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魔石職人の冒険記  作者: 川島 つとむ
第一章  凸凹コンビ
11/54

資金稼ぎ

登場人物 ロップソン=ロプ(台詞表記) ジャド=ジャド(台詞表記) ニイナ=ニナ(台詞表記) ミリアナ=ミア(台詞表記) レイセモルス=レイ(台詞表記)

 明日は学校の卒業式から一ヶ月目、ということで三人の宿舎からの引越しの日になったので、依頼はお休みになった。

 僕らはマギーを使って、三人の引越しを手伝うことにする。

 なぜか宿屋に置いておきたくない荷物を、家で預かることになってしまったようだけれど・・・・・・

 とりあえずは午前中を使い、荷物の移動を終わらせることができた。

 ついでに、僕は出来上がったショートソード渡しておく。


 ロプ 「大分待たせたけれど、完成したから渡しておくよ。気になるところがあるようなら言ってくれ」

 ニナ 「ありがとう~」


 そう言って、受け取り振り回したりして問題なかったのか、嬉しそうに部屋の片付けをしに行った。

 さてこっちも家に戻って、カイトシールドを製作しないとな~

 することはもう全部わかっているので、後は作るだけだったので、夕方過ぎ頃には完成させることができた。

 少し時間ができたので、便利グッズを少し作ろう。

 冒険をしていて、二つ程欲しい物が思い浮かんだのだよね~

 まずは照明装置。火を入れて照らし出すランタンは既にある発明品なので、僕は別の物を考える。

 単純に指輪に魔石を取り付けて、任意の場所に光を灯す物を作った。これはそこまでの手間は使っていないので、売れる物なら商業ギルドと契約を結んで、売り出してもいいだろう。

 さてもう一つは、重い物を持ち上げる魔道具だ。

 グレートカウを持ち上げるのは、かなり苦労したからね。魔石の爆発する力を応用して、上方向に少しずつ持ち上げていく物を作り出した。

 一気に一番上まで行かないのは、高さを調節して任意の高さまで持ち上げる為である。これは同型の魔石とリンクして、自動で動くように設定したので、四つ使えば四箇所で持ち上げるように、一斉に動くように開発してみた。

 まあ近場に他のがあれば、それも一緒に動いちゃうだろうけれどね。

 とりあえずは、こんなものでいいだろう。こっちは工業用になるかもしれないな。

 石とか鉄を運ぶ時に使えると思う。下に球がついているので、浮かせた後は滑らせて運べるようになっている。

 ただし床は平らで、硬いものでなければ動かないと思うけれど・・・・・・

 開発が終わった頃には、夜になっていたので、今日はここで切り上げて眠ることにした。

 朝になりしっかりと寝られた僕は、遅刻しないで冒険者ギルドに来ることができた。


 ロプ 「おはよー」

 ミア 「おはようございます」


 いたのはミリアナだけだった。待合室の代わりとしても使える食堂の席なので、僕はミリアナの向かい側の席に座る。

 そして確かここは持ち込んだものを食べたりなども、禁止されていなので待っている間に何か、お茶みたいなものを用意するのも、ありだなと思った。

 いつでも簡単に用意できるお茶の魔道具か、ちょっといいかもしれないな。

 待ち時間にちょっと作れないものか、考えてみることにした。クッキーなども一緒に作れる魔道具もあれば、喜ばれるだろうけれど普通に無理そうだからな~


 ロプ 「うん? どうかしたか?」

 ミア 「あ、いえ。最初に出会った時の事を思い出したものですから」

 ロプ 「最初か~」

 ミア 「はい、その時も何か、悩んでいるのかなとか思ったものでした」

 ロプ 「ああ、こういう待ち時間がある時なんかは大抵は何か作れないかなって、頭の中でいろいろ考えちゃうんだよ。今はこういう待ち時間で、簡単にお茶とか出せるような魔道具を作れないかと考えていたところだ」

 ミア 「それはいいですね。冒険の途中でも、持ち運べる物なら使いたい魔道具です」

 ロプ 「だよな~。おそらくお湯を作るまでならできると思う。そこからお茶っ葉をどうするかとか、そっちが問題だな」

 ミア 「確かに、でもお茶の葉は、普通に自分で用意するしかないのではないでしょうか?」

 ロプ 「そうだよな。それを混ぜたら直ぐにお茶になるようにしたい」

 ミア 「難しそうですね。お湯の中に入れて、煮立たせてから葉っぱを沈めてカップに注ぎますから」

 ロプ 「冒険の途中でその工程は、どうしても邪魔になるからな。そこをどう省略するかが問題だ」

 ミア 「でも、そこを何とかすることができれば、野宿とかになっても直ぐにお茶を出したりできるようになるのですね?」

 ロプ 「そうなるな、ひょっとしたら魔道具じゃない方法で、考えた方がいいのかもしれないが・・・・・・まあ、試してみる価値のあるものだな」

 ミア 「是非にがんばって欲しいです!」


 おおう。力が入っているな。そんなにお茶が好きか? まあ女子らしいかもしれないけれど・・・・・・


 ロプ 「後は、クッキーなんかも出せたらなって考えた。そっちはまあ、思い付いただけで、作れる気はあまりしないのだけれどね」

 ミア 「それは、完全にどこでもお茶会が出来ていいですね~」

 ロプ 「僕としては、直ぐに食べられる携帯保存食って感じのものでも、いいと思うのだがな」

 ミア 「ほんとにいろいろ考えているんですね。凄いです」

 ロプ 「目標としては、あっと驚くような発明をすることだからな~。まだアイデアとかは無いから、言っているだけだけれどな」

 ミア 「そうですね。何か目標はあった方がいいと思います」

 ニナ 「やっほー」

 ミア 「おはようございます」

 ロプ 「おはようー」


 ミリアナと会話していると、次に来たのはニイナだった。その直ぐ後にレイがやって来る。今日は一番最後がジャドになったな。そう思いつつ挨拶をして、雑談は女子が集まったので会話には参加しないで、またお茶の構想を考えることにした。


 ジャド「お、今日は俺が一番最後か、じゃあ早速依頼を見て来るから、ここにいてくれ」

 ミア 「はい、行ってらっしゃいです」


 ミリアナが代表して答えて、僕らは大人しく待っている。しばらくするとジャドが戻って来て、僕らが座っているテーブルの、僕の隣に座った。ちなみに女子三人は、反対側に座っている。


 ジャド「これなんか良さそうだと思ったんだが、どうだろう?」


 ジャドがそう言って、テーブルに依頼表を二枚置いた。

 みんなで覗き込んで見ると、どちらも討伐系だな。一つは朽ちた砦に住み着いたトロールの討伐か。もう一つの方は、冒険者に調査された後の地下遺跡に住み着いた、グダルスの討伐。


 ロプ 「確か、グダルスっていうのは、下級の悪魔だったか?」

 ジャド「ああ、それで合っている」

 ロプ 「この二つを受けるとしたら、距離が離れているのはどうしてだ?」

 ジャド「いやこの二つのうち、どちらかを受けようかと思って、意見を聞きに来た」

 ロプ 「そういうことか、それならグダルスの討伐を僕は薦める」

 ジャド「理由は?」

 ロプ 「もう荒らされたとはいっても、地下遺跡だったらニイナが力を発揮できるかと思ってな。砦に辿り着くまでに必要なのは狩人だと思う。内のパーティーにはいないからてっ感じかな」

 ジャド「他に何か意見とかあるか?」

 ニナ 「私が役に立てるなら、遺跡の方がいいかな」


 そう発言する。残りの二人は、どちらでもいいよって感じだね。


 ジャド「それじゃあ、今日はグダルス退治に行こうか。サインしてくれ」


 みんなでサインをして、ジャドが戻って来ると、僕達は今回途中で野宿する可能性もあるので、保存食を買ってから遺跡に向った。

 遺跡に入る前にまずは盾を渡すことにする。後せっかくだから、作ったばかりの光の魔道具も渡す。盾の方は前に説明したからもういいよね。


 ロプ 「この指輪は、念じた位置に光が出るようにしてある。こんな感じ」


 そう言って光を頭上に出現させた。そして僕が歩くと、光は僕について来るように動く。使用者からの相対距離が変わらないようにしてあるのだ。


 ジャド「なるほど」


 ジャドが自分でも使って、具合を確かめていた。まあ中に潜ってからの方が、効果はよくわかるだろう。


 ロプ 「二つあるから、前と後ろを照らせばいいと思う」

 ジャド「わかった、じゃあ早速行きますかー。今回はニイナが先頭で、道幅が広そうだからレイがその横についてくれ。レイの後ろにミリアナ、ロップソンはニイナの後ろだ、俺がしんがりを務める。後、ロップソンは前を照らしてくれ。俺は後ろを照らす」

 ニナ 「はい」

 ミア 「はい」

 ロプ 「了解した」

 レイ 「わかった」


 みんながそれぞれに返事をして、早速遺跡へと入って行った。


 ニナ 「何かいる」


 入ってそれほどもしないうちに、ニイナがそうみんなに呟いた。

 僕達は警戒しながらゆっくりと進むと、前方からオーガが三体押し合いながらやって来ていた。あー、光があるから進入しているのがバレバレだったな。

 レイが前に出て、ニイナを後ろにかばって戦い始める。盾で一体押さえて、剣でもう一体を牽制している。

 オーガの一体は前の二体が邪魔で前に出られない様子だった。

 剣で牽制している方に、ニイナとミリアナが攻撃を集中させている。


 ロプ 「大地の怒りをここに、アースボム」


 前に出られない後ろのオーガに向って魔法を唱えることにした。


 グギャ


 変な鳴き声を上げて後ろのオーガが瀕死のダメージを受ける。そして後ろから聞こえて来た仲間の悲鳴を気にして、二体のオーガが後ろを気にし出した事で隙ができ、レイの攻撃を含めた集中攻撃がヒットしてその一体が倒れた。

 最後の一体になって、まずはすり抜けたニイナが後ろのオーガに止めを刺し、その勢いで、背後から生き残りの一体に攻撃を始める。

 三対一での戦いは、オーガの攻撃をことごとくレイが受け流して、あっさりと倒すことに成功した。

 連携もばっちりじゃないかな。こいつらからは素材が取れないので、討伐部位だけを回収して、先に進む。

 どれくらいの敵と戦えるか、まだわからないけれど、その後も出て来たゴブリンや、ジャイアントスコーピオン、ジャイアントマンティス、リザードマンと出て来たモンスターは、問題なく倒して進むことができた。


 そしていくつか通路を曲がったり、分かれ道を進んで最初の扉を発見する。

 ニイナがハンドサインで警戒を促がしたので、中に何かがいる可能性を考えみんなが戦闘準備をする。罠はなかったようだけれど、鍵がかかっていたみたいだ。

 小さくカチャリと音がして鍵が開いたことを確認したレイが突入する。音がしてしまったので、ここでじっとしているのは相手に有利になってしまうからだ。

 中に入ったレイは、そこにいた何者かの頭を盾で殴り付けた。幸いというのか相手は一人だけで、他に敵はいなかったので、僕達も中に入りそいつを確認する。

 盾の一撃を受けて脳震盪を起して動けない相手は、人間であった。

 僕はそいつの胸元にある装飾されたペンダントを奪い取ると、よく観察する。


 ロプ 「ジャド、ガーベクトだ」

 ジャド「はいよ」


 ジャドに合図を送ると、素早く前に出たジャドが動けない男を一撃の元に倒す。

 尋問するとか目的を聞くとか、そう言ったことをしなかったのは、邪神教に仕えているこの男に時間を与えたり、口を開かせるとこちらが危ないと判断したからである。

 そして彼らは基本的には口を割らないか、情報には信憑性がないから時間の浪費を避ける為でもあった。


 ロプ 「ガーベクトの信者がいたって事は、ここにいるグダルスは、こいつらが呼び出したってことかな?」

 ジャド「ありえるな。警戒して行こう。その前にこの部屋を調べようか」

 ニナ 「はい!」


 僕らは、手分けをして部屋を調べ始めた。


 レイ 「ぱっと見は、たいした物が無いですね」

 ロプ 「だな。ここにある書物も、持ち帰る程特異性のありそうな物は無いな。学校にでも行けば、見られそうな物くらいだ」

 ミア 「探すっていっても、探し回るほど部屋も広くありませんね」

 ジャド「隠し通路とか、隠し部屋がないようならここはもう用は無さそうだな」


 特に何をしていたとかの情報は見付からなかったが、壊れた水晶球が見付かり、こいつがグダルスを呼び出したってのが、やっぱり一番可能性が高いことがわかった。

 尋問用の魔道具とかも必要なのかな? 闇属性魔法を使えば、なんとなくだけれど作れそうな気はしたのだけれど、使い方次第では危険な物になりそうだな。

 その後も雑魚といえる敵に出合いながら、特に問題もなく進んで行くと、遺跡の中心部と思われる場所へと辿り着いた。

部屋の中心部に佇んでいるグダルスは、既にこちらを待ち構えている。

 戦う場所としては、部屋は十分以上に広く、戦闘に支障はなかった。この場合は、相手にとって有利になるのかもしれないけれどね。

 こいつは飛ばないタイプなので、そこまでの不利はないのだけれど、やつの持っている武器に警戒を強めた。


 ロプ 「気を付けろ、呪いの武器を持っているようだ」


 武器からは禍々しい力を感じたので、みんなに警戒を促がす。ダメージを受けると何があるのかわからないからな。

 今回は相手がやばそうなので、ジャドがメインで前に出て行くようだった。レイとニイナがその横に付き、僕とミリアナが後方で様子を見つつ、攻撃に参加する形だ。


 敵  「ギャギャガガァァ」


 何か言葉のような形で喋り出したと思った瞬間、僕は魔力の流れを感じ取れた。しかし、警告をするよりも早くそれは魔法効果として襲い掛かって来る。ジャドがふらついたのが後ろから見て取れた。


 ロプ 「レイ前に出ろ!」

 レイ 「はい!」


 おそらくは精神にダメージを受けて、朦朧としたに違いない。僕は隊列が乱れる前に手を打とうとレイに前衛を任せた。


 ロプ 「あまねく照らす光よ焼き尽くせ、サンライトシャワー」


 レイに前衛を任せると共に、上級の光属性の攻撃で攻撃を仕掛けた。


 ミア 「神罰!」


 遅れて、ミリアナが攻撃を仕掛ける。


 ガギャ


 苦痛の呻きを上げてグダルスが怯む。そしてそこに、レイとニイナが挑みかかって行った。


 ロプ 「凍てつく刃よ、アイスソード」


 さらに追い討ちをかけるべく、警戒している相手の呪い付きの剣を持つ手を狙って、魔法を唱える。


 敵  「ギャギャガガァァ」


 相手もそのまま簡単にはやられてくれずに、こちらに反撃の魔法を飛ばして来た。

 結果としてお互いに魔法を当てて結果は、こっちは何とか精神を活性化させることに成功して、ダメージの軽減ができた。相手は持っていた剣でこちらの魔法を斬り飛ばしていた。

 そんな中ニイナの攻撃が、相手に対して結構有効なダメージを蓄積させていっているように見えた。でも呪いの剣を警戒して、そこまで致命傷になるようなダメージには至っていない。


 ミア 「アジリティ」


 結構際どい戦いになりそうだと思っていたところ、ミリアナが能力上昇の呪文を唱えた。それを受けたニイナとレイの動きが、機敏になる。

 どうやら冒険して行くうちに、強化系の呪文が使えるようになったようだな。


 ロプ 「輝く光よここに、ライトブリット」


 僕もがんばって魔法をぶつけて行くことにする。さすがに四対一はきついようで、グダルスは防戦一方になっている。


 敵  「ギャギャガガァァ」


 このままで押し切れるかなと思っていたところに、敵からの呪文が今度はレイへとぶつけられた。


 うっ


 衝撃にレイが飛ばされ、気を失ったのか起きて来ない。ジャドもまだ正常な状態ではなく、膝を付いた状態だった。


 ロプ 「ニイナ、下がって! 荒れ狂う風よここに、ウィンドカッター」


 ニイナの離脱を確認して直ぐに、魔法の効果を拡大したものを、相手に飛ばすことにした。


 ギャギャガー


 グダルスは危険を察したのか、攻撃の範囲から飛びのいたようだったが、誘導された魔法をいくつかぶつける事に成功し、多少のダメージは与えることが出来た。


 敵  「ガギャギャガガアギャ」


 少し先ほどから使っていたものと違う呪文かと思った瞬間、足元の影が襲い掛かって来たのが見えた。

 やばいと思って慌てて体をひねったものの、影の刃は僕の腹へとめり込んだ。喉の奥から血が溢れて来る。

 おそらく呪文は唱えられないな。幸いなのは、ぎりぎりで体をひねることができたことによって、致命傷だけは避けられたってことだろう。

 それを確認しながら僕は床に倒れこむ。倒れたその状況で周りを確認すると、かろうじてニイナが敵を抑えて戦っていて、ミリアナが慌てたようにこちらへとやって来ていた。


 ミア 「ヒール! ヒール!」


 回復で痛みが少し引いて行くが、全快には至らない。

 実質今戦えているのがニイナだけになり、グダルスも余裕の笑みを浮かべているのが見て取れた。

 苦痛と溢れる血で呪文を封じられた状態で、その余裕が命取りだと心の中で思う。

 切り札を手探りで取り出した僕は、ニイナをいたぶろうとするグダルスの大振りな攻撃の隙を突いて、持っている四つの切り札を投げ付けた。

 その切り札は、一つに見えるように相手の顔を目指して誘導されて行く。おそらく一つは迎撃されるだろうという予測通り、相手の剣が切り札の一つを弾いた。

 だが後ろに飛んでいた切り札がその隙を突くように相手の顔、首、心臓辺りへと命中させることに成功する。さすがにこれで死なない相手ではなかったようで、消滅を免れた下半身が倒れて行った。


 ミア 「ヒール」


 無事に乗り切れたので、落ち着いて治療をしてもらえる。致命傷ではなかったものの傷は深くて、僕はまだ起き上がることができない。

 それと余裕がなくて、討伐部位になりそうな場所を残すことができなかった。

 少々危険ではあるのだけれど、あいつの持っていた武器を、証拠として持って帰る事になりそうだ。

 レイも気絶から目を覚まさないのだけれど、多分こっちは精神力を回復させなければ駄目だろうな。つまり寝て回復しろということだ。ジャドが動けないようなので、代わりに指示を出そう。


 ロプ 「ニイナ入り口を見張ってくれるか、それと一応、この部屋に隠し部屋がないかどうかもチェックしてくれ。今日はここで一泊して、明日帰る事にしよう。ジャド、もう無理しないでそのまま寝てしまえ~」


 そう言うと喋る力もないのか、そのまま崩れるように眠ったのがわかった。

 ニイナが部屋を調べている間、僕が入り口から何かが来ないかを見張る。ミリアナは、まだ僕の治療を続けている途中だった。


 ニナ 「隠し部屋とか、通路とかは見付けられなかったよ。必要な物がありそうかどうかは調べていないわ」

 ロプ 「かまわない、わるいがしばらくは見張りをよろしく」

 ニナ 「うん」


 そう言うとニイナが入り口へと向かって、警戒をしてくれる。その状態を維持して感覚的には大体四時間くらいを経過した頃かな。レイが意識を取り戻したようだった。


 ロプ 「レイ、起きて大丈夫そうか?」

 レイ 「ええ、平気そうです」

 ロプ 「今日はこのままここで休むことにしたから、早速だが、ニイナと見張りを変わってくれるか?」

 レイ 「わかりました」

 ロプ 「ニイナ、交代して眠ってくれ!」

 ニナ 「わかった~ レイ、後はよろしくね」

 レイ 「ええ、おやすみなさい」


 僕もその頃には、何とか起き上がれるようになったので、ミリアナにも寝るように指示を出した。

 僕は引き続き、不測の事態があった時に備えて警戒する。

 さらに結構な時間が経過して、ジャドが起き出して来た。その間に一度だけ雑魚が顔を出したのだけれど、レイが問題なく倒していたよ。


 ジャド「わるい、また不覚を取ったようだな」

 ロプ 「まあ、あれは仕方ないだろう。魔法の攻撃が見えていたら盾を構えるとか出来ただろうけれどね。それよりさすがにきつい、僕とレイと変わって、見張りをしてくれ」

 ジャド「了解した。休んでくれ。レイ! 交代だ、休んでくれー」

 レイ 「わかりましたー」


 こうして疲れた体を休ませることになった。


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