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異世界料理道  作者: EDA
第十五章 巡りゆく日々
263/1675

黒の月の十九日②~トゥランのマイム~

2015.11/18 更新分 1/1

「よお、今日も盛況だな」


 ロイが姿を現したのは、もうじき太陽が中天に差しかかろうかという頃合いであった。

 ローテーションで『ギバまん』の屋台に移っていた俺は「いらっしゃいませ」と笑顔を返す。


 城下町の若き料理人ロイも、すっかり我が店の常連客になってくれていたのだ。

 どうやら彼はトゥラン伯爵邸での仕事を失った後、もといた店には戻らずに、自宅で料理の勉強に励んでいるらしい。トゥラン邸では十分な給金をもらっていたので、1年やそこらは働かずに済むぐらいの蓄えがあるとのことであった。


 宿場町の荒くれ者の目を避けてか、いつも旅人のようなフードつきマントを着込んだロイが、その内側から赤茶けた銅貨を差し出してくる。


「ひとつ頼む。この料理は赤銅貨2枚だったよな?」


「はい。毎度ありがとうございます。熱いので、食べるときは火傷しないようにお気をつけくださいね」


「わかってるよ。もう数えきれないぐらい食べてるんだからよ」


 そばかすの目立つ顔に怒ったような表情を浮かべつつ、ロイは『ギバまん』を受け取った。


『ギバ・バーガー』などに比べれば3分の2ていどの肉しか使っていないとはいえ、肉まんとしてはボリュームたっぷりである。

 真っ白い生地から湯気があがっており、こちらまで食欲をそそられてしまう。


 ちなみにこの生地には、ポイタンではなくフワノを使用している。

 水を加えるだけでは固形化しないポイタンでは、生の生地を作ることは不可能なのだ。

 それに、ギーゴを加えずとももっちりとした食感の得られるフワノのほうが、この料理には合っている。


 その『ギバまん』にかじりつきながら、ロイは低く「うん」とつぶやいた。

 いつもと同じ味わいで出来栄えに文句はない、という意であろう。


 その間もお客さんは途切れなかったので、俺は次々と商品を手渡していく。

 やがて上段の蒸籠の中身が尽きたので、トゥール=ディンの準備してくれた新たな蒸籠を下段にセットし、空になった分を補充するために荷車へと向かう。

 すると、『ギバまん』をかじりながらロイがてくてくとついてきた。


「おい、本当に盛況だな」


「はい、ありがたいことです」


「まあこの味で赤銅貨2枚だったら、売れないほうがおかしいからな。宿場町の貧乏人にだって文句はないだろうさ」


「あの、宿場町のど真ん中でそのような発言は控えたほうがいいと思うのですが」


「だからお前にしか聞こえないように言ってるんだろ」


 相変わらず口の悪いロイであった。

 まあ、俺が親しくさせてもらっている人々に面と向かってこのような暴言を吐かない限りは許容するべきなのだろうな、と思う。

 ただ、俺はこの口の悪い若者にもそれなりの好感を抱いていたので、いささかならず歯がゆいところではあった。


「なあ、お前の店はどれぐらいの数の料理をさばいてるんだっけ?」


 蒸籠に『ギバまん』を補充していると、ロイがなおも語りかけてきた。


「えーっとですね、いまロイが食べている『ギバまん』が1日に100個、もう片方の『ギバ肉のポイタン巻き』が120個、特別献立の『ギバ・カツサンド』が30個です。……ちなみにルウ家の屋台のほうでは、それぞれの料理が80個ずつ売れていますね」


 それが1日に3時間ていどの営業時間できっちり売りさばくことのできる量であった。

 合計で150食分の料理を用意しつつ、5時間かけても何食分かは売れ残っていた時代を思えば、飛躍的に売り上げはのびている。


 何より嬉しかったのは、西の民のお客さんが増えたことだ。

 これまでは全体の2割ていどであったのに、今では4割ぐらいの比率になっているだろう。それで来客数ののび率まで考えたら、少なくとも5倍ぐらいの人数が店に来てくれていることになる。

 それは森辺の民やギバに対する差別感情が薄れてきているという何よりの証左であった。


「でも、値段は赤銅貨2枚とか3枚なんだよな。それじゃあ大した稼ぎにはならねえだろう?」


「そんなことはありませんよ。俺たちには十分すぎる報酬です。……それにですね、森辺の民には今のところ租税というものが存在しないのですよ」


「はあ? 何でだよ? お前らだってジェノスの住人だろ?」


「はい。ですが、これまでの狩人としての仕事だけでは租税を支払えるような稼ぎは得られなかったのですよ。田畑を耕したり森の恵みを収穫したりという行為を禁じられた代わりに、租税を免除されていたそうです。森辺の民たちは、そもそも租税とは何かという知識すら持ってはいなかったみたいですよ」


「はん! そんなんだから、森辺の民は――」


 そこでロイは、言葉を呑みこんだ。

 そんなんだから、蛮族と呼ばれているんだ――とでも言うつもりであったのだろうか。気まずそうに口をつぐみ、そっぽを向いてしまっている。


 そこで気まずいと思える気性なら、きっと宿場町の人々に対してだって実際に面識を得れば「貧乏人」などとは口にしなくなると思う。

 だから俺は、この口の悪い若者をあまり嫌いになれないのだった。


「ま、何がどうでもかまわないけどよ。……そういえば、宿場町ではダレイム伯爵家の料理長も店を開いてるって話だったよな。そっちのほうはどんな調子なんだ?」


「ヤンの店ですか。そうですね、最近は屋台ばかりじゃなく宿屋のほうを主軸にして、色々な料理をお披露目しているそうです。あちらはもう城下町からあふれた食材を宿場町に流通させる、というのが一番の目的であるわけですから」


「ふうん……あそこの料理長もそこそこ評判はよかったんだけどな。ずいぶん愉快な騒ぎに巻き込まれちまったもんだ」


「当人はやりがいのある仕事だと思っているようですよ。まあそれ以上に雇い主のほうが熱を入れているようですが」


 笑いながら蒸籠を抱え、俺は屋台へと帰還した。

 すると、これまた見慣れた人物が俺を待ち受けてくれていた。

 背後でロイがハッと息を呑む気配がする。


 痩せてはいるが骨格のしっかりとした、樫の木に彫られた彫像のように厳つい顔立ちの初老の男――それは、かつての城下町の料理人にして現在は炭焼き小屋の労働者たる、トゥランのミケルであった。


「いらっしゃいませ。毎度ありがとうございます」


 そのように呼びかけつつ、俺はロイのほうを振り返る。

 ロイは、愕然とした面持ちで立ちすくんでしまっていた。

 このふたりは、おそらくかつては同じ店で厨を預かっていた身なのである。


「ああ、ようやく姿を現したか。……今日はお前に用事があったんだ」


 何だかいつも以上に不機嫌そうな面持ちでミケルはそう言った。

 その背後から、褐色の髪をした小さな頭がちょこんと覗いている。


 これは誰だろうと思っていると、やがてその頭の主がおずおずとミケルの背後から進み出てきた。


「は、はじめまして! わたしはミケルの娘で、マイムと申します!」


 俺は思わず言葉を失ってしまった。

 ミケルに家族がいるという話は聞いていたのだが、それがこのように小さな娘さんだとは思っていなかったのだ。


 ミケルはどう見ても50前後であるのに、この娘さんはトゥール=ディンと同じぐらい、せいぜい10歳ぐらいにしか見えない。

 褐色の長い髪を三つ編みにして胸もとに垂らした、実に可愛らしい女の子だ。肌の色は黄褐色で、茶色い瞳が明るく輝いている。


 その身に纏っているのは宿場町でもよく見るワンピースのような装束で、その上から刺繍の入ったベストを羽織り、持ち手つきの大きな草籠をほっそりとした手に下げている。


「お会いできて光栄です、ファの家のアスタ! あの……ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いいたします!」


「はい? えーと……はじめまして。どうぞよろしくです」


 何をよろしくすればいいかもわからないまま、俺も頭を下げてみせる。

 そうすると、マイムという娘さんは面を上気させつつ嬉しそうに微笑んだ。

 何というか、リミ=ルウやターラにも通ずる、無邪気で人なつっこい魅力的な笑顔であった。


「わたし、父さんにアスタの料理を食べさせてもらって以来、ずっとお会いしたいと思っていたんです! 今日ようやくその願いがかなうことになりました!」


「それはどうも」と応じながら視線を転じると、父親のほうは厳つい顔に苦りきった表情を浮かべてしまっている。


 灰の月になって商売を再開させて以来、ミケルは2名分の料理を買って、それをトゥランに持ち帰るようになっていたのだ。

 それはそれでいっこうにかまわないのだが、この父娘の表情の落差はいったい何なのだろう。


「えーと、ちょっとお待ちくださいね?」


 とりあえず俺は蒸籠を屋台に置き、心配そうな顔をしているトゥール=ディンにうなずきかけてから、あらためてミケルたちの前に立った。


「それで、俺に用事とはいったい何なのでしょう?」


「用事があるのは俺じゃない。この馬鹿娘のほうだ」


「ひどいなあ。人前で娘を馬鹿呼ばわりしないでよ」


 なかなか気の強そうな一面を垣間見せつつ、マイムは俺に向きなおってきた。

 で、その手に携えていた大きな籠を、俺のほうに差し出してくる。


「あの、実は、わたしもアスタの料理に感銘を受けて、色々な料理に挑戦してみている最中なのですけど……よかったら、それを味見していただけませんか?」


「料理の味見? どうして俺が?」


「わたし、アスタの作る不思議な料理にとても感動してしまったんです。この料理の味付けに関してはその影響がとても大きいので、アスタに味見をお願いしたいのです」


 わかるようなわからないような言い分である。

 ともあれ、かつては城下町でも指折りの料理人であったというミケルの娘さんなのだから、その腕前には興味をひかれてしまった。

 ミケルの顔色をうかがいつつ、俺はマイムから籠を受け取る。


 草で編まれた、大きな籠である。

 鞄のように持ち手がついていて、中には蓋つきの陶磁の器が収まっている。

 それを覗き込んだだけで、ほのかな熱気が鼻先に漂ってきた。


「えーと……それじゃあここだとお客さんの目がありますので、あちらのほうでよろしいでしょうかね」


 俺は再び荷車のほうに戻ることにした。

 ミケルとマイムと、それにロイも追従してきたが、まだミケルはロイが何者であるかを察していないらしい。ロイのほうも、少し思いつめた目つきでミケルの様子をうかがいつつ、口を開こうとはしなかった。


「あの、中に木匙も入っていますので!」


「うん、ありがとう」


 火傷するほどの熱さでないことを確認してから、俺は陶磁の皿を荷台の上に移動させた。

 そうしてその蓋を開けてみると――なんとも芳しい香りがあふれてくる。


 それはどうやら、キミュスの足肉の煮付けであるようだった。

 骨を外していないキミュスの足が、赤いスープで煮込まれている。

 この甘い香りは、きっと果実酒をベースにしているのだろう。というか、他に具材も見当たらない。これはもう『キミュスの足肉の果実酒煮込み』と称してもいいような料理であるようだった。


 蓋も器も分厚いせいか、トゥランからはるばる持ち運んできたわりには、まだけっこうな温かさを残しているようだ。いくぶんとろみのついたスープに半ば浸された足肉が、実に美味そうである。


「アスタが料理に果実酒の甘みを活かしているのだと父さんに聞いて、わたしも色々と試してみたんです。どうぞお召し上がりください」


 緊張と興奮に頬を火照らせつつ、マイムはそのように述べてくる。

 年頃や髪をおさげにしているところなんかはトゥール=ディンと似通っているのだが、気性のほうはけっこう正反対であるのかもしれない。


 俺は草籠に入っていた木匙を取りあげて、料理に向かい合った。

 そして気づく。切り分けられていない肉を木匙でどのように食すればよいのだろうか、と。


「あ、肉はやわらかくなるまで煮込んでいるので、木匙でも問題なく食べられると思います」


「そっか。ありがとう」


 木匙を足肉におしあててみると、確かに問題なく肉は骨から剥がれ落ちた。

 肉は象牙色に染まっており、骨は白くつやつやと輝いている。


 実にシンプルな外見であるが、香りからして味には期待できそうだ。

 そのように考えながら、俺は果実酒のスープにひたした肉を口に運び――


 そして、慄然とした。

 予想を遥かに上回る旨みが、口の中で爆発したのである。


 このまろやかな甘みは、確かに果実酒のそれである。

 しかし、そればかりではない。きっとさまざまな野菜をすりおろして加えているのだろう。アリアと、タラパと、ネェノンと――それ以外に、もしかしたらチャッチやプラなどもほんの少しだけ加えられているかもしれない。その配合と、そして塩加減が抜群であった。


 その抜群にして絶妙なるスープが、キミュスの肉にしっかりしみこんでいる。

 そしてまた、キミュスの出汁がしっかりスープにも溶け込んでいる。

 肉ばかりでなく骨ごと煮込んでいるのが功を奏しているのに違いない。


 皮つきでないキミュスの肉は、ササミのように淡白な味わいである。

 カロンの足肉より安価であるのだから、いまやこのジェノスにおいてはもっとも安価な肉といえるだろう。


 そのキミュスの肉が、とてつもなく美味かった。

 噛む必要がないぐらいやわらかくて、スープと溶け合いながら心地好く咽喉の奥に通りすぎていく。


 何も特別な食材は使われていない。

 俺が多用するピコの葉やミャームーすら使われていない。

 宿場町で簡単に手に入る野菜と肉と塩だけでその料理は構成されており――そうであるにも拘わらず、素晴らしく美味であった。


 俺は内心で戦慄しつつ、ふた口目を口に運ぶ。

 それを入念に味わって、確信する。

 これは、このジェノスで口にしたどの料理よりも美味である、と。


 ネイルやナウディスやミラノ=マスがこしらえた料理よりも――それどころか、ヤンやロイやティマロがこしらえた料理よりも――この料理は遥かに美味であると思えてならなかった。


 では、俺やレイナ=ルウたちに比べればどうか?

 それはさすがに、負けていないと思う。

 俺たちは、自分自身の好みに合わせて美味であると思える料理を数ヵ月にも渡って研究し、現在の味にまで完成させてみせたのだから。


 だけど俺たちは、もともと美味なるギバの肉を食材として使用しているのである。

 同じ条件ということならば、それは《キミュスの尻尾亭》でミラノ=マスに伝授した料理に相当するだろう。

 干しキキのディップを添えた『キミュスのつくね』だ。

 最近では、『キミュスの肉オムレツ』も献立に加えられている。


 それらの料理とこの料理を比較するならば――

 俺には明らかに、こちらの料理のほうが格段に美味である、と思えてしまった。


「すごく――すごく美味しいよ」


 俺はマイムを振り返り、そのように述べてみせた。

 少女は、ぱあっと表情を輝かせる。


 俺はこっそり冷や汗をぬぐいつつ、ミケルのほうに視線を転じた。


「すごいですね。砂糖やタウ油などを使わずにこんなに美味しい料理が作れるだなんて……さすがはミケルの娘さんです」


「俺は関係ない。果実酒を料理に使ったのはお前の案だろうが?」


「だけどそれでも、俺にはここまでの味を練りあげる腕はありません」


「何を言ってるんですか! アスタの作る料理のほうが、わたしなんかより何倍も美味ではないですか!」


「それは俺がギバの肉を使っているからだよ。キミュスの肉でここまで美味しい料理を作ることにはまだ成功できていないからね」


「えー、そんなことはないはずです!」


 マイムは不服そうに言い、可愛らしく頬をふくらませてしまう。

 そのとき、ふいにロイが割り込んできた。


「ミケル、その料理を俺にも食べさせていただけませんか?」


「うん? お前は……」


「以前《白き衣の乙女亭》でお世話になっていたロイです。あのときの俺は見習いの小僧に過ぎなかったので、あなたは覚えていないでしょうね」


 ロイは何やら挑むような目つきをしていた。

 ロイのことを覚えているのかいないのか、ミケルは不機嫌そうに眉をひそめている。


「何にせよ、許しを求める相手を間違えている。俺の知ったことではない」


 ロイは同じ目つきのまま、マイムをにらみつけた。

 マイムは、きょとんと目を丸くしている。


「あなたはアスタのご友人なのですか?」


「俺はこいつの屋台の客だ。以前は城下町の料理屋で働いていた」


「ああ……それで父さんとも同じ店で働いていたことがあったのですか。そんな方にわたしの料理を食べてもらえるなんて光栄です」


 マイムはにっこりと屈託なく微笑んだ。

 ロイは無言で俺の手から木匙をひったくる。


 そうしてマイムの料理を口にすると、ロイは固くまぶたを閉ざし、しばらく押し黙ってからミケルのほうを見た。


「ミケル、これは本当にあなたの娘さんがこしらえたものなんですか?」


「だからさっきから何べんもそう言っているだろうが?」


「そうですか。……だけど、これはあなたの料理の味です」


 そう言い捨てるや、ロイは木匙を皿に置いて、そのままさっさと立ち去ってしまった。

 それと入れ替わりで、すらりとした人影が俺たちのほうに近づいてくる。


「アスタ、お待たせいたしました。交代のお時間です」


「あ、リィ=スドラ、お疲れ様です」


 いつのまにか、太陽は中天に差しかかってしまっていた。

 リィ=スドラはミケルたちのほうにも会釈をしてから、屋台のほうに歩み去っていく。

 きっとモルン=ルティムも到着したのだろう。ルウ家の屋台のほうからは、レイナ=ルウが近づいてきた。


「アスタ、どうかされたのでしょうか?」


「あ、レイナ=ルウ、君もこの料理を――」


 そのように言いかけて、俺ははたと思い至った。

 森辺の民は、家族でない限り食べかけの料理を口にしてはならないのだ。

 無念であったが、残りはすべて俺の腹に収める他ないようだった。


「ごめん、少しだけ待っていてもらえるかな?」


 レイナ=ルウたちに見守られながら、俺は残っていた料理を口に運んだ。

 食べれば食べるほど、その美味しさが舌に焼きつけられていく。


 どうしてこの料理はこれほどまでに美味なのだろう。

 まるで魔法をかけられたかのようだ。

 俺はこれまで森辺やジェノスの人々に与えてきた驚きを、そのまま自分にぶつけられているかのような心境であった。


「本当に、言葉にならないぐらい美味しかったよ。君はすごいね、マイム」


「アスタにそのようなお言葉がいただけるなんて光栄です。勇気を振り絞って宿場町にまでお会いしに来た甲斐がありました」


 マイムは本当に嬉しそうであった。

 そして、その目が俺とレイナ=ルウの姿を見比べる。


「あの……もしかしたら、これから宿屋に料理を作りに向かわれるのでしょうか?」


「うん、そうだよ」


「でしたら……あの、わたしもご一緒させていただくことはできないでしょうか?」


「ええ? どうしてだい?」


「アスタが料理を作るさまをこの目で見てみたいのです。アスタはわたしの――その、憧れの存在なので……」


 言いながら、見る見るその顔が真っ赤に染まっていってしまう。

 他の誰かに言われたのならば光栄の限りであるが、俺としては複雑な心境であった。


「俺なんて、そんな大したものではないんだよ。君のほうがよっぽどすごい腕前じゃないか?」


「何を仰っているのですか? わたしなんて、父さんやアスタの後を追いかけているだけの存在に過ぎません」


 マイムはたぶん、本気でそのように言っているのだろう。

 彼女はまだ、ギバを使った俺の料理しか口にしていないのだ。


「うーん、何にせよ、部外者を厨に入れるわけにはいかないんだよね。宿屋のご主人に迷惑をかけることになってしまうからさ」


「そうですか……」とマイムはうつむいてしまう。

 が、次の瞬間にはまた敢然と俺を見つめてきた。


「それならば、アスタの家で料理を作る姿を見せてはいただけませんか?」


「何を言ってるんだ、お前は。こいつらは森辺の集落に住んでいるんだぞ?」


 仏頂面でミケルが言ったが、マイムの目つきに変化はない。

 そこにきらめいているのは、レイナ=ルウやシーラ=ルウにも負けない情熱の光――ただひたすら料理の道を極めたいと願う至極純粋な向上心の炎であった。


「これも許されないでしょうか? 絶対にアスタのお邪魔をしたりはしません! いったいどのようなわざを使えばあのような味を生み出すことができるのか、わたしはそれを知りたいだけなのです!」


「マイム、ジェノスにはな、みだりに森辺の集落に踏み込んではならじという法があるんだ。お前は料理なんぞのためにジェノスの法をないがしろにするつもりか?」


「いや……それは森辺が危険な場所であるために定められた法であったのだと聞いています。何も悪いたくらみがないのであれば、足を踏み入れること自体は罪にならないはずですよ」


 俺はそのように言ってみせる。


「俺の家でも、東の民を客人として招いたことがありました。家長や族長の許しさえ得られれば、あなたがたを森辺にお招きすることは可能だと思います」


「それじゃあ――」とマイムは瞳を輝かせる。

 それを真っ直ぐに見つめ返しながら、俺は答えた。


「君が望むなら、家長や族長に話を通してみるよ。でもその代わりに、俺の願いも聞き入れてもらえないかな?」


「アスタがわたしに? いったいどのような願いなのでしょう?」


 きょとんと目を丸くするマイムに、俺は笑いかけてみせる。


「同じことだよ。俺にも君の料理を作る姿を見せてほしいんだ、マイム」


               ◇


 そうして俺とレイナ=ルウは、慌ただしく《キミュスの尻尾亭》へと移動することになった。

 歩きながら、レイナ=ルウはぷりぷりと怒ってしまっている。


「そのような話は、とうてい信じられません」


「いや、だけど本当のことなんだよ。あの娘さんは、俺よりも確かな調理の技術を備え持っているみたいなんだ」


「あんなに小さな娘にそのような真似が可能であるわけがないではないですか? アスタはきっと、何か大きな勘違いをしてしまっているのです」


「勘違いというか、実際に料理を食べた上での素直な感想なんだけどなあ」


「……そのようなことがありうるわけはないのです」


 と、レイナ=ルウは可愛らしくそっぽを向いてしまう。


 だけど俺には自分の言葉を取り消すことはできなかった。

 取り消しようもない、それは厳然たる事実であったのだ。


 むろん、そこまではっきりと自分の腕が劣っていると確信しているわけではない。

 が、たとえば同条件で味比べなどをしてしまったら、現段階では敗北を喫してしまう可能性が濃厚である。他の誰が認めなくても、俺自身の舌がそのように感じてしまうだろう。


 思えば、ロイやヤンやティマロたちに自分が負けているなどと感じたことはなかった。

 生まれ育った環境が異なるのだから、俺と彼らでは求める味が違いすぎている。彼らがどんなに優れた料理人で、その手際や発想に感心したり驚かされることはあっても、その料理を心の底から美味であると感じることはできなかったのだ。


 しかし、俺の料理は何故かしら、森辺の民にも宿場町の人々にも城下町の貴族たちにも喜んでもらうことができた。

 ならばきっと、マイムの料理だってみんなの心を動かすことは可能であろう。

 少なくとも、俺は心を動かされることになった。

 だから俺は、あのマイムという少女を見過ごすことができないのだ。


「まあ、ドンダ=ルウやアイ=ファたちに許しをもらえれば彼女を森辺に招くことができるからさ。そうすれば、何もかもがはっきりするんじゃないのかな」


「そうですね。アスタがそこまで仰るのでしたら、わたしもその料理を口にせずにはいられません」


 そうして話に一段落がついたところで、《キミュスの尻尾亭》に到着した。

 他の宿屋に卸す料理はすでに朝方にこしらえたものを届け済みであるので、午後の仕事はこの《キミュスの尻尾亭》に卸す料理の作製のみであった。


「すみません、少々遅れてしまいました」


 扉をくぐると、ミラノ=マスの仏頂面に出迎えられる。


「別に遅いことはない。たとえ遅れたところで、お前さんたちの帰りが遅くなるだけなのだからな」


「ごもっともです。それでは作業に取りかからせていただきますね」


 厨に入ると、朝方に届けておいた食材が台の上に並べられていた。

 気を取りなおしたように、レイナ=ルウは笑顔になっている。


「それでは本日もよろしくお願いいたします。あと何回か手ほどきを受けることができれば、わたしもシーラ=ルウもこの店の料理を作ることができるようになると思いますので」


「うん、頑張ってね」


 ひと月半前に屋台の商売を再開させてから、俺はこの《キミュスの尻尾亭》でも2種類の料理を卸すようになっていた。

 本日作製するのはその内のひとつ、『酢ギバ』である。

 名前から察せられる通り、それは酢豚に該当する料理であった。

 城下町から流通してきたママリアの酢や砂糖などを駆使した料理だ。


 まずはギバのモモ肉を木の棒で叩き、筋切りをしたのち、2センチ角に切り分ける。

 切り分けたら、少量のタウ油と果実酒をまぶし、下味をつけておく。


 その間にアリアとネェノンとプラ、それに『ギバまん』でも使用しているタケノコ代わりのチャムチャムを切り、レテンの油で素揚げにする。

 しかるのちに、今度はモモ肉に薄くフワノ粉をまぶし、揚げ焼きにする。

 どちらも後でまた熱を通すので、旨みを凝縮させるのと食感をよくするための揚げ焼きだ。

 油の過度な摂取を控えるために、揚げる時間はほどほどを心がけている。


 そうして揚げ作業が完了したら、合わせ調味料の作製である。

 タウ油と砂糖を鍋で煮立てて、ママリアの酢と水溶きチャッチ粉を投入し、ダマにならないよう念入りに攪拌しつつ、若干のとろみが出てきたら具材を入れ、熱を通す。


 これにて完成だ。

 お客さんに提供する際はまた温めなおすことになるので、煮汁が煮詰まりすぎない段階で火を止めておく。


「ミラノ=マス、『酢ギバ』の評判はいかがですか?」


 厨の入口に立っていたミラノ=マスに呼びかけると、「まあまあだな」という無愛想な声が返ってきた。


「相変わらずもう片方の料理のほうが売り切れるのは早いが、それでも売れ残りを店の人間が片付ける必要はなくなった。ひと月とちょっとが過ぎて売れ行きはよくなってきたのだから、まあ問題はないのだろうさ」


「そうですか」


 ちなみに1日置きに提供されるもう1種類の料理はロールキャベツを模した『ロールティノ』であり、そちらは初日から大好評であったらしい。

 いっぽうで、『酢ギバ』はようやく完売が見込める商品に育ってきたようだ。


 新たな食材を宿場町に知らしめるにあたって、最初の壁となったのがこのママリアの酢であったのだった。

 酸味といえばシールやアロウや干しキキぐらいしか馴染みのなかった宿場町の民にとって「酢」というのはなかなかに敷居が高かったようなのだ。

 ヤンが料理を卸している宿屋でも野菜の酢漬けやカロンの酢掛け料理などが考案されたようだが、今ひとつ売り上げはふるわないらしい。


 しかしポルアースは、このママリアの酢が宿場町に浸透することを強く願っていた。

 宿場町では着々とポイタンがフワノに取って代わりつつあったので、それがトゥラン伯爵家の財政を早くも圧迫し始めたらしいのである。


「それが当初の目的であったとはいえ、サイクレウスは無事に処断されることになったわけだしね。トゥラン家の立て直しに心血を注いでいるトルスト殿のためにも、このママリアの酢は大いに売れてほしいのだよ」


 このママリアの酢というものは、果実酒とともにトゥランで作られている商品なのだった。

 ポルアースにしてみれば、背中からばっさりとトゥラン家を斬りつけたものの、思いのほか深い傷を負わせてしまったようなのでその容態を心配する羽目になった、というような状況なのかもしれなかった。


「どちらかといえば、キミュスの肉おむれつで使っているあの調味料のほうが評判はいいようにも感じられる。ええと、名前はけちゃっぷだったか?」


「はい。だけどあれはタラパが大元で、ママリアの酢は隠し味ていどにしか使っていないのですよね。どちらかといえば、マヨネーズのほうがママリアの酢を多く使っています」


「何にせよ、お前さんがそこまで貴族どもの行く末を心配する必要はあるまい。あいつらも少しは貧しさの苦しみを思い知ればいいんだ」


 そのように発言しながらも、ミラノ=マスの表情に深刻な色はなかった。

 すべての大罪人が裁かれた現在では、トゥラン伯爵家に対する怒りなども残っていないのだろう。ザッツ=スンが裁かれたことによって森辺の民に対する不信感を解いてくれたミラノ=マスなのだから、それは間違いのないことだと思う。


「何だか《キミュスの尻尾亭》に貧乏くじを引かせるような格好になってしまって申し訳ありません。もう『酢ギバ』の販売は取りやめて、他の料理を考案いたしましょうか?」


「べつだん売れ残っているわけではないのだから問題はない。新しい味を広めるのにひと月やそこらであきらめてしまうつもりなのか? 案外こらえ性のない人間なのだな、お前さんは」


「いえ、ですが、その負担が《キミュスの尻尾亭》に降りかかってしまうのが俺としては――」


「だから、何の負担にもなってはおらんと言っているだろうが? いつまでもうだうだとうるさいやつだな」


 ぶすっとした顔でミラノ=マスは言い捨てる。

 その不機嫌そうな態度にだまされて、俺はついついミラノ=マスの厚意に甘えてしまっているのではないかという不安を禁じ得ないのだ。


「何にせよ、お前さんのおかげで客足は明らかにのびたんだ。宿の客でもないのに食事のためだけに客がやってくるなんて、今までにはなかったことなんだからな」


「ええ、それは本当にありがたいお言葉なのですけれども」


《キミュスの尻尾亭》においてはギバの料理ばかりでなく、俺が考案した『カロンの細切り肉の果実酒炒め』『カロンの乳スープ』『キミュスのつくね』『キミュスの肉オムレツ』といった料理も販売され、晩餐の際にはなかなかの賑わいであるようなのだ。

 それに、肉や野菜に掛けるソース、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングといった調味料の類いも、軒並み好評であるという。

 ミラノ=マスの厚意に少しは報いられたのかな、と俺も嬉しく思っている。


「何か他に上等な料理を思いついたんなら、それはそれでかまわんがな。そうでないなら、無理に献立を変える必要はない。その娘だってようやくこの料理の作り方を覚えきれたところなんじゃないのか?」


 レイナ=ルウは、お行儀のよい笑顔でうなずいている。

 俺は頭のタオルを取り、ミラノ=マスに礼をしてみせた。


「ありがとうございます。ミラノ=マスの厚意を無にしないよう、今後も頑張ります」


「だから、いちいち頭を下げるな」


 最後まで仏頂面であったミラノ=マスに別れを告げ、俺たちは《キミュスの尻尾亭》を後にした。


「レイナ=ルウの手際がよくなった分、少し時間が余ったみたいだね。ちょっと《西風亭》にも寄っておこうか」


「ええ、それはいっこうにかまいませんが――」


 と、レイナ=ルウは愛くるしい上目づかいで俺をにらみつけてくる。


「何だか今日はいつも以上にアスタの気持ちを読み取ることができるようです。現在のアスタが何を考えているのか言い当ててみましょうか?」


「ええ? こわいことを言うねえ。俺は別におかしなことなど考えていないよ?」


「そうですか。ではわたしの戯れ言と思って聞き流してくださいね。……アスタはあのマイムという娘であったらママリアの酢でどのような料理を作るのだろう、と考えていたのではないでしょうか?」


 俺は驚いてレイナ=ルウの顔を見つめ返すことになった。

 レイナ=ルウは、すねた子供のように俺をにらみつけてくる。


「アスタはもともと酢という食材を知っていたから、あのように難なく使いこなすことができるのでしょう? あの娘にそんなアスタを上回る料理が容易く作れるとは思えません」


「うん、それはそうかもしれないね」


 俺も仮定の話でまでマイムという娘を持ち上げるつもりはなかった。

 それでもなかなかご機嫌の回復しないレイナ=ルウとともに《西風亭》を目指す。


《西風亭》は、人気の少ない裏通りの一画にあった。

 日が暮れてからは決して単身で踏み込んではならないという、ちょっと危険な区域である。

 店の規模は《玄翁亭》以上《キミュスの尻尾亭》以下といったところだ。


「やあ、アスタ! 1日に2度も訪ねてくれるなんて珍しいじゃん」


 宿屋の受付台に陣取っていたのはユーミであった。

 扉をくぐってすぐに食堂という作りになっており、受付台はその奥にある。食堂では、5名ていどの荒くれ者たちが昼間から酒をあおっていた。


「うん、朝方に肉を届けたときはゆっくり会話をする時間もなかったからね。……ギバ料理の売れ行きはどんな感じかな?」


「ばっちりだよ! もう10人前ぐらい買い入れても売れ残ることはないんじゃないのかなあ」


 この《西風亭》においても、俺は商談をまとめることができていた。

 ただし、料理は卸していない。売っているのは生鮮肉のみである。


 ユーミの父親は森辺の民に対して強い差別感情を有しているために、ギバの料理は取り扱わず、俺にカロンやキミュスの肉で料理を作らせたいと願っているのかもしれない、という話を事前に聞いていた。

 ゆえに、俺も搦め手を使うことにした。

 すなわち、ギバの美味しい食べ方のみを伝授して、ギバの肉を購入したいと思わせるように仕向けたのである。


 俺の作った料理を転売するならば、他の料理よりも値が張ってしまう。なおかつポルアースに価格の見直しを勧告された直後であったので、その影響もいっそう顕著である。

 なので、自分たちで調理すればギバ肉の料理でもいい具合いに利益を上げることは可能ですよと、そのように提案させていただいたのだ。


 そこで俺が《西風亭》に伝授したのは、『お好み焼き』と『カロン乳のスープ』であった。


 これらの料理であるならば、それほど多量の肉を使わずに作製することができる。価格もカロンの料理と同じていどに抑えることも可能であろう。なおかつ、調理の手順もきわめてシンプルだ。


 そうして俺は《西風亭》においてそれらの料理を実食してもらい、何とか生鮮肉を買い付けていただく契約を結ぶことがかなったのである。

 最初は1日に5キロていどであったのが、現在では15キロにまで増えている。

 生鮮肉のみであれば、これは宿屋で一番大きな商売相手である《南の大樹亭》の倍にもなる数値であった。


「ほら、タウ油とかが宿場町に出回るようになってから、そーすとかけちゃっぷとかの作り方をアスタが教えてくれたじゃん? あれでいっそう『お好み焼き』の売れ行きがよくなったみたいなんだよねえ」


「うん、俺の故郷でも『お好み焼き』にはソースを掛けていたからね。塩を掛けたりスープにひたして食べるよりかは人気も出るんじゃないかなあと期待していたんだ」


「狙い通りだね。父さんなんかは嬉しいやら悔しいやらで毎日おかしな顔をしているよ」


 そんな風に述べるユーミは、至極純粋に嬉しそうな顔をしてくれていた。

 もちろん俺にとっても、これは大満足の結果であった。


 ギバの料理でなく肉そのものを売ることが、俺たちにとっては本願であったのだ。

 ネイルやナウディスたちも生鮮肉を購入してくれていたが、それはあくまで俺の卸す料理だけでは足りない分を補強するのが目的であった。俺の料理ではなくギバ肉のみを購入してくれたのは、この《西風亭》が初めての相手なのだった。


「でもさ、いくら肉が売れたってアスタの稼ぎにはならないんでしょ? そういう意味では、あたしも口惜しいところなんだよね」


「そんなことはないよ。生鮮肉が売れれば売れるほど、俺の家だけじゃなく他の家にまで富が行き渡るんだ。親父さんを説得して商売の話を持ちかけてくれたユーミにはどれほど感謝してもし足りないよ」


「やだなー、照れくさいこと言わないでよ!」


 それなりの力で背中をひっぱたかれた。

 森辺の女衆たるララ=ルウなんかと比べればまだ優しい力加減であるが、それでもなかなかの痛撃だ。


「いや、本当にね。たった4ヶ月やそこらでこれだけのギバ肉が宿場町で売られることになるなんて、商売を始める前には想像できなかったよ」


 現在では1日に130キロ分のギバ肉が宿場町に流通している。

 のべ人数なら、きっと600名から700名ていどの人間が毎日ギバの肉を口にしていることになるだろう。


 ジェノスの総人口を考えれば、実にささやかな数字なのかもしれない。

 しかし、4ヶ月前までは誰ひとりとしてギバの肉を食べようなどとは考えていなかったのだ。

 ましてや、売れすぎて困ることになるから値段を見直せと勧告されるなど、誰に想像し得ただろうか。


 ユーミとレイナ=ルウの笑顔にはさまれながら、俺はひそやかに喜びと充足感を噛みしめることができた。

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