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角が有る者達  作者: C・トベルト
第二章 悪魔から知恵を授かったソロモン
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第87話 ハサギのドタバタ就活

サギのドタバタ就活』



警察庁・『元』G対策課


『元』G対策課の中心で、ハサギが叫ぶ。


ハサギ「く・び・に・なったあああ!?!?!?」


同じく『元』G対策課の中心で、ノリが泣きながら頭を下げる。


ノリ「すんませんんんん!!」

ハサギ「どーーいぅ事だよ!?

何で、ノリ!ケシゴ!ペンシの三人が警察辞めなきゃ行けないんだよおおお!!」

ノリ「そ、それは……そのー…」

ハサギ「しかもG対策課も無くなっているし、俺の働く課がいつの間にか『ゆるキャラ課』になってるし!なんだよゆるキャラ課ってええ!?」

ノリ「あれ、ハサギさん?

まさか警察庁公認ゆるキャラ『極悪退治王・ジューナンテステーテ・カカッテコーイ』を知らないッスか!?」

ハサギ「知りたくもねぇよ!

なんだそのゆるキャラからかけ離れた名前の奴!

どっかのRPGに行ってこい!」


ハサギはまるでヤクザのようにノリに食ってかかる。

それをなだめたのはペンシだ。


ペンシ「待てハサギ。

先ずは『極悪殺人王・ヤロウブッコロシテヤルー』の事を詳しく知るべきだ」

ハサギ「さっきより極悪感増してんじゃねーか!

ゆるキャラだよな!ゆるキャラなんだよな!?」

ノリ「ま、待つッスペンシさん。

ここは『残虐悪徳王・オレオレサギダー』の事から語らないと」

ハサギ「ゆるキャラもどきの話しをするなあああ!」


ハサギはまるでチンピラのように叫ぶ。

それを宥めたのはケシゴだ。


ケシゴ「二人とも落ち着け。

ハサギが聞きたいのはそんな変人ではなく、ゆるキャラの概念『あ?』ではなく、俺達が警察を辞めた理由を聞いているんだ」


ケシゴのボケをハサギは一睨みで押さえた。


ケシゴ「と言っても、俺達が警察を辞める理由はハサギ、お前にあるのだがな」

ハサギ「え、俺?」


ケシゴはハサギに目を向ける…が、サングラスを付けているため表情は見えない。


ケシゴ「お前が学校で果心に捕まった時、俺達は上部からある命令を受けていた。

『このG対策課から一歩でも出歩けばクビにする』、とな」

ハサギ「な…なんだと!?」

ケシゴ「我々はその命令を無視して学校に向かった。

…そのため、命令違反として本日付けで辞めるのさ」

ハサギ「そ、そんな…俺を助けたせいで、皆が…!?」


ハサギはへなへなと座り込む。


ケシゴ「元々G対策課は3人以上存在しなければ機能しない。

だが俺達が辞めた事で課を存続する事もできず、G対策課も俺達もお払い箱だ」

ノリ「は、ハサギさん…!

ボク…なるべく明るい話題を出したかったッスけど、もう無理ッス…うわああん!」


ノリがボロボロと涙を流し、ペンシが静かにノリの肩を掴む。


ペンシ「ノリ…」

ハサギ「……ちょっと待ってろ」


ハサギは何も言わず、部屋を立ち去る。


ノリ「?」

ペンシ「なんだ?」


そしてすぐ戻ってきたかと思うと大声で叫んだ。


ハサギ「俺も警察辞めた!

今退職届けだした、俺も本日付けで無職だ!」

ノリ「ええ!?」

ペンシ「なんだと!?」

ケシゴ「…正気か?

貴様、そんな簡単に警察を辞めるなんて…」


その言葉に全員が驚きを隠せない。ケシゴに至ってはサングラスを一瞬外してハサギをじっと見た程だ。


ハサギ「簡単じゃねえよ!

だが、俺の為助けてくれた仲間と離れるのが嫌なだけだ!」

ノリ「は、ハサギさん…!」


ノリはボロボロと涙を流す。

しかし先程と違い、歓喜で涙を流していた。


ノリ「ぼ、ボク…一生ハサギさんに付いていくッスウウ!!」

ハサギ「ノリいい!!お前の事は一生守るかなあアア!!」


ノリとハサギは涙を流しながら強く抱きしめ合っていた。

それを見たペンシはほろり、と涙を流す。


ペンシ「ううっ…」

ケシゴ「ペンシ…泣いているのか?」

ペンシ「目にゴミが入っただけだ」

ケシゴ「…そうか」

ノリ「ハサギさあああん!!」

ハサギ「ノリいいいいい!!」



数十分後。



ハサギ「あー泣いたらスッキリした。ノリ、明日からハロワに行って仕事探そうな!」

ノリ「ハサギさん、最近匿名で沢山儲かる仕事があるってメールが来てるッス!

それに参加するッス!」

ハサギ「マジか!?

よし、参加しようぜ!」

ノリ「おー!」


すっかり新しい仕事を探す気分の二人組。

それを見たケシゴはハサギ達に話しかけた。


ケシゴ「そうか新しい仕事を探すか。

それじゃあこれは要らないな」

ハサギ「?」


ケシゴはハサギに何かを見せる。

それは名刺のような小さいカードだった。

カードには『WGP・白岩ケシゴ』と書かれてている。


ハサギ「WGP?

『国際新世代警察』?」


国際新世代警察。

それは、ある人物が立ち上げた世界平和機構の名称だ。

能力者・天才が手をとりあう事を許された世界規模の更なる凶悪犯罪から身を守る為の新しいICPO。

ICPOとは違うのは、能力者も自由に仕事する事ができるのを許されている。

しかし当然、エリートを越えたエリートしか働けない職場だ。


ハサギ「…ちょっと待て?

何でお前がこれを持ってる?」

ケシゴ「…実はお前達に隠していた事があるんだ。

実は、俺とペンシは警察ではない」


ハサギはネクタイを絞め直し、ペンシは気をつけのポーズを取る。


ハサギ「え?

まさかお前等…?」

ペンシ「馬鹿者が。

先日の理不尽な命令は、お前達の行動を確認するためのテストだ。

そしてお前達二人は、見事試験に合格した…つまり」

ノリ「つまり?」


ペンシはフッと笑い、ケシゴと一緒に真実を告げる。


ペンシ&ケシゴ「お前達は、晴れて我々『WGP』に仲間入りだ」


その後、この日一番の絶叫が庁内に響き渡ったと言う

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