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魔石職人の冒険記  作者: 川島 つとむ
第三章  異なる世界
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変わる日常

登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) 小林幸=幸(台詞表記) 鹿島雄二=鹿島(台詞表記) 佐竹寿美=佐竹(台詞表記) 進藤正樹=正樹(台詞表記) 荒木守=守(台詞表記) 武田亮二=武田(台詞表記)

 その後の生活は、夜間学校という所でこちらの勉強をしていく傍ら、魔法や錬金術の事を教えていく感じで暮らしていた。まあ魔力を持った人が現れるか、魔力が溜まる場所が発見できない限り、僕の知識はあまり役には立たないと思うのだけれど、魔石に関しては一応何かしらの役に立てるかもしれない。

 とは言っても、僕が使えるのは攻撃系がメインな為に、生活の役に立つ物は作れない気もするんだけれどね~

 その点で行けば、こちらの技術というものの方が遥かに凄いと思う。電気というものがあれば、大抵の事ができてしまうのだから・・・・・・

 その中で今、こちらでお世話になっている人達が、注目している物が風属性の魔石で、雷を発生させる力がある石を研究しているようである。

 解析というものが全然できないのだそうだけれど、うまくそれができれば、無限のエネルギーが得られるのではないかとか、そんな事を話していたよ。

 まあ実際はこっちの世界に魔力が無い為、魔石は使い捨ての物しか作り出せず、無限ってのは無理だと思う。一応そう説明はしたのだけれど、研究は続けられていた。

 その中で今直ぐに有効活用できそうな魔石は、医療関係で使えそうな生命の属性魔石であった。こっちは魔石そのものなのだけれど、生命の属性の魔石が自然治癒力を増幅してくれるので、傷や病気の回復などに役に立つと思われる。

 ただ、魔力が扱える者なら魔石の力を引き出せるのだけれど、こちらの人にはできないのでシルバーチェーンを生命の魔石化して装着者に作用する魔道具にしてみた。一応こんなのでも魔道具になるのかな?

 ちゃんとした魔道具の利用としては、闇属性魔法で相手の精神力を吹き飛ばす攻撃魔法があるのだけれど、それを使えば麻酔という薬品で患者を眠らせる方法を使わないで、対処できるとかそんな話を聞いた。どうもその麻酔とやらの薬は、使い方次第では危険なこともあるのだそうだ。

 体にも負担になるので、事故も起こったりする可能性があり、魔道具に期待されているという話を聞いた。

 そんな訳で、僕はこちらの世界に来てから初めてになる魔道具の開発を、この新たな麻酔に変わる技術として、生産することになった。

 まあでも魔法構想や構築は、そこまで大変ではない。用意された銀の球に触れてもらい、患者から同意を受けて発動するように組み込むだけである。

 同意が得られたら魔法のメンタルバーストによって、患者の精神力を吹き飛ばして、ようは気絶させるのである。まだ実験がされていないのだけれど、予想では一日は目を覚まさないと思われる。後、攻撃魔法になるのだから当然魔法抵抗力もあるのだけれど、こっちには魔法が無いので誰も抵抗することは出来ないと思われる。

 今はこの二つ、魔石と魔道具の安全確認や、同じ物を彼ら自身で作り出せないかの研究をしているみたいだね。


 こっちはその間、昼間には職業訓練学校というところへと通い、夜間学校が始まるまでの間に町をいろいろと見て回り、夜間学校に行った後は戻って来て休むという生活を続けていた。

 その殆どをサチと、後は護衛の人が着いて来て、いろいろとサポートしてくれている。


 ロプ 「ボクモ、ジドウシャ、ノリタイ」

 幸  「ノッテイル、トオモウ」

 ロプ 「ソッチ、ノリタイ」

 幸  「アア、ウンテン、デスネ。シカク、ヒツヨウ」


 今僕達が向かっているのは職業訓練学校というところで、マギーによく似たこちらでは自動車と言われる乗り物を、サチが運転していた。護衛の人達は後ろの座席に乗っている。

 自動車の中では、片言ではあるが日本語を学ぶ為にも雑談をして、ついでに外で目に付いた物の説明を受けたりする。例えば・・・・・・


 ロプ 「アカイハコ、アレハナニ?」

 幸  「テガミ、アツメル、セツビデス」

 ロプ 「テガミ・・・・・・ソレハ、ナニ?」

 幸  「・・・・・・カミニ、アイテニ、シラセタイコト、カク、ソレヲ、オクル」


 一瞬で連絡が付けられる方法があるのに、紙での伝達方法もあるんだな~。確か電気が使えなくなったら、ほとんどの物が使えなくなるって話だったから、その対策なのかもしれないな。

 そこら辺りは不便なのか発達しているのか、よくわからないところだね。まあ余程の事が無ければ、そんな事態は起こらないって話だったけれどね。

 まあもっといろいろと聞いてみたいのだけれど、まだそれほど言葉が喋れる訳ではないので、ほんとに少しずつこの世界の知識を学んで行っていた。


 職業訓練学校では、工業系の技術を習得する為の勉強を重点的に習うことにしている。日本刀の技術を習得する為に、ビデオというものを見せてもらったのだけれど、見ただけでは不十分だと思えたので他の技術もまとめて、いろいろと教えてもらうことにした。

 基本的には使っている道具は似たような物ばかりだけれど、細部でやっぱり違いが見られるのが面白いところである。鍛冶でいくと金属を溶かす為の炉では、こちらでは石炭や炭などを使ったりしていて、向こうでは基本は同じなのだけれど、そこに魔法を使って火力を上げている。人によってはもっと直接的に精霊やモンスターの力を借りたりもする。後は熱気の遮断とかにも魔法を使っていた。

 魔法と科学、その違いで微妙な技術差が出て来ているようだね。

 錬金術でいくならば、この世界にはかつてあったか研究されていたらしいのだけれど、貴金属の不純物を取り除けば金になるっていうのがこちらの錬金術らしい。あっちでは普通に錬金術で金を作ることは可能で、特に珍しいことではかなったりする。

 錬金術を利用して、貨幣を増やそうと考えている者もいたらしいのだけれど、実際に金を生み出してみたところで、採算など殆ど取れないのが実情だった。

 その為そこまで錬金術は流行っていない。あくまでポーション作製の技、魔法の副次的なサポートの為のスキルとして、認識されている。

 魔石と同じく作ってもらえば、魔法が使えない者でも使うことができる便利アイテムとして、使われているね。


 大分話がそれたな。まあ、ここでは鍛冶の他にも釘を使わないで木材だけを組み合わせる大工の技術なども教えていたので、毎日通うのが楽しいものだった。


 正樹 「おーい、そろそろ移動しないと、場所が無くなるぞー」

 ロプ 「イキマス」


 今声をかけて来たのは、この職業訓練学校で知り合ったマサキ・シンドウという青年だった。ここに通いだして、まだ言葉も片言な僕にいろいろ親切にしてくれる、職人仲間だった。


 守  「お、来たか。こっちだこっち、ここに席があるぞー」


 もう一人仲良くなった、マモル・アラキが席を三人分確保して待っていてくれた。

 僕達はお盆にライスとおかずを乗せていき、席に向う。ここでは自分でお盆の上に今日の食事を乗せて、自分で席まで運ぶシステムになっているそうだ。


 ロプ 「マタセタ」

 正樹 「席の確保、ありがとう~な」

 守  「いえいえ。で、調子はどうよ。先生に合格って言われる物は作れたか?」

 ロプ 「イチオウハ、ゴウカク、モラエタ」

 正樹 「こっちは、再提出食らったよ。まだまだ先は長いな~」

 守  「俺もギリギリで合格だった。まだまだ作りが甘いって言われたから、こっちももうちょっとがんばらないとだな~」

 正樹 「やっぱ、僕らの中じゃあロップソン君が一番うまいね」

 ロプ 「マダマダ、オボエタイ、コトガ、オオイデス」

 守  「おーおー、がんばってるな~」

 正樹 「まあこれだけやる気があるし、技術を覚えるのもかなり早いよ。羨ましい限りだね~」

 守  「でも、よくあれもこれもとやっていて、付いて行けるもんだよな~。俺なんか鍛冶だけでも手一杯なのに・・・・・・」

 ロプ 「スコシ、ヤッタコト、アルカラ」

 正樹 「それにしても鍛冶と大工、細工とかも授業受けているんだろう? 一体どんなところで働くつもりなんだ?」

 ロプ 「イロイロ、デキナイト、ツイテ、イケナイ」

 守  「何かきつそうな職場、目指していそうだよな。あんまり無理はするなよー」


 ほんとは同じ職人同士、もっといろいろと話をしたいのに、うまく言葉が話せないのでもどかしい思いがする。


 守  「じゃあ、お互いがんばろうぜ~」

 ロプ 「ハイ」

 正樹 「だな、また後でな~」


 僕達は昼食を済ませると、午後の授業に向かう為にそれぞれの教室へと向った。

 午後からの授業で習っているのは、ガラスの工芸品作り。ガラスを熱して飴の様に溶かしてグラスを作っている。

 棒の先に熱したガラスを付けて息を吹き込んで膨らませた後、つぶれないように棒を回しながら徐々に冷めて行くそれの形を整える。

 グラス表面に描く模様は個人のイメージに任せられるので、作り手によって唯一無二のグラスが完成していく。

 向こうでのガラスは結構高級品として扱われていて、王侯貴族くらいしかこんな物を使うことは無いのだけれど、こっちでは一般市民が、普通にガラス製品を使っているみたいだな。

 外敵もいないし、向こう程の身分制度などもない、ほんとに平和な世界である。

 そんな事を考えながらやっていたからか、グラスは少し歪んだものになってしまったので、先生には再提出と言われてしまったよ・・・・・・せっかく技術を学びに来ていたのに、集中しきれないとは、まだまだ未熟だと思った。

 二度目の提出で合格と言われ、ホッとしながら帰り支度をする。


 守  「お疲れ~ その顔だと、うまく行かなかったみたいだな。まあ、ガラス工芸はそう簡単にはいかないからしょうがないって!」

 ロプ 「アア、ニカイメデハ、ナントカ、ゴウカク、デキタ」

 守  「お、二回でうまく行ったか。それなら優秀な方だぞー」

 正樹 「ようお二人さん、何の話をしているんだ?」


 荷物を持って、サチの待っている駐車場へと向っていると、後ろからマサキもやって来た。マモルがさっきの話を説明している。


 正樹 「いいな~。僕なんか、体験させてもらったこともあるけれど、全然うまくできなかったよ。よっぽど手先が器用なのか、生産活動にセンスがあるんだろうな~ 才能があるやつって羨ましいよ」

 守  「才能があるって、ロップソンはそれでも学校に通っているんだから、努力しているじゃないか。ほんとの天才とかそういうのなら、見ただけでこなしちゃうさ。それに今回は一回目失敗しているしな」

 正樹 「ああ、そうだったな。ごめんこっちもうまく行かなかったから、ちょっと八つ当たりしてしまったよ。ごめん」

 ロプ 「キニシテ、イナイ」

 守  「みんなまだまだ勉強中なんだ、失敗なんか気にすんな~」


 僕達はそんな事を言いながら、途中で別れた。

 二人はこのまま門から出て行き、こっちは自動車を止めている駐車場へと向かう。サチが迎えに来ていることは、二人とも知っていたのでそこは説明もいらなかった。


 幸  「オツカレサマ~。ジャアキョウハ、ドコニヨッテ、イク? タマニハ、アソビニ、イク?」

 ロプ 「マカセル」


 いつもは学校が終わった後、ホームセンターというお店で、いろいろな道具や珍しい品物を見て回るのだけれど、たまには遊びとやらに行ってもいいかと思った。こっちの世界の遊びっていうものにも、興味がある。

 目立たないように護衛についていてくれた、ユウジ・カシマさんとトシミ・サタケさんも、戻って来て車に乗り込んだ。


 幸  「鹿島さん、佐竹さん、この後少し遊びに行きます」

 鹿島 「了解です。ですが一度戻って欲しいと指示が来ていました」

 幸  「わかりました、では一度戻ってから出かけましょうか」


 どうやら何かしら仕事がありそうだな。そう思っていると・・・・・・


 幸  「イチド、ケンキュウジョ、モドリマス」

 ロプ 「キキトリナラ、ニホンゴ、ナントカ、リカイデキタ。イイナオサナクテ、ダイジョウブ」

 幸  「ワカッタ」


 昼間の学校でも、知り合いが出来てちょっと会話をする機会もあったので、段々と何を言っているのかが、理解できるようになって来たようだ。

 車が発進して研究所へと戻って行く。それにしてもどんな用事なんだろうか? 何かしら作って欲しい物とかでもできたのかもしれないな~


 ロプ 「ヨウジ、ナニカ、キイテイマスカ?」

 鹿島 「いえ、聞いていません」

 佐竹 「魔石の話だったような気がしますが」

 幸  「どうせ、魔石を作って欲しいって依頼じゃないかな~」

 ロプ 「カモシレマセン」

 幸  「ソレヨリ、ガッコウハ、ドウダッタ?」

 ロプ 「トモダチ、デキタ。イロイロマナベテ、タノシイ」

 幸 「ソレハ、ヨカッタ」


 そんな話をしながら移動して行く。やっぱり、もう少し喋れるようになりたいな。

 研究施設に到着すると、早速お世話になっているリョウジ・タケダという、研究所所長のところへと向った。


 ロプ 「タダイマデス」

 武田 「ああ、お帰り。早速なんだが、雷の魔石ができるだけ欲しいんだが、作れるかな?」

 ロプ 「イマスグニ、トイウ、ハナシナラ、サンコ、ツクレル」

 武田 「じゃあ三つ用意してくれますか」

 ロプ 「ワカッタ」

 研究員「素材は、こちらでお願いします」

 ロプ 「ハイ」


 この世界はモンスターなどがいないので、いつ魔石に精神力を使ってしまっても特に問題にはならない。

 向こうだといつ緊急事態が起こるかわからない為、できるだけ精神力は温存しないと危ないこともあるのだけれど、こっちでは危険が少ないのと、護衛の人がいてくれるのでほぼ問題はなかった。

 その場で魔石を生産してそれをタケダへと渡す。


 武田 「ありがとうね」


 魔石をどうするのかと見てみると、何かの装置に組み込んでいた。

 複製にでも成功したのかなって思って見ていると、その機械の横についているコンセントに別の機械を繋げ始めた。いろいろな機械を繋げては使える使えると喜んでいる彼らに、何をやっているのかわからないので聞いてみる。


 ロプ 「ナニシテル?」

 武田 「ああこれは魔石を使った変圧器だ。この機械に組み込むことで、魔石から取り出した電気を使って、家庭用の機械を使える状態にしたんだよ」

 ロプ 「ヘー」


 よくわからないのだけれど、なにやら凄いらしいな。依然として魔力を使える人や、魔石の複製も出来ていないので、一時的な物でしかないと思う。


 ロプ 「ヨウジ、オワリデスカ?」

 武田 「ああ、もう大丈夫だ。またしばらくは研究させてもらうよ」

 研究員「わざわざすみませんね」

 ロプ 「イエ、オセワニナッテイル、モンダイナイ」


 そう言って僕らは遊びに行くので、荷物を置いてから出かけることにした。たいした用事じゃなくてよかったよ。

 その後僕達が遊びに行った場所は、何やらガヤガヤとうるさい騒音がする場所だった。

 中には若い人ばかりが集まっていて、いろいろな縦長の箱があったり、透明なケースみたいな物に縫いぐるみが入った物の前で、作業などしている人がいた。

 遊びとか言っていたのだけれど、これは何をどうやって遊ぶ場所なのだろうか?


 幸  「コッチニ、キテミテ」

 ロプ 「ワカッタ」


 サチに連れられて向かった先には、ボールを輪っかに投げ込んでいるところだった。他にも隣では小さなボールを投げて、的みたいな物にぶつけているようだ。


 幸  「イマヤッテイル、ヒトガイルカラ、ツギオナジヨウニ、ヤッテミテ」

 ロプ 「バショアレバ、ボール、ワッカ、ツクレル。オカネツカウ、ヒツヨウナイ」

 幸  「アソビ、ダカラ」

 ロプ 「ワカッタ」


 これくらいの物なら、場所さえ提供してもらえれば作ることもできると思ったんだが、何でわざわざお金を払ってまでやるのかね~。そう考えはしたのだけれど、やってみて欲しいらしいので挑戦する。

 前の人がやっていたので、手順は大体わかる。サチがお金を機械の中に入れてボールを取り出したので、それを受け取って投げてみる。

 最初の一回は輪っかのある板に当たって外れた。

 続けて今のボールの空気抵抗や重さなどの感触を大体掴んだので、これくらいかなって感じで投げ込むと、次はうまく入れる事ができたみたいだった。

 こつさえ掴めば後は作業のように投げ込むだけである。幸いここは室内で風の影響を受けないので、まったく同じように投げ込めば同じところへとボールは飛んで行ってくれる。そのおかげで、十回投げた内の九回が、うまく輪っかの中に投げ込めた。


 幸  「ロップソン、スゴイ!」

 ロプ 「ボウケンシャナラ、コレクライ、デキル」


 そう言ったので、サチは店の中にあるいろいろな物に連れて行って、あれやこれやとゲームという物をやらされた。

 肉体を使うスポーツというものや反射神経を使うものなど、初めは戸惑ったもののコツさえ掴んでしまえば、大抵のものはクリアできる。

 縫いぐるみを取る機械は、ちょっとコツを掴むのに時間がかかったけれど、最後は何とか縫いぐるみを取る事に成功した。

 そしてやっぱり疑問なのが、これくらいの物なら自分で作った方がいいのではってことだった。取れた縫いぐるみを見てみるのだけれど、そこまでしっかりした作りではないので、本職のような技術が無くても僕が作った物ならば、同程度のものはできるんじゃないのかなって思えたよ。

 それともこちらの世界ではこれは貴重品だったので、あのアームと呼ばれる部分も取られないように、力不足にしてあるのか? 疑問が残るのだけれど、そろそろ夜間学校へ行かないと遅刻してしまう。


 ロプ 「ソロソロ、ヤカン、ガッコウノ、ジカン」

 幸  「アー、ソウダネ」

 佐竹 「車を前まで持って来ます、ここにいてください」

 幸  「よろしくお願いします」


 僕達は車が来るまで少し時間があるので、自動販売機でジュースを買って飲みながら待つことにした。

 それにしても、飲み水がこんなに簡単に手に入るとは凄いところだな。しかもお金が必要なのに、無人で販売可能とか夢のような機械である。こういうのダンジョンの中で欲しいな~

 そう思いながら、手元のジュースを飲んでは構造を観察してみる。何気にこれも凄い発明品だな。金属で作られているのに、道具も使わないで中身を取り出せる。

 使い捨てじゃなければもっといいのにと思ったよ。


 鹿島 「車来ました。移動しましょう」

 幸  「わかりました。ロップソン、イキマショウ」

 ロプ 「ハイ」


 運転手をサチと交代して、僕らは車に乗り込んで出発した。

 さて夜間学校の方は昼間の職業訓練学校とちがい、通っている人の年齢はバラバラで、中にはかなりの高齢者なんかもいたりする。そのせいなのか教室の中では雑談もほとんど無く、みんなバラバラに活動している感じだった。

 夜っていうのもあるのかどうか、ちょっと陰気な感じだからあまり好きにはなれないな。

 だけれどもそのおかげか授業には集中していられそうだった。雑談するような友達も無く、淡々と授業を受ける。内容は、小学生くらいの学力のものだと言われていた。

 僕に必要な知識としては、一番勉強したいのが国語、次に算数と理科、社会は僕にはこの国の歴史は必要だと思えないかなって思ったのだけれど、いろいろな昔の生活とかそういうものが知れたので、意外と面白いと思えたよ。

 特に侍とかいわれる職業がある時代、日本刀を持って戦っていた時代がこの国にもちゃんとあったんだなって思えた。

 今現在のこの町を見ていると、そんな時代なんか無かったんじゃないかとか、それこそ作り話だったのではと言いたくなるほど科学が発達していて、剣を持って戦っていたというのが嘘のように思えてしまう。

 向こうの世界でも、遥か未来にはこちらのような世界になっているのだろうか?

 未来は想像する事しかできないけれど、ありえない訳ではなさそうだって思えて来るよ。

 まあそんな感じでいろいろ考えさせられることもあったけれど、授業を終えると研究所へと自動車で移動して、一日は終わった。


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