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角が有る者達  作者: C・トベルト
太陽の命と月の命。
77/303

第78話 幕間の物語 シティと果心の『甘い』ハロウィーン

Case1 悪戯猫とチョコレート


注意!


トベルト「甘いわぁ!」


以上!



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


とあるマンションの一室。 

徹夜で書類整理の仕事をしていたハサギは、二時間の仮眠をとり、午前5時に寝室で目を覚ました。



ハサギ「ふわあぁあ、もう朝か~」

ノリ「おはようございます。ハサギさん」


台所の方ではノリの声が聞こえる。

彼も自分より1時間前に仮眠をとっていて、今は朝食の準備をしているようだ。

ここからでは姿が見えないが、何か朝食を作ったのだろう、食べ物の匂いがする。


ハサギ「あ、ノリ。

 おはよう」

ノリ「早く着替えて下さいハサギさん。

 いつまで寝てるんスか?もう先に朝ご飯食べてしまいましたよ」


食べた、というワードを聞いて、寝ぼけ眼のハサギの目がカッと見開く。ハサギの頭の中に、彼が一番大切な食べ物が浮かんだからだ。


ハサギ「あ、ああ!?

 ま、まさか俺が楽しみにしていた『キットキャット』食べたか!?」


キットキャット……美味しいチョコ。

猫も某チョコも関係なく、食べると甘い。

台所からはフフフ、という意地悪な笑みが響き渡り、


ノリ「はい、食べちゃったッス。

 甘かったッスね~♪」

ハサギ「ぎゃーー!

 あれは俺の1日のエナジーなのに!

 なんて事を!!」

ノリ「早く起きないからッスよ☆」


寝室に意地悪な笑みを浮かべたノリが顔を出す。

ハサギは怒りで興奮しながらベッドから起き上がる。


ハサギ「ノリ、てめー!

 女みたいに笑っても誤魔化せると思うなよ!」


ノリは少したじろぎ、更に少しだけ無表情になった。しかし、すぐに笑みを取り戻す。


ノリ(……)

 「冗談ッスよ」

ハサギ「見てろよ、今ギタンギタンにしてや…あ?」


ベッドから起き上がり、パジャマの裾を捲り上げようと手を上げた所でハサギの動きは止まる。

そしてキョトンとした表情でノリを見つめた。


ノリ「ちゃんとあるッス。

 チョコも、朝食も」

ハサギ「あ?

 な、なんだよ…驚かすなよバカ。

 いーか、朝ご飯と一緒に食べるチョコは国宝級の美味しさで…」

ノリ(バカ、ですね。ハサギさんは)


ハサギの説教を聞いて、

ノリはハサギに見えないようクスッと笑う。


ノリ(徹夜で同じ部屋にいるなんて大ヒントあげてるのに、ボクが女だってまだ気付かないッスからね。

これでボクが女だって気付いたらどんな顔するか、楽しみッス♪)

 「それよりハサギさん」

ハサギ「ーーーつまりチョコを食べる事は世界全般の一般習慣に加えられなければいけない必要事項であり……。

 なんだノリ?」

ノリ「朝食、早く食べないと冷めちゃいますよ」

ハサギ「お、そういやそうだな。

 お前の作る飯は美味いんだよな~」

ノリ「ふふふ、修業したから美味いッス」

ハサギ「弁当男子は…モテるんだよな、最近。

 ノリ、俺より先に彼女ゲットするなよ」

ノリ「ご心配なく。

 ボクはハサギさんより先にも後にも、ゲットする気はありませんから♪」


そう言ってハサギは寝室を後にする。

部屋の中にはベッドや洋服以外、存在するものなんてない…筈なのに、ベッド下から二人の女性の声が聞こえてくる。






シティ(やべえまじやべえ(゜o゜;)

果心(えらい所にきてしまった…!(;O;))


そう、この話は『シティと果心の『怖ーい』ハロウィーン』である。

決して『ノリとハサギのイチャイチャ日記』ではない。


シティ(え、果心、あれにお仕置きするの?

 お仕置きの要素ナイデスヨ?)

果心(うーん、まさか悪戯する前に甘いお菓子を食べさせられるとは思わなかったわ)

シティ(どーしよ、警察コンビなら確実に面白イベントになると思ってベッド下に潜入したのに)

果心(この『ココロヨメール』で心を読んだら、偉い事実が発覚するなんてね…)

シティ(うう、完全に私達の作戦の出鼻がくじかれちゃったわ)


本来なら、ベッドで眠るハサギをベッドごとひっくり返してハサギを鶏に変身させて電柱の上に乗せるというイタズラ作戦…だったのだが、見事に毒気を抜かされた。

心を読んだ二人にとってこの状況は、とても甘過ぎたからだ。


シティ(どーする?逃げる?

何にも出来なかったけど…)

果心(そーね、逃げましょう。今回は負けを認めて逃げましょう)

シティ(うーん、悔しいわ!

おのれノリ!次は倒してやる!)


どうやら二人の頭の中ではノリはライバルらしい。ベッド下から台所の二人を睨む婦警姿の女性二人組。


果心(睨んでも仕方ありません。帰りましょう)

シティ(そうね。ダイナミックに帰りますか)



バゴォン!!


ハサギ「うお!?なんだ?」

ノリ「寝室の方からッス!」


ノリとハサギは急いで寝室に駆け込む。

寝室は酷い有り様だった。

壁は破壊され、大きな穴が開いている。

破片が寝室中に散らばり、下手に歩けば破片を踏みそうだ。


ハサギ「あ、あああああああああ……なんじゃこりゃあああああ!!!」

ノリ「な、なんすかこれは?

 ん?箱?」


惨状にびびったノリが目線をそらすと、そこには箱が置いてあった。

ノリが箱を開けると、中にはチョコレートケーキとメッセージカード。


ノリがメッセージカードを開き文章を読む。

内容は以下の通りである。




あなたは私達の悪戯より凄いお菓子をくれたのでお返しよ。

『月にかわってお仕置きよ』同盟より

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