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異世界料理道  作者: EDA
第三十四章 三つの縁
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大神の見えざる手⑦~来訪~

2018.4/29 更新分 1/1

・明日は2話同時更新ですので、読み飛ばしのないようにご注意ください。

 翌日も、ファの家の再建作業は粛々と進められていった。

 いまのところ、進捗状況は順調であるらしい。これならば、3日目の日暮れまでには完成するであろうというお言葉をいただくことができていた。


 その間、俺たちは屋台の仕事である。今日から3日間は無料で料理を配ることに決定されたので、それまでは仕事に邁進する所存であった。

《キミュスの尻尾亭》では、レビが懸命に自分の仕事を果たしている。修繕の作業や宿の仕事をこなすかたわらで、いっそう不自由な身になってしまった親父さんの面倒を見ているのだ。足とあばらを骨折してしまった親父さんは、いまだにひとりでは歩くこともままならない状態にあるのだった。


「むしろ、あいつが元気になった後のほうが心配だよ。あいつがミラノ=マスの恩義を踏みにじるような真似をしたら、俺は誰にも顔向けできなくなっちまうからな」


 レビはそのように言っていたが、俺はそれほど心配していなかった。レビの親父さんというのは、小柄で、痩せていて、ずいぶん温厚そうな面立ちをした男性であったのである。仮に元気を取り戻したとしても、レビやミラノ=マスが腕っ節で負けることは絶対にありえないだろう。


「見た目でごまかされるなよな。あいつは手癖の悪い小悪党なんだからよ」


 そのようにぼやきながら、レビはその日も《キミュスの尻尾亭》の仕事に取り組んでいた。テリア=マスもきわめて幸福そうな様子であったので、万事順調であるのだろう。


 いっぽうユーミは、毎日元気に屋台を訪れてくれていた。《西風亭》の修繕作業も一段落したようで、現在は友人たちの家で修繕の仕事を手伝っているらしい。ベンやカーゴたちも似たような状況であり、それが済むまではのんびり遊ぶこともできないようであった。


「ま、こういうときは持ちつ持たれつさ。仲間をほったらかしにして遊んだって、楽しかないからね」


「…………」


「何だよ。何か言いたいことでもあるわけ?」


「いや、ユーミのそういう気性が、森辺の民に好かれるんだろうなって思っただけさ」


 もちろん俺は、顔を赤くしたユーミに背中をひっぱたかれることになった。

 ともあれ、森辺においても宿場町においても、少しずつ《アムスホルンの寝返り》の被害から立ち直っていっている気配が感じられた。


 数日後にはまた肉の市に参加する予定であるし、そのための準備も着々と進められている。伝え聞いたところによると、ダイとサウティのほうでも作業は順調なようだった。ひまを見つけてはツヴァイ=ルティムがダイの家まで出向き、計算や読み書きの手ほどきをしてあげているのだそうだ。


 最終的には、ツヴァイ=ルティムがひとりで受け持っている帳簿の作製についても、複数の人間がこなせるようにならなければならないだろう。肉を箱詰めにする仕事や、それを市場で売る仕事よりも、そちらの仕事のほうがより難易度は高いはずだった。


 また、ベイムの家はギバ・ベーコンと腸詰肉の正しい作り方を学んでいる最中であったが、こちらでは若干の軌道修正が行われた。

 城下町でもギバの生鮮肉を扱えるようになったので、今後は腸詰肉のみを購入していきたいという旨が届けられたのだ。


 まあ確かに、俺たちは城下町の料理人であったミケルの手ほどきで燻製の技術を身につけたので、生鮮肉さえあれば、城下町でもギバ・ベーコンを作製することは可能であるはずだった。もとよりこの商売は、城下町における生鮮肉の販売が規制されていたからこそ始められたものであったので、この時期にそれが終息するのも理にかなった話であった。


 その反面、ギバの腸というのは商品化されていないので、腸詰肉というのは希少な食材となる。よって、今後はギバ・ベーコンの買いつけをやめる代わりに、より多くの腸詰肉を準備してほしいという話であったのだった。


「むろん、カロンの腸を使ってギバの腸詰肉を作ることは可能です。しかし、カロンの腸とギバの肉を同時に仕入れて、肉を刻み、燻製に仕上げるというのはなかなかの手間でありますので、それならば、いささか割高の銅貨を支払ってでも、森辺の民から買いつける甲斐はある、と考えたのでしょう」


 そのように説明してくれたのは、ダレイム伯爵家の料理長ヤンであった。毎日のように宿場町に下りている彼が、城下町側の代弁者としての役割を果たすことになったのだ。


 そういったわけで、ベイムの家は腸詰肉の作り方だけを徹底して学ぶことになった。

 ただけっきょくは、家で食する家人のために、ギバ・ベーコンと干し肉の作り方も同時進行で学んでいるらしい。通常の干し肉であっても、ミケルの作法に従ったほうがより美味に仕上げられるのだから、それも当然の話であった。


 あとは――ほとんど余談になるが、地震のせいでガタが出てしまった荷車に関しては、修理の予約待ちをすることになった。こちらが危惧していた通り、宿場町の組立屋は相次ぐ仕事の依頼によって、大わらわの状態にあったのである。


「ここまで仕事が立て込むのは、俺がこの店を継いでから始めてのことかもしれねえや。いいかげんに、うんざりしちまうな」


 そのようにぼやきながら、組立屋のご主人は熱意に燃えさかっているように見えた。だだっぴろい工房の中はあちこちから持ち込まれた荷車や屋台や棚などで埋め尽くされてしまっており、鉄火場のような騒ぎであった。


「修理を依頼したいなら、10日ぐらいは見ておいてくれ。それまでは、ここに荷車を持ち込むんじゃねえぞ? 見ての通り、そんなもんを預かる隙間はもう残ってねえんだからな」


「はい。それじゃあ10日後に、もう一度お話をうかがいに来ます」


 俺がそのように答えると、ノコギリを引いていたご主人はふっとこちらに向きなおってきた。


「後回しにしちまって、すまねえな。2台も3台も荷車が壊れちまったんなら、お前さんがたも不自由だろ?」


「いえ、荷車の数にはゆとりがあるので、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」


 荷車は月にいっぺん車輪や車軸の点検をしなければならないので、このご主人ともすっかり顔なじみであった。見た目は厳ついが、なかなか気のいいご主人なのである。


「修理の順番が回ってきたら、きっちり見させてもらうからよ。それまでは、いくら不自由でも無理に使ったりするんじゃねえぞ?」


「はい。そのときが来たら、どうぞよろしくお願いします」


 荷車に関しては、そんな感じに話はまとまっていた。

 それが3日前の話であるので、7日後ぐらいにまた来訪させていただく所存である。


 そんな具合に、日々は平穏に過ぎていっていた。

 屋台のほうも、毎日変わらず盛況であった。たまたまこの時期にジェノスを訪れた行商人などは、棚からぼた餅という心情であったことだろう。その中で、ごくわずかな人々だけは、有料でもいいのでもっと色々な料理を食べたいと願っているような節があった。


 それでも屋台を開けば、復活祭のときのような勢いで、人々が殺到する。見知った顔や、見知らぬ顔や、元気そうな人や、包帯姿の人や――西や東や南の民の区別もなく、怒涛の勢いで押し寄せてくるのだ。


 噂によると、他の料理の無料配布を受け持った人々は、俺たちと時間をずらして屋台を開いているらしい。大半の人間は俺たちの屋台に向かってしまうので、同時に屋台を開くのは時間の無駄になってしまうのだそうだ。それもあって、俺たちの屋台はいっそう慌ただしい状態に陥っているようだった。


「こんな騒ぎが、あと2日も続くのね。いいかげんに、くたびれてきてしまったわ」


 そんな風にぼやいたのは、俺の屋台の手伝いをしてくれていたヤミル=レイであった。


「そうですか? 普段より一刻も早く仕事が終わる分、楽に感じられる面もあるように思うのですけれども」


「だって、ひたすら肉を焼くか、それをお客に手渡すか、あるいは皿を洗い続けるかでしょう? 銅貨をもらうという手間がない分、余計に慌ただしく感じられてしまうのよ」


 確かにまあ、流れ作業の度合いが高まったことは事実であるかもしれない。それに、こちらとしても複数の種類の料理を売ったほうが、やりがいや楽しさというものが加算されるのかもしれなかった。


「まあ、あと2日の辛抱ですよ。そうしたら、休業日を1日はさんで、また通常営業です」


《ミャームー焼き》の新しい具材を鉄板に広げながら、俺はそのように答えてみせた。


「でも、確かにヤミル=レイはちょっとお疲れのようですね。レイの家でも、家の建てなおしが大変なのですか?」


「苦労をしているのは、男衆だけよ。……でも、みんなが朝早く起きてくるものだから、やかましくてたまらないわね」


「やかましいのは、ラウ=レイですか?」


「……わかっているのなら、口に出す必要はないでしょう?」


 ヤミル=レイが、横目で俺をねめつけてくる。

 その目が、さらに鋭く細められた。


「あら、また城下町の車が来たようね」


 今日は朝からヤンを迎えていたので、これが2度目の来訪であった。

 何気なくそちらを振り返った俺は、思わず息を呑んでしまう。そのトトス車の側面に掲げられていたのは、トゥラン伯爵家の紋章であったのだ。


 トトス車の左右には、トトスにまたがった武官の姿もうかがえる。町の入り口でトトス車が停車すると、武官のひとりがトトスの手綱を仲間に託して、こちらに近づいてきた。


「失礼いたします。ファの家のアスタ殿、主人が面会を求めているのですが、ご足労を願えますでしょうか?」


「主人というのは……トゥラン伯爵家のご当主ですか?」


「はい。リフレイア姫です」


 俺は焼きあがった具材を鉄板の端に寄せながら、「わかりました」と応じてみせた。

 とたんに、ヤミル=レイが鋭い視線を突きつけてくる。


「アスタ、あなたはいちおう、まだひとりでは行動するべきではないと申しつけられているのでしょう? 貴族と面会するならば、ルウ家の誰かを連れていくべきじゃないかしら?」


 俺はもう身も心も森辺の民のつもりであるが、ジェノスを訪れる旅人にどう思われているかはわからない。そして、それが無法者であればおかしなちょっかいをかけてくることもありうるので、単独行動は控えるべしと申しつけられたままであったのだ。


「ええ、そうですね。……族長筋であるルウ家の誰かに同行を願おうと思うのですが、それは許していただけますか?」


「はい、かまいません」


 俺は、隣の屋台を振り返った。

 ルウ家の今日の当番は、ヴィナ=ルウとレイナ=ルウである。

 俺が事情を説明すると、ヴィナ=ルウがゆったりとした仕草で栗色の髪をかきあげた。


「屋台の商売と関係のない話なら、長姉のわたしが出向くべきでしょうねぇ……レイナ、ちょっと行ってくるわぁ……」


 青空食堂からそれぞれ屋台の補助役を呼びだして、俺とヴィナ=ルウはトトス車のほうに足を向けた。

 それを先導していた武官は、扉の前で直立をして、内部に呼びかける。


「ファの家のアスタ殿、およびルウの家のヴィナ=ルウ殿をお連れしました」


「どうぞ」という若い男の声が聞こえてくる。

 これはきっと、サンジュラの声である。

 武官は扉を細く開けると、俺たちに向かって目配せをしてきた。

 その視線にうながされるようにして、俺とヴィナ=ルウはトトス車の中に足を踏み入れる。


 そこに待ち受けていたのは、リフレイアとサンジュラと――そして、数ヶ月ぶりに見る、侍女のシフォン=チェルだった。

 そのリフレイアの姿に、俺はまた息を呑んでしまう。

 いつも白を基調としたドレスを着ているリフレイアが、本日は黒ずくめであったのだ。


「仕事の最中にごめんなさい、アスタ。それに、ルウ家のご息女も。……そんなにお時間は取らせないと、最初に約束させていただくわ」


 リフレイアの声や口調は、普段通りのものであった。

 ただ、表情はわからない。彼女はその面を、黒いヴェールで隠していたのだ。


 どうやらこの世界でも、喪に服す際は黒い装束を纏う習わしであるらしい。リフレイアのかたわらに控えたシフォン=チェルも、同じような黒装束を纏っていた。

 その反対側に控えたサンジュラは相変わらず旅用の外套姿であったが、その合わせ目からは、胸もとに黒い帯をななめに掛けているのが覗いている。


「宿場町でも、布告は回されているのよね? 昨日の朝、ついにわたしの父様が魂を返してしまったの」


「ええ、はい……そのようにうかがっています」


「……これは別に公式の会見ではないし、わたしたちの他には誰の目もないわよ?」


 だから、丁寧な口調でなくともよい、ということなのだろう。

 表情の見えないリフレイアと相対しながら、俺はえもいわれぬ感情にとらわれることになった。


「牢獄の壁が崩れて、眠っていた父様の上に落ちたのだという話だったわ。他の牢獄でも同じようなことが起きたようだけれど、魂を返したのは父様だけ。……父様は病魔で弱り果てていたから、それに耐える力が残されていなかったのでしょうね」


「……うん」


「でもきっと、父様はもともと何年も生きられない身体であったはずよ。ジェノス侯の温情で、薬だけは与えられていたけれど……あれだけ病魔に蝕まれていたら、もう助かりっこないもの。それは、アスタにもわかっていたはずよね? わたしと一緒に、父様の弱り果てた姿を見ていたのだから」


 俺はやっぱり、「うん」とうなずくことしかできなかった。

 立派な座席に座したリフレイアは、真っ直ぐに背筋をのばしたまま、淡々と言葉を連ねていく。


「それに、父様は終身の禁固刑を言い渡されていたのだから、あの場所で魂を返すしかなかったの。あれだけの大罪を犯していれば、恩赦を与えられることもなかっただろうし……それなら、父様にとってはいつ魂を返しても同じことであったでしょう。むしろ、苦しむ時間が短くなっただけ、と考えることだってできるはずだわ」


「…………」


「だから、というわけではないけれど……わたしは決して、あなたたちを恨んだりはしていない。それだけは、どうしても伝えておきたかったの」


 リフレイアは、静かな声音でそう言った。


「父様が大罪人であったことは確かなのだから、その罪を暴いたあなたたちを恨んだりはしないわ。こうして父様が魂を返しても、わたしのその思いに変わりはない。あなたたちに筋違いの恨みをぶつけたりはしないから……わたしのことを、信用してもらえる?」


「あなたはその思いを伝えるために、こうしてアスタを呼びつけたのかしらぁ……?」


 ヴィナ=ルウもまた静かな声で、そのように反問した。

 リフレイアは、「そうよ」と応じる。


「先日の祝宴ではあなたたちと多少なりとも絆を深めることがかなったのだから、それを台無しにしたくなかったの。わたしはこれからも、トゥラン伯爵家の当主として正しく生きていくと誓うわ。……その言葉を、どうかあなたたちにも信じてほしい」


「信じるよ」と、俺は答えてみせた。

 俺は、監査官たちの前で頭を下げ、みずから森辺の集落にまで足を運んできたリフレイアを、信じると決めたのだ。いまだその表情は見えなくとも、リフレイアの言葉を疑う理由はなかった。


 サンジュラとシフォン=チェルは、無表情に俺のことを見つめている。

 ただその顔からも、冷たいものは感じられない。むしろ、己の感情を律しようとしている気配がまざまざと感じられた。


「ありがとう、アスタ。わたしのように不出来な人間の言葉を信じてくれて、とても嬉しく思っているわ。族長たちにも、わたしの言葉を伝えていただけるかしら? ええと……あなたは、ヴィナ=ルウだったわよね」


「ええ、伝えさせていただくわぁ……でも、あなたはもともとアスタだけを呼びつけていたのよねぇ……? 何か込み入った話があるのなら、わたしは外で控えていましょうか……?」


「それには及ばないわ。誰に聞かれても、かまいはしないもの」


 そう言って、リフレイアがゆらりと立ち上がった。

 その白い指先が、黒いヴェールをそっと持ち上げていく。

 その下から現れたのは――やはり、すべての感情を抑制した、無表情な面であった。


「ねえ、アスタ……わたしはこんなことが起きる前から、こっそりと考えていたことがあったの。それはこのサンジュラとシフォン=チェルにしか打ち明けていなかった話なのだけれど……あなたにも聞いてもらえるかしら?」


「うん、もちろん」


「ありがとう。……実はわたしは、あなたにもう一度だけ料理を作ってもらおうと考えていたのよ。あの、ひとつまみの塩だけを使った、ギバの汁物料理をね」


 俺はその意味を理解しきる前から、激しい衝撃を受けることになった。

 リフレイアは、静かに言葉を紡いでいく。


「美味なる料理を口にすることにしか幸福を感じられなかった父様にとって、牢獄の暮らしというのは何よりも辛いものであったことでしょう。でも、父様はそれだけの罪を犯していたのだから、それだけの苦しみを背負うことになったのだわ。だから、それはしかたのないことだけれど……魂を返す前に、もう一度だけアスタの料理を口にしてほしかったの」


「…………」


「父様の容態が悪くなって、いよいよ魂を返す日が近づいてきたら、わたしはその話をジェノス侯に伝えるつもりでいたわ。許されざる大罪人である父様に、最後にひとつだけ恩赦を与えてくれないか、とね。でも、そうすることはできなかった。……父様は、食事をする力を取り戻せないまま、あっけなく魂を返してしまったのよ」


 表情のないリフレイアの瞳から、ふいに透明の涙があふれだした。

 白いなめらかな頬を伝って、そのしずくが敷物の上に落ちる。


「だけど父様は、魂を返すその直前に、一度だけ目を開いて、こう言ったわ……あのギバの料理が、最後にわたしと父様の心を繋いでくれた……あなたに、とても感謝している、と……」


 リフレイアの身体が、力なくよろめいた。

 その小さな身体を、シフォン=チェルがそっと抱きとめる。

 リフレイアの涙は、シフォン=チェルの胸もとに吸い込まれていった。


「だからわたしも、あなたには感謝しているわ……わたしは父様が望んだように、正しく生きてみせる……トゥラン伯爵家の呪われた血筋を、正しい血筋に変えてみせる……わたしは……」


 あとは、言葉にならなかった。

 シフォン=チェルの装束をぎゅっと握って、その胸もとに顔をうずめてしまう。背の高いシフォン=チェルは敷物に膝をつき、リフレイアの小さな頭をそっと抱き寄せた。


「私、リフレイア、支えてみせます」


 サンジュラが、穏やかな声でそう言った。

 そのリフレイアと同じ色をした瞳からも、一筋の涙がこぼれていた。

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