
結局は勘違いした権力者なんて、僕の力ではどうにもできないので、そんな感じで対策することにした。
しばらくみんなで共同生活をしていると、商業ギルドから使いの者が来た。そして用件はというと、二度に渡る襲撃事件について商業ギルドだけでなく、リンデグルー自治国のトップであるブレンダ女王にもその話は既に伝わっているそうで、貴重な職人という存在を国で保護するという方針になったのだそうだ。
今現在発明王以外で魔道具を作れる者は他にいないから、他国に誘拐されてはたまらないっていうことになったんだそうだ。そこで城の近くに屋敷を用意したので、そこに仲間も一緒に連れて暮らすようにと指示されたようだった。
ロプ 「という話なんだが、どうする?」
ニナ 「これって、国が私達のことを守ってくれるってことだよね?」
ミア 「たぶんそういうことだと思います」
レイ 「他国がちょっかい出して来ているので、国で守られるという事は、下手に手を出せば戦争になるということでしょうね」
ジャド「そうだな。これは他国への牽制も含んでいるんだと思う」
幸 「それなら受けた方が、国としてもいいんじゃないかな?」
ジャド「だろうな。断る理由が無いと思う。まあ多少監視されたりして不自由になるのかもしれないが、暗殺や誘拐に怯える必要はなくなるだろうからな」
ミリ 「冒険はできないかもしれないな」
レイ 「それは体が鈍りそうですね」
ニナ 「それはつまらないね」
ジャド「まあ、落ち着いたら冒険に行かせてもらえるよう頼んでみるしかないだろうな」
ロプ 「じゃあ、この話を受けるってことでいいか?」
ジャド「ああ。現状よりずっといいだろうしな」
そんな訳で、僕らは城の近くにある屋敷へと引越しをすることになった。僕が生産者だということがわかっているからか、工房にできそうな空間が造られていたので、そこに設備を運び込んで居心地のいい空間を作って行く。屋敷の中庭には、花壇などもあることから、ここで野菜の研究などもできそうだな。
ニイナ達も、こんな家に一度住でみたかったって言って、屋敷の中を嬉しそうに探検していた。案外ここは暮らしやすい所になるかもしれない。まあ、僕達が貴族としてここに住む訳ではないので、メイドとか使用人などはいなくて、堅苦しい感じがないから言えるのかもしれないけれどね。あー、そう考えると掃除は大変かもしれないな。
僕達は別に貴族でもなんでもないので、護衛しに来てくれる兵士達と一緒に食事とかしながら結構和気藹々と暮らしていた。こうして一緒に暮らしていると、仲良くなって来る兵士の人などもいるので、空間系の魔道具の研究に行き詰った時に、息抜き程度の魔道具を作製して渡してみようかなって考える。
せっかく仲良くなったのだから、今後死んで欲しくもないからね。武具に関しては国からの支給品で、勝手にいじる事もできないらしいので生存率を上げる為のリングを作って、知り合い価格で売ることにした。
あまり高級なものではないのだけれど、護衛してくれる兵士には喜んでもらえたようだ。
その後治療魔道具は主に冒険者の間で浸透したようで、そこから一般の人々へと広まって行った。怪我の治療に有効だけれど、病気にはあまり効果がないようだったけれど、事故などで体が不自由になることがない訳ではない。その為一般の人達にも、僕の作った治療魔道具は歓迎されていったのだ。
そして魔道具が知れ渡るとそれにともなって、僕の名前も知られるようになっていった。それを見ていたブレンダ女王が改めてリンデグルー自治国にある商業ギルドのメンバーである為、変な手出しをしないようにと他の国々に発表してくれる。
それと皮膚の再生を行う過程でしわなどが取れることはあるものの、不老不死の力が魔道具にある訳ではないので、僕を連れ去ったところでそんな力は手に入らないと主張し、今後誘拐などを企んだ場合はそれなりの対応をすると発表した。
うちの女王様、やる時はやってくれる人だな~
それにより多少ではあるが安全になったのではないかと判断されて、たまになら冒険に出てもいいと判断が下される。ただし、依頼の間も油断しないことと、別れて行動するような依頼は受けないことなどを約束させられる。
まあそれくらいならいいよね。一応その後も一緒の屋敷で生活して、護衛も今まで通り付けられることにはなった。
さて、その後の魔道具開発はあまり進まなくて、まず空間系の魔石ではあるものの、転移するような力は秘めていないことがわかった。残念な事なのだが、これでかつてマグレイア王国に飛べたりしたような魔道具は作れないみたいだな。緊急避難用ってことでも、期待していたのだがな~
そうそう思い通りの魔道具は作れないものだ。そこで、他に何かしら空間を利用した魔道具の研究をする為に、いろいろアイデアなどを探す事にした。
成果が出なくて行き詰っている間、ローテーションで護衛に来てくれる兵士達とお知り合いになって、そのたびに防衛用のリングを要求されていたら、気が付いたら兵士全員にリングを作ることになっていた。
そしてその話を聞いた騎士の方でもリングを作って欲しいとか言って来たので、ちゃんとした注文ならば商業ギルドを通して発注をかけてもらうという話になった。兵士の方に売っていたのはちょっと微妙な顔をされてしまったけれど、まあ国から騎士の為のリングを作って欲しいという、正式な注文が来たので今回はお咎め無しとなる。でも次からはギルドを通してねって言われてしまったよ。
本来なら、商業ギルドを通す必要性はないのだけれど、魔道具の扱いはかなり難しいっていうことがわかったところだったしね。そういう意味では軽率だったかもしれないな。
まあ後は今まで築いた信用があるので、商業ギルド側としても商売事なら商業ギルドとして活動して欲しかったっていうところなのだろう。
それから一ヶ月程危険も無く、様子見で数度の冒険をこなしつつ魔道具の研究を進めていた。さすがに国に所属しているぞってアピールしたおかげと、護衛が付いている事から手を出して来ることもなくなったのかもしれないな。
のんびり研究生活を続けていたのだが、バックパックを見ていてふと、そういえばレイシアさんに会った時は大体荷物なんか持たずに、かなり身軽だったなって思った。そこからの連想になるのだけれど、空間の魔石で荷物を減らすような工夫をすれば、今までのような苦労から開放されるのではないかって考えが思い浮かんだ。ちょっとした思い付きだったのだけれど、それは意外と直ぐに開発することができた。
用意した袋の内側に液体金属を塗り、魔法構成を組み込んで魔道具にする。これによりこの袋の中は見た目以上の荷物が入るようになるのだった。ただ量というか、かさばる物が一杯入るという点では大成功しているのだけれど、それぞれが持つ重さを減すという点ではまるで減少していなかった。つまり、布のような軽い物を容量一杯詰め込んだとして何とか持てたとしても、石とか鉱石などを一杯に詰めた場合は馬を連れて来たとしても動かすことができない程重くなるということだった。
まあ、袋に土系統の魔石を取り付けて軽量化の魔法を設定する事で、ある程度の重量は持てるようにできたけれどね。先程の例に上げたような鉱石を袋一杯に詰め込んだら、さすがに軽減しきれないけれどな!
早速できた袋を、商業ギルドへと見せに行くことにした。商業ギルドまでの間、兵士の人が護衛してくれるたので、一人で離れても安心できるな。
ロプ 「こんにちは。新しい魔道具ができたのですが、フラメルさんはいますか?」
ギルド「こんにちは、ロップソンさん。いますよ、応接室の方でお待ちくださいますか?」
ロプ 「はい。よろしく」
応接室で待たせてもらっていると、しばらくしてフラメルさんがやって来た。
鑑定員「ロップソンさん、いらっしゃい。また新しい魔道具ができたそうですね、早速見せてもらってもいいですか?」
ロプ 「ええ、これなんですが。中に入れれる容量が増えているんです」
鑑定員「おー、確かこのようなスキルを持っている人もいると聞いたことがありますが、それが魔道具で再現できるとは、さすがですね~」
ロプ 「そうなんですか?」
鑑定員「実際に会ったことはないですがね。確かにいるらしいですよ。おー、これはいい物ですな!」
なんか凄く気に入ってもらえたようだ。これなら契約もばっちりだろうな。まあ以前の治療魔道具で追加発注もあって、お金には困らないようになったのだけれどね。それでも喜んでもらえるのと、それなりの金額で契約してもらえるのは嬉しいものだ。
ロプ 「一応元の袋の十倍程の容量になるみたいです。袋は好きな大きさで作れるので、どれくらいの物というのを教えてもらえれば、それで作れますよ」
鑑定員「それはいいですね~」
しばらく袋をいじって調べていたフラメルさんは、ふむって感じで真剣な表情を浮かべる。今後の展開を考えているのか、はたまた契約の金額を決めているのか、邪魔しないようにして待っているとこちらに提案して来た。
鑑定員「これは袋じゃなくても箱でも作れますか?」
ロプ 「ええ、おそらくは大丈夫だと思いますよ」
鑑定員「では、袋や箱などをこちらで作らせてもらって、それを魔道具化してもらうという方法でお願いしてもいいですかね?」
ロプ 「そうですね。僕が袋とか作るよりは専門の人に用意してもらった方が良い出来の物が作れそうですよね」
鑑定員「ええ。せっかくの発明品ですし、これは一気に売れますよ! ですので普通に使う物や、高級な物までいろいろと作って売り出してみましょう」
ロプ 「そうですね、それでお願いします」
鑑定員「いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。では早速袋と箱などを生産させますので、それをそちらに納品する際に本契約としましょうか。それでとりあえずの暫定になりますが一つ当たりこれくらいでどうでしょう?」
ロプ 「ああ、一応これは液体の魔道具と軽量化の魔道具の二つで出来ているのですよ。えっと、軽量化の方はこれですね」
そう言って袋に付けてあるアクセサリーを見せる。
鑑定員「なるほど、かさは減らせても重量はそのままってことなのですね。これは失礼しました。それではこの値段でどうですか?」
ロプ 「はい、それで問題ありません」
今度こそお互いに納得の行く交渉ができて、お互いに満足する。後は実際に袋などの納入を待って、世間に魔道具になった袋がどんな反応をされるのか待つだけだな。これは完全にオリジナルと思ってもいい発明品なので、世界中の人にどう評価されるのかが楽しみだ。
そう思いながら屋敷へと帰って行った。
一週間程経って、商業ギルドから袋や箱が運ばれて来た。やって来た運搬課の人に契約書をもらって早速魔道具化する作業を始める。最近は新規の開発予定は特になかったので、野菜の合成をしながら単発の冒険へと出かけるくらいしかやる事がなくなっていた。
ロプ 「それにしてもなんだが最近、依頼が減った気がするな」
ジャド「あー、それは冒険者ギルドの方でも言っていたな。完全に無くなった訳じゃないんだそうだが、どこにでもいるはずのコボルトやゴブリン、オーガなんて連中が全然姿を見せなくなっているそうだぞ」
ニナ 「どこかに移住したのかな?」
ミア 「どこか新天地でも見付かったのかしら?」
みんなは暇つぶしで、僕の作業を手伝ってくれていたりする。魔道具にすること自体はできないのだけれど、液体金属を塗る作業は手伝えるので暇だからって一緒に作業してくれていた。
まあ、これも単純作業なので直ぐに飽きたのか、雑談しながらの作業になっているけれどね。
ミリ 「緊急依頼の類も、めったに出なくなったらしい」
ジャド「仕事の傾向も初心者向きばかりらしいな。せいぜい中級か? 上級者が必要な依頼自体、最近ではなくなって来ているようだな」
ロプ 「何だ? 生態系でも変わって来たのか?」
ニナ 「生態系って何?」
幸 「そこで暮らしている生物の生活状況ですよ。草を食べる動物が肉を食べる動物を呼んで、さらにその肉食の動物を食べる動物がやって来る。最終的にはそういう動物達の食べ残しや糞などを微生物と呼ばれる小さな虫が土に返して草の餌に変わる。そういう感じでその土地の生物達は循環しているんです。その一角が崩れると、そこで暮らしていたその他の生物にも影響が出るんですよ」
ニナ 「へ~」
ミア 「サチさんは、物知りですね!」
ロプ 「あー、幸のいた世界は子供でもこういう知識を学ぶ世界だからな。いろいろ知っているのは当たり前だ」
レイ 「凄い世界ですね」
ジャド「ってことは、何かバランスが崩れているっていうのはありえそうだな」
ロプ 「調査の必要があるかもしれないな」
ミリ 「それはそれで、冒険者っぽい依頼だ。まあそのような調査依頼がどこかから出るかどうかわからないけれど」
ジャド「確かにな。疑問に思っても、問題にならなかったら依頼にはならないからな」
ミア 「一応冒険者ギルドの方には調査の必要があるんじゃないかって、言っておいた方がいいかもしれませんね」
ジャド「だな」
ニナ 「はいはいはい! 私が行って来るよ!」
その場でぴょんぴょん飛び跳ねながらニイナがそう言って来る。お前、作業に飽きただけだろう・・・・・・まあニイナにはこういう単純作業は似合わないけれどね。
ジャド「あー、じゃあちょっとニイナと冒険者ギルドに行って来る。作業の途中だがわるいな」
ロプ 「いや、他のみんなが手伝ってくれるだけでも、大助かりだよ」
そう言って送り出すことにした。ちなみにちゃんと護衛の兵士がジャド達に付いて行っている。一応安全だとは思うけれど油断すると危ないからね。
こっちはその間も雑談しながらコツコツ作業を続けた。結構こういう単調な作業でも、みんなでのんびり雑談しながらやっていると、気が付いたらかなり進んでいるものである。女子ばかりの中に混じっているので、僕は黙々と作業していたけれどね。
ニナ 「たっだいま~」
ミア 「お帰りなさい~」
ロプ 「どうだった?」
ジャド「調査自体は既にやっているんだと。でも原因自体は既にわかっているって話だった。どっかの国に魔王がいるとかで、そいつがモンスターを集めたのが原因なんだとさ」
ミリ 「ではまた戦争が始まるのか?」
ジャド「いや、それが直ぐ戦争とはならないんだと」
ミア 「前の時の人類軍で、戦力がなくなってしまったのですか?」
確か前回の魔王との戦争で、かなりの兵士が死んだと聞いている。相当な被害が出ているって話だったな。
ジャド「まあ、それも多少影響しているのかな? まあそれより、その魔王っていうのがモンスターを集めたらしいのは本当らしいんだが、どうもそいつらを使って戦争するつもりはないんだってさ。町で人間みたいな生活をさせているらしい」
ロプ 「何かの実験か? モンスターを人間社会に潜り込ませるとか」
ニナ 「それありそうで嫌だよね」
レイ 「見た目を変えられたら、隣にモンスターがいても気が付かないってことになりそうですね」
ニナ 「うあ~」
ジャド「とりあえず、勇者が様子を探りに向うんだそうだ」
ミア 「それなら安心できますね」
ロプ 「だな。とりあえずこっちは普通に生活していてよさそうだな」
ジャド「らしいな。モンスターも一部なくなっただけらしいから、多少の変化だけだろうって話だ」
ミリ 「それならば、しばらくは様子見だな」
ジャド「そうなるな」
ふむ。結局は現状維持ってことだな。完全に仕事が無くなるわけじゃあないみたいなので、とりあえず納品でもがんばるか。結構用意された数が多かったので、サクサクと作業を続けて行った。




