婚儀の祝宴①~前準備~
2018.6/28 更新分 1/1 ・2020.9/21 誤字を修正
そうして日は過ぎて、白の月の8日である。
ランとスドラの婚儀の祝宴が行われるその日、俺たちはやっぱり宿場町で商売に励んでいた。
本日も俺は祝宴に招待されていたが、あくまで客人の立場であるので、宴料理の作製には関わらない。チム=スドラの婚儀のときと同じように、夕方ぐらいにフォウの集落まで出向いて、フォウの血族の心づくしを楽しませていただく予定になっていた。
そして、これもまた前回の婚儀と同じように、ユン=スドラは祝宴の準備をしなければならないので、屋台の当番は欠席となっている。本日の日替わり当番はラッツとラヴィッツの血族であったので、臨時要員としてはマトゥアの女衆にお願いしていた。
「この前の祝宴から5日ていどしか経っていないのに、また祝宴ですね。なんだか、気持ちが浮き立ってしまいます」
俺の手伝いをしてくれていたマトゥアの女衆は、笑顔でそのように述べたてていた。トゥール=ディンが離脱したことによって最年少の座を獲得した、13歳の可愛らしい娘さんである。
本日は、彼女も祝宴に招待されていたのだ。
前回の婚儀の祝宴では、収穫祭をともにしている氏族と、あとは眷族たるリッドとディンの行状を見守るために、ザザの人間だけが招待されていた。しかし今回は、それにつけ加えて屋台の商売に関わる氏族も招待されていたのだった。
これは、余所の氏族とも絆を深めるべきという家長会議の結果を踏まえての、英断である。
また、バードゥ=フォウは新たな婚儀の習わしについても肯定的な立場を取っているのだ。フォウの血族にもまだ何人かは未婚の男女があるので、血族ならぬ相手と縁が芽生えれば幸いと考えているのだろう。
「けっこう俺も、祝宴は立て続けにお呼ばれすることが多いんだよね。まあ、その半分以上はかまど番として参加してるんだけどさ」
「はい。アスタの話を聞いていて、わたしはいつも羨ましいと思っていました。血族の間だけでは、そんな立て続けに祝宴が開かれることなんてありませんからね」
「そっか。こんなに立て続けだと、ありがたみが薄れちゃったりはしないかな?」
「そんなことは、これっぽっちも思いません! わたしなんて、わがままを言って今日の参席を許してもらったぐらいなのですから」
そう言って、マトゥアの女衆は照れくさそうに微笑んだ。
「わたしは前回の祝宴にも参席していましたし、いまだ婚儀が許される年でもないのだから、別の人間を出すべきではないかという話もあったのです。でも、フォウやスドラの人々ともっとも親しいのはわたしなのだから、わたしに参席させてほしいと、わがままを通してしまいました」
「へえ。君がわがままに振る舞うなんて、想像がつかないなあ。普段はこんなに聞き分けがいいのに」
「アスタにわがままを言うなんて、そんな大それたことはできません! わたしはアスタに見捨てられないように、懸命に仕事に励んでいるのですよ?」
13歳のわりにはしっかりしていて、気性も明朗きわまりない彼女は、屋台のメンバーの中でもムードメーカーとしての役割を担ってくれていた。そんな彼女がマトゥアの代表として他の氏族の人々と絆を深めていくのは、俺としても心強い限りであった。
ともあれ、屋台の商売は無事に終了した。
屋台を返却するために、まずは《キミュスの尻尾亭》に向かう。すると、そこではちょっとした騒ぎが巻き起こっていた。
「やあ、いったい何を騒いでいるのかな?」
裏の倉庫の前に集結していたのは、テリア=マスとユーミとレビであった。ユーミとは、この場で待ち合わせをしていたのだ。
その3名は、どうやらテリア=マスの格好を巡って騒いでいる様子であった。
「あ、アスタ、こいつを見てくれよ! テリア=マスは、普段の格好で祝宴に行くつもりだって言ってたよな?」
レビが、そのようにまくしたててくる。
ユーミの後ろに半分隠れたテリア=マスは、本日もきらびやかな宴衣装に身を包んでいたのだった。
「き、気が変わったので、ユーミに宴衣装をお借りしたのです。それで何か、いけないことがありますか?」
「そーだよ。あんただって、テリア=マスにはこの格好が似合うって言ってたじゃん」
自身もきらびやかな宴衣装に身を包んだユーミが、腕を組んでレビを見返している。
「自分が参加できない宴では、テリア=マスに宴衣装を着るなっての? そいつは、道理が通らないんじゃない?」
「いや、道理とかそういう話じゃなくってさ……俺はただ、テリア=マスを心配してるだけなんだよ」
「だから、森辺の男衆がそんなほいほい嫁入りを願ったりするわけないじゃん。あんたの心配は、的外れなんだよ!」
傲然と腕を組んだまま、ユーミがこちらを振り返ってきた。
「待ってたよ、アスタ。お騒がせしちゃって、悪かったね。さ、屋台なんかはこいつに押しつけて、とっとと出発しようよ」
「ああ、うん……表に荷車をとめてあるから、先に乗っててもらえるかな?」
「はいはーい。それじゃあ、あんたはしっかり働きな」
ユーミはテリア=マスを引き連れて、表のほうに立ち去っていった。
仏頂面をさらしているレビに、俺は「大丈夫かい?」と呼びかけてみる。
「大丈夫もへったくれもねえよ。口じゃあ、ユーミにかなわねえからな」
「あはは。それはそうなんだろうね。……でもまあ、ユーミが言ってたことも確かだからさ。何も心配する必要はないと思うよ」
「俺だって、森辺の男衆が町の馬鹿どもみたいにちょっかいをかけるとは思ってねえけどさ。でも……テリア=マスはあんなに可愛らしい娘さんなんだから、ちっとぐらい心配するのは当然だろ?」
俺としては、なんとも答え難い問題であった。
というか、レビの心配がどういった感情に起因しているかが不明であるために、どうにも答え難く感じてしまうのだ。
「とりあえず、祝宴の場には俺もいるからさ。心配しないで、待っていておくれよ」
「ああ、本当に頼むぜ? ユーミのやつは、当てにならねえからな」
ぶつぶつと言いながら、レビが倉庫の鍵を開け始める。
そのときになって、俺は倉庫の陰に小さな人影がたたずんでいることに、初めて気づいた。
「うわ、レイトか。そんなところで、何をしているのかな?」
「はい。手が空いたので、宿の仕事を手伝っていました。アスタたちは、祝宴なのですね」
そんな風に答えながら、レイトは横目でレビの様子を観察しているようだった。
俺は頭をかきながら、レイトの耳もとに口を寄せる。
「もしかしたら、レイトもテリア=マスのことが心配なのかな?」
「いえ。森辺の方々は礼節をわきまえていますので、どれほどお酒が入っても、おかしな騒ぎになることはないでしょう。そういう意味で、心配したりはしていません」
ならば、レビとテリア=マスの行く末を気にかけているのだろうか。
なんというか、誰も彼も本心をさらけ出さないまま、おたがいの心情を探り合っているかのような様相であった。
(でも、恋愛沙汰って本来はこういうのが当たり前だったりするのかな。森辺の民は、何でもかんでもスパッと一刀両断しちゃうからなあ)
そんな風に考えながら、荷車のほうに戻ってみると、荷台ではユーミとテリア=マスが小声でひそひそとやりあっていた。
「さっきはああ言ったけどさ、たぶんレビは、宴衣装そのものに文句をつけてるわけじゃないんだと思うよ」
「え? ど、どういうことですか?」
「あいつはたぶん、テリア=マスがいきなり気を変えた理由がわからなくて、モヤモヤしてるんだよ。まさか、テリア=マスが自分の気を引こうとしてるだなんて、そんなことは夢にも思ってないだろうからね」
「わ、わたしは別に、そんなつもりで宴衣装をお借りしたわけでは……」
「ふーん? でも、レビのやつがあまりにも鈍いもんだから、テリア=マスもやきもきしちゃってるんでしょ? あいつはあいつで、テリア=マスの気持ちなんてこれっぽっちもわかってないから、やきもきするのが当たり前さ」
ユーミは悪戯っぽく笑っており、テリア=マスは顔を真っ赤にしていた。
「だけどまあ、テリア=マスも焦らずに様子を見てやったら? いまのあいつは、身を持ちなおすことに必死なんだよ。それが落ち着いたら、もうちょっとは周りを見る余裕が出てくるだろうからさ。同じ屋根の下で暮らしてるんだから、何も焦ることないって」
「は、はい……わ、わたしはやっぱり、もとの服に着替えるべきでしょうか? こんなことでレビに嫌われてしまったら、わたしは……」
「なーに言ってんのさ。レビのほうこそ、テリア=マスに嫌われたんじゃないかって、やきもきしてるんだと思うよ。宴から帰った後、笑顔で挨拶でもしてやれば、ほっと胸を撫でおろすだろうさ」
「そ、それだったら、いまの内に話をしておきます。こんな気分では、とうてい宴を楽しむことはできません!」
そう言って、荷台から身を乗り出そうとしたテリア=マスは、初めて俺の存在に気づいたようだった。
「あ、アスタ、もういらしていたのですね……ちょ、ちょっと忘れ物をしてしまったので、少しだけ待っていていただけますか?」
「ええ、もちろん。時間にゆとりはありますので、ごゆっくりどうぞ」
テリア=マスはぺこりと頭を下げてから、裏手のほうに駆け去っていった。
それを見送っていたユーミが、「あーあ」と頭をかいている。
「人様の色恋沙汰だったら、いくらでも知ったような口を叩けるんだけどなあ。どうして自分のことになると、頭が回らないんだろ」
「あはは。人間なんて、みんなそんなもんじゃないのかな」
俺が呑気な言葉を返すと、じろりとにらみつけられてしまった。
「どうでもいいけど、盗み聞きは悪趣味だと思うよ、アスタ?」
「あ、はい。ごめんなさい」
俺もユーミのように助言をできれば、レビの気持ちを安らがせることができたのだろうか。
そんなことを考えながら、俺はテリア=マスが戻ってくるのを待ち続けた。
◇
その後は波乱に見舞われることもなく、俺たちは森辺の集落に帰りついた。
道中、テリア=マスはずっと笑顔であった。きっとレビとのすれ違いに折り合いをつけることができたのだろう。レイトがそのさまを見届けてくれていれば幸いであった。
ルウの集落でティアと合流し、今度はファの家へと向かう。明日は屋台も休業日であったが、カレーの素と乾燥パスタの下ごしらえだけは通常通りにこなして、時間の経過を待つ。それでもなお時間にゆとりはあったので、俺はユーミとテリア=マスに見守られながら、勉強会も始めることにした。
ちなみに、西の民たるユーミたちを招いているために、ティアは同席することが許されない。よって、ティアはかまど小屋の近くの樹木で、ずっと木登りの鍛錬に励んでいた。
アイ=ファが帰還してきたのは、下りの五の刻に差しかかってからである。
その背に巨大なギバが担がれているのを見て、ユーミは「うひゃー」と声をあげていた。
「すっごい大物だね! そいつをアイ=ファが、たったひとりで仕留めたの?」
「ひとりではない。ブレイブとドゥルムアの力も借りている」
「ブレイブとドゥルムア? ああ、猟犬のことかあ。それにしたって、大したもんだよ!」
アイ=ファは真面目くさった面持ちで、ユーミの顔を見返していた。
「お前はもとの力を取り戻せたようだな、ユーミよ」
「え? ああ、そりゃまあね! いつまでもウジウジしてたら、森辺のお人らに愛想をつかされちゃうでしょ。今日は、いつも通りのあたしを見てもらわないとさ!」
その言葉通り、ユーミはいつものユーミであった。元気で、少々荒っぽくて、何かに挑むようにきらきらと目を輝かせた、魅力的な女の子だ。宴衣装を纏っているためか、その魅力にもいっそうの磨きがかかっているように感じられる。
その姿をじっと見返してから、アイ=ファはきびすを返した。
「では、私はギバの始末をする。フォウの集落に向かうのは、その仕事を終えてからだ」
「それに、アイ=ファも宴衣装を纏わなければなりませんね。またわたしたちが、お手伝いをいたします」
すかさずマトゥアの女衆が声をあげると、アイ=ファはたたらを踏むことになった。
「……お前たちとて、祝宴に招かれているのであろう? 着替えなど、余人の手を借りなくとも果たすことはできるのだぞ」
「それぐらいの時間は、どうということもありません。ご遠慮はなさらないでください」
たしか前回も、彼女たちが宴衣装の着付けを手伝ってくれたのだ。もともと宴衣装というのは、家人同士で手伝い合いながら身に纏っていくものであるらしい。
アイ=ファが溜息をこらえているような面持ちで姿を消すと、マトゥアの女衆は笑顔で俺を振り返ってきた。
「アイ=ファはこの前も、髪をくしけずらずに出ていこうとしていましたからね。わたしたちがぞんぶんにお手伝いしますので、楽しみにしていてください」
「うん、いつもありがとう。家長に代わって、お礼を言わせていただくよ」
俺たちは使用した食器を洗い清めながら、アイ=ファがギバの始末を終えるのを待った。
ギバの始末を終えたら、お召し換えの時間である。俺には為すべき仕事も残されていなかったので、その間はユーミたちのお相手をすることになった。
「アイ=ファは、ほんと綺麗だもんねー。宴衣装を身につけてると、狩人だってことが信じられなくなっちゃうよ」
「うん。だけど、本人に言うと嫌がるから、ほどほどにね」
俺たちはかまど小屋の横手にたたずんで、アイ=ファの着替えが終わるのを待っていた。目の前の木のてっぺんがガサガサと揺れているのは、そこでティアが何かの修練に励んでいるためである。
「森辺の女衆は美人ぞろいだけど、アイ=ファは何ていうか、別格だよね! ヴィナ=ルウとかレイナ=ルウとかもすごく綺麗だし色っぽいけど、アイ=ファは……綺麗で色っぽい上に、格好いいんだよなー」
そんな風に言ってから、ユーミはふっと息をついた。
「でも、まさかジョウ=ランの想い人ってのがアイ=ファだったとはね。さすがにそれは、想像してなかったよ」
これまで秘密にされていたその一件も、先日ついに打ち明けられることになったのである。
その話はフォウの血族どころかリッドやディンにまで周知されていたので、いずれ嫁に迎えるかもしれないユーミに隠しておくのは不義理である、という話に至ってしまったのだ。
「それで、もともとジョウ=ランに見合わされてたのは、ユン=スドラだったんでしょ? ユン=スドラだってあんなに可愛いのに、ジョウ=ランって変わってるよねー」
「うん、確かにね。……でも、ユーミがアイ=ファやユン=スドラたちと気まずくならなくてよかったよ」
「どうしてあたしが、みんなと気まずくならなきゃいけないのさ? あたしはお相手の名前を知らなかっただけで、その一件については最初っから聞かされてたんだよ?」
ユーミはけらけらと笑ってから、ふいに真面目そうな表情をこしらえた。
「ただ、ちょっと不安にはなっちゃうかな。もともとアイ=ファを好きだったやつが、あたしなんかを好きになるのかなあ?」
「そんなのは、誰にもわからないと思うよ。恋愛感情っていうのは、理屈じゃないんだろうからね」
「ん、まあ、そうかもね。あたしだって、自分の気持ちにはまったく説明がつけられないもん」
そう言って、ユーミはわずかに頬を赤らめた。
「ただ……この前のジョウ=ランは、年下のくせに、すごく頼もしく思えちゃったよ」
「あはは。それは、本人に言ってあげるべきだね」
「わかってるよ! だからいま、こうやって練習してるんじゃん!」
俺なんかが練習台になるならば、光栄な限りであった。
ずっと静かにしていたテリア=マスは、はにかむように笑っている。
「今日も交流が深まるといいですね。わたしのことは気にせずに、ジョウ=ランやその家族とたくさん言葉を交わしてください」
「そんなこと言わないで、テリア=マスも力を貸してよ! ひとりにされたら、緊張しちゃうじゃん!」
「ええ、そういうことなら、喜んでお供します。でも、ジョウ=ランとふたりきりになりたいときは、何か合図でもくださいね」
テリア=マスが笑顔でそのように答えたとき、母屋のほうから賑やかな気配が伝わってきた。
そちらに足を向けてみると、仕事を終えた女衆らがはしゃいだ声をあげている。その中心に、宴衣装のアイ=ファが立ちはだかっていた。
つい数日前にも見たばかりであるのに、やっぱり胸が高鳴ってしまう。いくぶん赤みを帯びてきた日の下で、アイ=ファはこれ以上もなく優美であった。
「うわー、やっぱ綺麗だなあ! ますます自信がなくなってきちゃった!」
はしゃぎきった声をあげるユーミに、アイ=ファは険しく眉を寄せている。
「何を言っているのだ、お前は。そちらも準備はできているのであろうな?」
「うん。こっちはいつでもばっちりだよ」
俺がそのように答えると、うっとりとした眼差しでアイ=ファを見つめていたマトゥアの女衆が振り返ってきた。
「それでは、わたしたちも家に戻ります。また、フォウの集落で」
「あ、ごめん、北に向かう荷車のほうに、ユーミたちを乗せてもらえるかな? こっちはティアがいるんで、同乗させることができないんだ」
「ああ、そうなのですね。では、こちらにどうぞ」
本日、ファの家より北側から出向いてきていたのは、トゥール=ディンとリッドの女衆、ミームの女衆、それにリリ=ラヴィッツとマルフィラ=ナハムの5名であった。これらの人々も過半数は招待客であるものの、いったんは自分の家に戻って、未婚の女衆は宴衣装に着替えなければならないのだ。
「それじゃあ、また後でねー!」
元気いっぱいの声を残して、ユーミたちを乗せた荷車は駆け去っていった。
その場に取り残された俺は、あらためてアイ=ファを振り返る。
「……あんまり褒めそやすと、気を悪くさせるか?」
「うむ。そもそも先日の祝宴から数日しか空いていないのだから、ことさら褒めそやす必要はあるまい」
「そんなことはないさ。どれだけ褒めたって褒め足りないぐらいだ」
アイ=ファがずいっと、赤くなった顔を近づけてくる。
「褒めそやすな、と言っているのだ」
「うん、ごめん。でも、すごく綺麗だよ」
言うと同時に、足を蹴られた。
しかしまあ、覚悟の上での発言であったので、悔いはない。余人のいない場でアイ=ファに本心を打ち明けられるチャンスは、そう多くないのだ。
「おう、いてて……それじゃあ、ティアを呼んで出発するか」
「とっとと呼んでこい! 私はブレイブらを連れてくる!」
アイ=ファはぷりぷりと怒りながら、玄関の中に入っていく。
俺はささやかな幸福感を噛みしめながら、ティアが修練を積んでいる樹の下に向かった。