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角が有る者達  作者: C・トベルト
幕間の物語 シティと果心のハロウィーン
79/303

第80話 幕間の物語 シティと果心の『こっそり』ハロウィーン

シティと果心の『怖ーい』ハロウィーン


注意。


『魔法美少女オタキャアちゃん』

毎週日曜朝8時半、放送中!

みんなー☆見てねー☆


終了。





午前8時、公園。


カシャ、カシャ、カシャ、カシャ。


全身が包帯で出来たミイラのダンクは、カメラを片手に公園の風景を写真に収めていた。


ダンク「カメラはいいねぇ。

 一瞬を永遠に変えられるなんて、素晴らしい道具を作り出したもんだな、人間は。

これなら一々記憶保存の魔法を使う必要もなくなるねぇ」


カシャ、カシャ、とやたらめったら写真をとりまくるダンク。


ダンク「俺は本当に『何もない』から、こういう記録に残せるモノは最高だよ」


ダンクの包帯の中身は空洞である、

世界中の魔法と引き換えに身体を失った彼にとって、自分の記録を残せる道具は大好きなのだ。

しかしダンクは気付いていない。

その背後に二人の女性が迷彩服を着てこそこそと近付いている事に。


果心「こちら果心、こちら果心。

そちらの様子はどうだ、どうぞ」

シティ「こちらシティーク、何の問題も無いわ、果心。

…って、すぐ隣りにいるのに無線をする意味有るのかしら?」

果心「何言ってるの!

こういうのは使わないと損するものなのよ!

…どうぞ」

シティ「ま、まあ了解したわ…。

しかしダンクめ、あいつは本当によく分からない事が好きね。

あんな寂しい公園じゃなく、他にも写真でとりたいモノがあるだろうに」

果心(あら?

今シティからちょっとだけ変なオーラが…?

気のせいね、きっと)


シティはジローーっとダンクを睨む。

ダンクはそんな事に気付かずのんびり公園の風景を写真でとっていた。

しかし、あまりに熱心に写真を撮りすぎたために通行人に気づかず、ぶつかってしまう。


通行人「きゃ!」

ダンク「うわ!? 」


ダンクが見ると、黒いドレスを着た女性が倒れていた。

何故か魔女がかぶりそうな大きな帽子を被っている。


ダンク「だ、大丈夫か?」

通行人「ええ、なんとか…。

あれ?あなたもパーティーの参加者ですか?」

ダンク「ん?パーティー?」


ダンクは思わず首を傾げる。

子どものような幼さを残した女性は、ニコッと笑う。


通行人「ええ、これから近くのホテルでハロウィンパーティーをやるんですよ。

参加者は皆何かのコスプレをするんですけど…あなたのミイラのコスプレも、なかなか凄いですねえ」

ダンク「え?あ、これは…」(い、言えない。

 これが俺の本体なんですよなんて、絶対言えない!)「ま、まあ作るのには結構苦労しましたから!ハハハ…」


ダンクはぎこちない笑みを浮かべ、通行人は真剣な目でダンクの包帯でできた体を見る。


通行人「凄いですねえ。

 私もこの帽子作るのには苦労したんですよ~」

ダンク「へえ、そうなのか?

 随分可愛らしい帽子だから、店で売ってたものかと思ったよ」

通行人「あら、ミイラさん。

 お世辞が上手ですね~」

ダンク「いや、それ程でも… 。

 アっハッハッハッハッ」


ドゴォ!


果心「わ!

シティ、何でいきなり地面を殴ってるの?」

シティ「あ、ご、ごめん果心!

思わず殴っちゃった!」



ダンクはその時、ハッと気付いた。

今までこの体で外を歩けば「変質者」だの「透明人間」だの「病院からの脱走者」だのと酷いいわれようだったが、

これはこの姿で出歩いても大丈夫なのではないか?

今までの汚名を返上するチャンスではないのか?


ダンク(パーティーか…

 そういや、クリスマスの時も結局参加できなかったし、…こういうのも悪くないか?)

「パーティー、確かホテルでやってると言ってたな。それって、あとどれ位で着くんだっけな~(チラッ)」

通行人「ええと~、あと30分位かしら~。

地図ならあるし、余裕ですね~」


ダンクの誘導尋問に、通行人は何の気なしに答えてくれた。


ダンク「…そっか、余裕か。

 なあ、えーと、魔女さん?」

通行人「私の名前はガーナ。

 カータ・ガーナですよ~あなたの名前は何ですかあ?」

ダンク「ダンクだ。そのホテルまで案内を頼めるか?どうにも道に迷ったようでな」

ガーナ「大丈夫ですよ~。それでは行きましょうか、ダンクさん~」

ダンク「おー!」


こうして、ダンクとガーナは近くのパーティー会場に向かって歩いていった。

一方、その後ろでは。

暴れるシティを果心が必死に抑えつけていた。



シティ「止めないで果心!

あいつ吹っ飛ばしてくるから!」

果心「落ち着いてシティ!

 だからって『金属の歯車』はヤバい!色々ヤバいから!」

シティ「大丈夫よ果心!

 ちょっと馬鹿ソリッド・アイボリーを潰すだけだから!愛国者潰すだけだから!」

果心「何を口走っているのシティ!?

 落ち着いて、落ち着くのよ!!」

(私の友達って、こんなに怖かったかしら?)


作者(何を今更(笑)


シティ「まてよ、このまま奴を潰すのは簡単だけど、また同じ目に逢わないように見せしめが必要よね?そうに決まってるわ!」

果心(あれ私の友達、怖い子じゃないよね?)


作者(諦めなさい(笑)


シティ「作者邪魔!」

作者(ひでぶ!)

シティ「果心、いいアイデアがあるの!

 聞いてくれるわよね?」

果心「だ、大丈夫大丈夫…。

 私、あなたの友達…」

シティ「そうと決まれば、早速やるわよ!

 首を洗って待ってなさい!ダンク!

アーハッハッハッハッハッハッハッ!!」




公園にシティの高笑いが響く。

それを聞いた果心は、ゾッと震えたという…。


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