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魔石職人の冒険記  作者: 川島 つとむ
第二章  錬金術
18/54

モンスターに占拠された塔

登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) ジャド=ジャド(台詞表記) ニイナ=ニナ(台詞表記) ミリアナ=ミア(台詞表記) レイセモルス=レイ(台詞表記)

 マギーに乗って塔の近くまでやって来た僕達は、早速警戒しながら入り口の前に到着する。

 今のところは、モンスターなどが出て来る気配はない。それでもみんな緊張しながら慎重に移動していた。

 まずニイナが辿り着いた塔の門を調べて、罠や鍵の有無を調べる。モンスターが出入りしているからか、どちらも発見できなかったようで、ハンドサインで行けるという合図を出して来た。

 それと同時に、中には何かモンスターがいるという合図も出して来たので、入って直ぐ戦闘になると思われる。

 ジャドとレイが前に出て、モンスターに備える。ニイナが、全員の準備が整うのを待って、扉を開け放った。まあ実際には重くて、僕も一緒になって扉を押したけれどね。

 そして開いた扉から直ぐにジャドとレイが入り込んで、みんなを守ってくれる。

 入って直ぐの場所はかなり広い部屋になっていて、一番奥に上に登る階段が見え、塔の外周に沿っておそらく小さな部屋が複数並んでいると思われる。

 部屋の扉は開け閉めが面倒だったのかほとんどが開かれていて、モンスター達が寝床に使っているのではないかと思われるような、藁があったり布がはみ出していたりした。詳しくは部屋の中に入ってみなければわからないのだろうが、このひらけた場所には複数の種類のモンスターがたむろしていて、今は部屋の中を気にしていられる状況ではなかった。


 ジャド「行くぞ!」


 扉が開いたことでモンスター達も、何者かが入って来たことがわかっていて、お互いに不意打ちではない正面からの戦闘が開始された。

 ここにいるモンスターは三十体くらいいて半分くらいがゴブリン、そしてホブゴブリン、オーガ、少数の上位ゴブリン共が存在していた。それに対してジャドとレイが、入り口扉付近で立ち塞がって、壁となって敵から僕達を守る。


 ロプ 「荒れ狂う風よここに、ウィンドカッター」


 まずは数が多過ぎるので、魔法数の拡大を行い、魔法の暴走によってある程度削っていく。前に出て来てジャドとレイに襲い掛かっていたオーガも、後ろが気になるようで攻撃に集中し切れなく案外あっさりと倒れて行く。

 まあ、このあたりの強さの敵ならば、大分楽になったともいえるのだけれどね。

 そんな感じで、数や種類がいた一階部分は、そこまで苦労することもなく片付けることができた。

 念の為に調べた部屋の中は予想していた通り、一部屋以外がモンスターの寝床にされていて、結構モンスター臭い感じになっていた。問題は残りの一部屋だったのだが、こちらはさらわれた村人や旅人の死体が発見できた。

 生存者はいなかった為、帰りに遺留品などを持ち出そうということで話が付き、今はそのまま調べることなく二階へと移動して行く。


 警戒しながら上にあがると、そこにはガーゴイルやゴーレム、スケルトンウォーリアーが待ち構えていた。足場の悪い階段での戦闘は落下の危険があった為、ジャドがまず盾を構えて敵を押し込み、開いた隙間をさらに広げるようにレイが突撃して行く。

 ニイナが素早く後を追うようにして上にあがって、少しでも空間を広げようと早速戦闘を開始していたので。ミリアナが何とか上に進めるだけの場所を確保できたようだった。

 残念ながら、僕は前が詰まっていて上がれそうにないのだけれど、相手が視認できれば魔法を使う分には問題がないだろう。

 そしてゴーレムなど魔法で作り出されたモンスターがいるということは、既に侵入者に気が付いていると思われるので、爆発系の魔法を使っても今更問題はないということだな。


 ロプ 「大地の怒りをここに、アースボム」


 僕は単発で、邪魔になりそうな敵に魔法攻撃を仕掛けていった。

 土系統の爆発系の魔法なので、結構音などが響いたりしていたのだけれど、何故こんな派手な魔法を使っているのかといえば、投擲系の魔法を使うには味方が邪魔をしていて、攻撃ができないからである。その点、このアースボムと呼ばれる魔法は座標で発動するので、視認して位置を確認さえできれば、味方に干渉することなく魔法攻撃が可能なのだった。

 おそらくゴーレムとかは、土属性とかになるので、相性はそれほどよくはないのだけれどね。

 それでも魔道具などの力を借りているので、十分な効果が得られて少し時間はかかったものの、この場の敵を倒すことはできたようだった。


 ジャド「中々ハードな依頼になりそうだな」

 レイ 「そうですね。ですがこの新しい武器はかなり使い勝手が良い。ゴーレムにも普通に攻撃が通用していました。これならば、この先も問題なく進めそうな気がします」


 ゴーレムは普通に石だからな。今までの普通の武器だったのなら、手の方がしびれていただろう。

 今回のバスターソードは魔法武器である為に、ある程度は切れ味などもいいはずだからゴーレムのような相手にも普通に対抗できるだろうね。属性の相性としては、ゴーレムに火属性は多少の威力増加効果があったはずだ。


 ニナ 「部屋とかあるみたいだけれど、調べて行く? それとも上の階段を探すのが先?」

 ジャド「そうだな、探索は後でじっくりやろう。未発見の塔って訳でもないから、お宝があるって可能性は、期待しない方がいいからな。それよりも、塔をモンスターから開放する依頼の達成を優先で行こう」

 ミア 「そうですね。確実に行きましょう」

 ロプ 「もたもたしてたら、逃げられることもあるしな」

 レイ 「司令塔を倒してしまえば、後は楽になりますね」

 ジャド「だな」


 みんなで軽く話し合って方針を決めると、僕達は上に続く階段を探し、モンスターを排除しながら階段を上がっていった。

 その後も、僕達は塔を最短で登るように移動して行った。相手は既にこちらのことに気が付いていて、ゴーレムなどで待ち伏せをしているようだったし、羽根があるという目撃情報があったから、のんびりとしていたら最上階に辿り着いた時には、外に飛んで逃げている可能性もある。

 そして僕達が帰った後で塔に戻って来られでもしたら、依頼は失敗になってしまうのだ。だから塔の各階を詳しく調べるのは後回しにして、とにかく最上階を目指して進んで行った。

 一階部分だけはゴブリンなどがいたのだけれど、その他の階層にはゴーレムなどの魔法生物ばかりで、罠なども無かった為、おそらく六階層目を進んでいた時に危うく油断してやられそうになった。

 突然床にジャドの足が沈んだかと思ったら、床がスライムのようなものになってレイに襲い掛かって来て、その場所にいたジャドが下に落ちそうになったのだ。

 ジャドが床の出っ張りに何とか捕まってぶらぶらとしている間、レイがスライムのようになったモンスターと格闘する羽目になり、かなり危険な状況だった。


 ロプ 「大気よ凍り付け、アイスストーム!」


 不定形の相手は掴めない為、レイに多少のダメージがいったとしても、まずは敵の動きを止めることが先決だと判断して、氷系魔法を発動させた。魔法を使った後はジャドが落ちないように、引っ張り上げることを優先、レイの救助はニイナとミリアナに任せることにした。

 まあ他にも、女性の体に触る訳にはいかないって理由もあったしね・・・・・・


 ミア「ヒール」


 やはり魔法によるダメージもあり、スライムの攻撃もあった為に、怪我をしたレイにミリアナが治療をおこなう。


 ジャド「すまん、油断した」

 ニナ 「ごめんなさい、見落とした」


 二人がそう言って来る。


 ロプ 「あいつは、フロアーイミテーターだな。厄介な相手だったんだし、今回のは仕方ないかもしれない」


 戦闘が終わり、冷静になれたことで敵の情報を思い出せた。あいつはスライムではないってね。焦っていると、必要知識もぱっとは出て来なくなるものだな~ 僕も油断していたってことだろうな。


 ミア 「ですね。たいしたことがなくて、よかったです」

 レイ 「助かった、ロップソンさんも、援護ありがとう」

 ロプ 「いや、とっさで痛い思いをさせたかもしれない。悪かったな」

 レイ 「いえ、あのままだったら呼吸もできなくなっていたかもしれない。多少の怪我ならミリアナが癒してくれたので、助かりました」


 僕らは少し油断していたなと言って気持ちを引き締める為にも、少し休憩して気持ちを引き締めてから、先に進むことにした。

 その後、注意深く進んだおかげでドアイミテーターを発見。やられる前に無事倒すことができたりして、いい感じで進むことができたので、最上階まで怪我をすることなく登って来ることができた。

 そして目の前には最上階の一室に繋がる扉があり、ニイナがその扉を調べている。

 ハンドサインで罠鍵無し、敵がいるって合図を送って来た。いよいよこの塔を占拠したモンスターとの対面、戦闘が始まる。僕達は気合を入れ直してその扉を開く・・・・・・

 部屋に入ると、そこはちょっと狭い感じの王座のような部屋になっていた。その際奥にそいつはいて、こちらを睨み付けているのがわかった。


 ジャド「ドラゴン?」


 体格は人間の二倍あるかどうかというくらいの身長がある、ドラゴンにしては小柄のモンスター。二本の足で立っていて、こちらに向かって警戒しているのがわかる。そのドラゴンの周りには、今まで襲って来ていた魔法生物のガーゴイルが五体控えていて、合図でこちらに襲って来ることは確実だった。

 魔法生物を作り出せるだけの知能も、持ち合わせていそうだった。まあ、そこは今まで襲って来ていたのでわかりきっていたところだけれどね。

 そして唐突に、ドラゴンが合図を送ったことで、戦闘が開始された。

 さて問題は相手がドラゴンだとしたら、こちらの切り札が効かない可能性が高いということだ。

 これは結構やばいかもしれないな。そう思いつつも、とにかく回りの排除をすることにした。取り巻きがいる中で、ドラゴンと戦って勝てる可能性は低いからね。


 ロプ 「大地の怒りをここに、アースボム」


 なるべくドラゴンから視界を奪うような位置で、魔法を発動させていく。少しでも時間稼ぎをした方が、勝算があるかと思ったからだった。そして爆発に紛れる形で、切り札を三つドラゴンへと投げてみた。


 ???「ガアアー」


 切り札を受けたドラゴンから、悲鳴ではない鳴き声? が聞こえてとっさにその場を飛びのいた。

 あのまま立っているのはやばいって思ったのだ。


 グッ


 痛みを感じて右腕を見てみると、ドラゴンからの魔法が掠っていたのか、上腕部の一部がえぐれて、黒く変色していた。


 ミア 「ヒール!」


 それを見たミリアナが素早く駆け寄って来て、回復してくれる。その間ドラゴンを観察して、切り札がどの程度効果を得られたのかを確認してみた。

 結果は、ドラゴンの体に三箇所のえぐられた部分が見付けられた。大ダメージといえる効果は、得られなかったのだけれど、まったくの無傷って感じではなかった。これならば、まるっきり勝算がないという感じではないな。

 こちらがそんな感じでやりあっている間に、ジャド達が周りのとりまきを倒すことに成功していた。


 ジャド「待たせたな! ここからは全員でやつを攻撃するぞ」

 ニナ 「任せて!」

 レイ 「了解した!」

 ロプ 「気を付けろよ、こいつの魔法は結構痛いぞ」

 ジャド「ああ。行くぞ!」


 合図でレイとニイナが走り込んで、ドラゴンと接近戦を始める。


 ロプ 「もう大丈夫だ、僕達も参加しよう」

 ミア 「はい。わかりました」


 ジャド達が応援に来てくれたので何とか治療も進んで、ドラゴンとの戦闘に参加できるようになった。

 切り札でのダメージ量で、魔法の方ではあまり効果が出ないことがわかっていた為、もっぱら隙を見付けては切り札を投げ付ける作業を開始する。

 そんな中で、今回ダメージを蓄積できていたのは、やっぱりレイだったかもしれないな。ニイナも結構ダメージを与えている感じだったのだけれど、一撃一撃の重さというかダメージ量が違って、レイの攻撃でドラゴンもふらふらになっていた。

 ジャドは盾で殴ったり日本刀で目などのやらしい所を攻撃するなどして、注意を引き付けていた為ダメージのところではそこまで貢献できている感じではなかった。まあその代わり注意がジャドに向いていた分、レイが思いっきり戦えたのだけれどね。これぞパーティー戦闘って感じだ。

 そんな戦いの中、不利を悟ったドラゴンが、飛んで逃げようとしていたところに、切り札が左の翼の根元にレイの攻撃が右の翼を斬り飛ばして脱出を防いで、討伐が終了することになった。


 レイ 「さすが魔法武器、今までの武器と違って格段に強くなれた気がします。ロップソンさん、ありがとう。私用に作られていたので、凄く使いやすかったです」

 ロプ 「それはよかった。手直しの必要はなさそうだったか?」

 レイ 「ええ、大丈夫そうですよ。盾の方も、問題なく使えています」

 ジャド「よしよし、これでまたパーティーの戦力が充実したな!」


 僕達は戦闘が終わってドラゴンの討伐部位を回収した後に、お茶の準備をして休憩していた。

 さすがに結構きつい戦闘の後であった為、ここらで少し休憩をという話になったのだった。まあミリアナの場合、何かに付けてお茶を飲みたがるのだけれどね~

 そんな感じで小休憩をした後、僕達は最上階から徐々に降りて行って、各階層にめぼしい物がないかを調べながら降りて行くことにした。

 見付かったものは、そこまでたいした価値のあるものはなかったのだけれど、売ればお小遣いになりそうな宝石とか、古い時代のコインなんかが出て来た。

 これだけ魔法生物とかいたので、魔法の道具とかあれば美味しかったのだけれど、そうそう都合よく手に入らないね。まあそれでも、くまなく探したおかげで、ちまちまとした依頼いくつか分くらいの稼ぎにはなりそうな感じだった。さて、浮かれた気分もここまでで、僕達は犠牲になった人達の遺品を回収して、ギルドへと戻ることにした。

 遺品の方は冒険者ギルドに渡して、遺族の方へと返還されることになる。僕達はこの先は感知しないので、ここで報酬を受け取って今回の依頼を終了することになった。


 ロプ 「またしばらく生産したいから、休みをもらってもいいか?」

 ジャド「今度も大体一週間くらいか?」

 ロプ 「そうだな。それくらい見てくれると助かる」

 ジャド「わかった。がんばれよ!」


 別れ際にそうやり取りをして、家に帰って来ると次の生産について考え始める。

 段々と敵も強くなって来て、今日はドラゴン・・・・・・実際に討伐部位を提示した結果、ドラゴンではなくて、レッサーデーモンだったことがわかったのだけれど・・・・・・

 とにかく切り札が、段々と力不足に思えて来たので、ここらで新たな切り札の開発をしようと思ったのだった。

 現状では、これ以上の物の開発案はないのだけれど、錬金術を学んだので魔石を合成することによって、より効果の高い物が作れないかと、少し試してみたくなっていた。

 おそらく合成された物は、使って見なければ、効果を確かめることができないと思われるのだけれど。一度確認できれば、同じ物を作ることは、可能であると思われる。なので魔石の合成表を作ることにした。

 まず最初に調べなければいけないのは、魔石は錬金術によって、合成自体が出来る物なのかという疑問があった。

 明確に結果は予測できないのだけれど、完成予定は火属性の魔石を二つ合成したら、二倍くらいの威力を含んだ魔石になってくれると嬉しいな。そんな感じで手始めに錬金を開始する。

 結果は、おそらくは強化できた気がするのだけれど、多分この魔石は衝撃を受けると、内封された火属性魔法が荒れ狂うのではないかと思われる物が出来上がった。

 見ていると、魔石の中を炎が蠢いているのがわかってしまって、何時爆発するのかがわからなくて怖かったりする。使って実験してみたいのだけれど、いざという時が怖いのでここでは使えないな。

 とりあえず実験は後回しにしてドンドン錬金して、実際の効果はまとめて試して表を完成させる感じでやってみよう。

 後、衝撃を与えないように箱に布を敷き詰めて、そこに並べて大切に扱うようにした。効果を確認する時には、ジャドに付き合ってもらえば、万が一の事態があった時に、素早く対応してくれるはずだ。

 そう判断して、いくつかのかけ合わせの魔石を作って行った。


 ジャド「来たぞー。どんな感じだ~」

 ロプ 「ジャド、いいところに~」

 ジャド「ってことは何かできたのか?」

 ロプ 「いや、まだそこまでは行っていないのだけれど、前段階の実験がしたくてね。ちょっと付き合ってくれるか?」

 ジャド「おう、いいぞ。何を手伝えばいいんだ?」

 ロプ 「そうだな、どこか広い場所で、強化された魔石の効果を確かめる感じだ」

 ジャド「なるほど、あの魔石は、強化できたんだな」

 ロプ 「ああ、せっかく習ったから錬金術を使ってみた」

 ジャド「錬金術、結構役に立つな! 習ってよかったじゃないか!」

 ロプ 「生産の幅が広がった感じがするよ。まだ使いこなせていない感じだけれどな」

 ジャド「まあ、そこは仕方がないだろう。まだ習って日が浅いしな。これからだろう~」

 ロプ 「だな。じゃあこっちは準備いいけれど、そっちはどうだ?」

 ジャド「あ、少し待ってくれ、準備して来るよ」

 ロプ 「よろしく頼む」


 そんなやり取りをして、僕達は街から少し離れた平原のど真ん中で、実験をすることにした。


 ロプ 「初めは火属性を二つ合成したやつからやってみる。まずは暴発とかしないかどうかの強度を見てみるよ」

 ジャド「暴発とかする可能性があったのかよ・・・・・・錬金術怖いなー」

 ロプ 「作った時は、確かに怖かったよ。でも持ち運ぶ間には、破裂とかしなかったな」

 ジャド「おい、マギーの振動で破裂していたら、俺達今頃生きていないぞ・・・・・・勘弁してくれ~」

 ロプ 「悪かったって、とにかく、耐久テストをしてみるよ」

 ジャド「ああ、念入りに頼むな!」

 ロプ 「ああ」


 依頼だと結構無謀なことするのに、こういうのは小心者になるんだな~ そんな事を考えながら、魔石をとりあえず上に投げて、落下の衝撃で壊れるかどうかを見てみることにした。

 その結果は特に変化しない。

 ふむ。それならば、もう少し強い衝撃だとどうだろうか? そう思って、そこら辺にあった岩に向かって投げ付けてみた。


 ロプ 「衝撃での暴発は、どうやらなさそうだな」

 ジャド「それは安心だな!」


 ジャドがホッとしている中、実は僕も少しホッとしていた・・・・・・

 さて耐久に問題がないようだったので、ここからが表の作製実験になる。かけ合わせで、いい切り札になりそうなものが出来るといいな~

 そんな事を考えながら、順番に魔石を使っていく。


 ロプ 「火と火だと、普通に効果が上がったものになったな。水と水も同様のようだ」

 ジャド「それだけでも、切り札の効果が上げられそうだな」

 ロプ 「だな。一応それで切り札を作って行くことにしてみよう。じゃあ他の効果も確かめていくよ」

 ジャド「ああ」


 次に試したのは、相反する魔石のかけ合わせだった。火と水を掛け合わせたら効果を打ち消し合って何も起きないのか、はたまたまったくの別物になるのか・・・・・・

 魔石を使ってみると、指定した場所に風の球体が出来上がった。

 何だこれは、やっぱりまったく違う効果の物になったのかなって思っていると、しばらくした後でその風の球体が急に小さくなったと思った瞬間に爆発を起してはじけ飛んだ。

 ちなみに割と近くにいた僕と、少し離れていたジャドも爆風で吹き飛ばされて地面を転がる結果になった。

 しばらくの後、ジャドに起されて意識を取り戻した・・・・・・


 ジャド「大丈夫か?」

 ロプ 「ああ、まさかあんな爆発が起きるとは思ってもいなかったよ」

 ジャド「だな。これは当たりか?」

 ロプ 「爆発が起こるまでに時間がかかったからな、どうだろう? 設置型の爆弾としては使えそうだったけれどね」

 ジャド「確かに、戦闘中だと避けられそうだし、味方も巻き込みそうだから、使いどころは難しそうだな」

 ロプ 「そうだな。とりあえず保留にしておくよ」

 ジャド「次からは、もう少し距離を取るぞ」

 ロプ 「ああ、そうしよう」


 その後も、僕達は合成魔石の効果を確認していった。

 火と水の合成以外は、あんな危険なものが今のところなくて、逆にしょぼい効果しか出ないものなんかもあって、気が抜けた感じがした。結局一番手が一番危険だったか~

 そんな感じで次の魔石効果を試して見ると、指定地点に出て来たのは、黒い球体のようなものであった・・・・・・ただ黒い球体が空中に浮かんでいるな。

 これだけではよくわからない為、近くにあった石をその黒い球体にぶつけてみる。

 拳くらいの大きさである為に、うまく当てられなかったよ・・・・・・

 ちょっと恥ずかしいと思いつつ、もう少し近くで投げてみたところ、黒い球体の側をかすめた石が吸い込まれるように中へと消えて行った。

 そう思った瞬間、黒い球体が一気に大きさを拡大して、僕を飲み込むように吸い込まれてしまった!


 ジャド「ロップソン!」


 ジャドの慌てた声が聞こえたが、そこで僕は水の中へと投げ出されたことを理解する。

 服が水分を思いっきり吸って体にまとわりつかれた為、このままでは溺れてしまうと理解して風属性の魔石を使い、自分の周りを空気の幕で覆って何とか難を逃れることに成功した。

 どうやらあの黒い穴は、ランダム移動を可能にする、移動用の魔法の類かもしれないな。ということは、空間操作系の魔法が作れたって事で、研究していけば座標などを指定した瞬間移動などができる可能性が出て来る。

 まあ、とりあえずジャドと合流しようと思った僕は、川底を歩いて陸地へと向うことにした。

 水は酷く濁っている為に少し先も見えなくて、ほんとに陸地に辿り着けるのか自信はなかったのだけれど、一分も歩かないうちに妙に人工的なブロックが並べられている場所に上陸することができた。

 つるつるの物ではなかったので、それほど苦労することもなく水から出ると、そこは背の高い草の生えている川岸だった。

 現在位置を確認しようと見渡したそこは、川幅が結構離れている大きなところだったのだけれど、その川全体をブロック状の人工物が覆っているのがわかった。

 こんな大規模な治水工事をする国とか、どんな大国だろうと思う。

 それに川に架かっている橋を目撃して、あれは金属でできた橋だと理解できた。木でできた橋ですら、中々架けられないことが多いのに、金属で橋を作っているのか。

 金属は水にさらしていると錆びてしまうので、橋の素材として使うのは効率が悪くないか? そんな心配をしてしまう。そしてそんな橋の上を、マギーをでかくしていくつも連結したような乗り物が走って行った・・・・・・

 それを目撃してふと思う、何かがおかしい、ここはどこなんだ?

 周りを見渡して見ても、人が住んでいると思われる不思議な建物があるのに、モンスターを防ぐ為の壁がどこにも見当たらない。

 町の人と思われる人達も、不思議な服を着ているのだが、武器になりそうな物は何も持っていなかった。

 ウルフに似た動物を連れて歩いている人までいる・・・・・・そのウルフは、かなり小型で子供か赤ちゃんなのかってくらいの大きさしかなかった。

 何故獣と一緒に歩く? 何時襲われるかもしれないのに、危険ではないのか・・・・・・

 そのおかしな光景をただ、呆然と見ることしかできなかった・・・・・・


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