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異世界料理道  作者: EDA
第十三章 再生への道
231/1675

⑫城下町の晩餐会(下)

2015.8/30 更新分 1/1

「こちらがわたしのご用意した野菜料理となります」


 ティマロの声とともにその料理が運ばれてくると、貴族陣営の人々がいっせいにどよめいた。

 台車で運ばれてきた皿の上には、巨大なタラパがまるごとででんと載せられていたのである。


 タラパとは、カボチャのような形状と、トマトのような色合いを持つ果実だ。

 このタラパは特に大物で、ハロウィンのお面として頭にかぶれそうなぐらいのサイズがあった。


「このように大きなタラパも存在するのですな。いや、これは驚きました」


 トゥラン家の後見人トルストが感心したような声をあげる。

 そこに、ポルアースのいぶかしげな声がかぶさった。


「タラパという野菜は、放っておくとこれぐらいは大きく育つものなのです。ただし、大きくなればなるほど固さが増し、酸味が強くなり、そして甘みは薄れてしまうものなのですね」


「ああ、タラパはダレイムの農園でも育てられているのでしたな」


「はい。それでですね、そこまで育ったタラパにさらなる時間と手間をかけて育成し続けると、今度はしわしわに縮んでいき、酸味と甘みがぎゅっと濃縮された絶妙の味わいとなるのです。……しかし、そこまでしっかり育てると、値段は倍以上にはねあがってしまうのですね。それゆえに、宿場町や農村などでは、ほどほどに育った酸味の強いタラパが売られて、城下町では小粒で甘みの強いタラパが売られているわけですが……これぐらいの大きさに育ってしまうと、普通は酸味が強すぎてとうてい食べられなくなってしまうはずなのです」


 思わぬ知識を披露させつつ、ポルアースは興味深そうに瞳を輝かせていた。


「しかしもちろん、高名なる料理人のティマロ殿が、僕たちにそのような出来損ないのタラパを食べさせるはずはないでしょうな」


「ええ、もちろんでございます」


 メインディッシュの肉料理を目前にして、ティマロはここで失地回復の意気に燃えているようだった。

 その壮年男性にしてはなよやかな指先が、タラパのへたにそっと添えられる。


「これはわたしが独自に考案した特別なタラパ料理となります。トゥラン伯爵家の晩餐以外では、初のお目見えとなりましょう」


 そうしてティマロがへたを持ち上げると、タラパの上部分が蓋のようにぱかりと取り外された。

 そこから現れたのは、真っ赤な野菜の煮込み料理である。


 タラパの中身をくりぬいて、そこに食材を投入し、タラパの外壁が煮崩れないていどの弱火でじっくり熱を通したものなのだろう。

 各種の野菜と香草と、それに煮込まれた肉の香りが、ふわりと俺の鼻をくすぐってくる。


(あっちはかなりの自信作みたいだな)


 野菜を器に見立てるというのは、面白い試みだ。

 俺のほうは、これまたシンプルな献立である。


「こちらはギバの胸肉と野菜を茹でた料理です」


 名称としては、『ギバの冷しゃぶと温野菜のサラダ』とでもいったところだろうか。


 ギバはバラ肉を使用している。やわらかくなるまで茹でてから、水で洗って余分な脂を落とした、冷しゃぶだ。

 野菜のほうは、ティノやネェノンやアリアをしんなりするぐらい茹であげており、さらに彩りとして、ポルアース言うところの「甘みと酸味の凝縮された小粒のタラパ」を生のまま添えさせていただいた。


 味付けは、レモンのようなシールの果汁をタウ油に絞り、スープの出汁で溶いたものを上からかけている。

 俺としては、ポン酢醤油のイメージである。


 森辺の民には、もっとたくさんの野菜を摂取してほしい。そんな思いから考案したメニューだ。

 バラ肉の量はひかえめで、野菜の量はたっぷりである。


 試食品をこしらえた際、ルウの本家ではヴィナ=ルウとティト・ミン婆さんがこの料理を気に入ってくれていた。


「ううん、これはどちらも美味そうだねえ」


 ポルアースがうきうきとした声をあげている。

 ウェルハイドやリーハイムなども、どちらから手をつけたものかと思い悩んでいる様子であった。


 そんな中、森辺の民たちは静かに俺の料理を食べてくれていた。

 ダン=ルティムなどが参席したほうが賑やかで盛り上がるのだろうなと思う反面、ティマロの料理が口に合わなかった場合はとんでもない事態になってしまいそうだなとも思う。


「うん、これは美味だ! どちらも美味だよ、アスタ殿にティマロ殿!」


 と、けっきょく2種の料理を行ったり来たりすることにしたらしいポルアースが、また真っ先に感想を述べてくれた。


「ティマロ殿の料理は、香草がきいているね! カロンの、これは背中の肉かな? 肉も美味いし野菜も美味い! そして、タラパの酸味がまた素晴らしいじゃないか!」


「お気に召しませば幸いでございます。……このように酸味の強いタラパは、普通でしたら使い道はないのですが、こうして食材を包み込む器として使用すれば、そこからにじみ出る酸味がまたとない味わいを生み出してくれるのです」


「なるほどなるほど。しかし、この中で使われているほうのタラパは、ほどよく育ったタラパであるようだね?」


「はい。そうした2種類のタラパの割合が、一番の考えどころでありました」


「それでは、くりぬいたタラパの中身は処分してしまっているのだね。それはなかなか贅沢な使い方だ」


 その言葉に、フォウの家長がぴくりと眉根を寄せた。

 その目が、陶磁の皿に取り分けられた真っ赤な煮付け料理をじっとにらみつける。


 どうしたのですか、と問おうとしたとき、ベイムの家長をはさんで隣にいたガズラン=ルティムがひさかたぶりに発言をした。


「これは美味ですね。いささか香草の香りが強くも感じられますが、とても豊かな味わいだと思います」


 おそらくそれは、森辺陣営からティマロへと向けられた初めての賛辞であった。

 これでいよいよティマロの意気もあがるかと思えたが――ティマロはすました顔で「恐縮です」と応じるばかりであった。


(……もしかしたら、森辺の民からの評価なんて、どうでもいいと思ってるのか?)


 だとしたら、それはずいぶんな心得違いであるように思えてならなかったが、彼の自尊心のためには、そのほうが幸福であるのかもしれなかった。


 これは、親善の晩餐会である。ガズラン=ルティムやダリ=サウティであれば、相手側の料理を賞賛することが良縁の架け橋となる、というぐらいのことは理解しているだろう。


 だが、森辺の民は虚言を悪徳とする意識が強い。

 心にもないお世辞を口にするという機能は、彼らに備わっていないのだ。

 だからこそ、彼らはここまで頑なに沈黙を保ってきたのだろうと思う。


(そんなガズラン=ルティムが美味だと言い出したんだから、それはきっと本心からそう言ってるんだ。俺だったら、胸が詰まるぐらい嬉しいけどなあ)


 まあ、森辺の民の気質を知らないティマロには、そんな感慨も無縁なのだろう。


 ちらりとガズラン=ルティムのほうをうかがうと、とても温かい微笑みを返された。


「アスタの料理も、もちろん美味ですよ」


 内心を見透かされた気がして、俺は気恥ずかしくなってしまう。

 森辺のみんなが俺の料理を気に入ってくれているということは、その食べっぷりから十分に察することができた。

 しかし、もともと多くを語らないドンダ=ルウやグラフ=ザザはもちろん、ガズラン=ルティムもダリ=サウティも俺の料理ばかりを賞賛するのはバツが悪いと感じ始め、よけい言葉少なになっていたところなのだろう。


「うん、アスタの料理もとても美味だね! ずいぶん簡単そうな料理であるのに、味付けが素晴らしい。それにやっぱりギバ肉が美味い! これは今から主菜が待ち遠しいね」


 見ると、ポルアースはもうどちらの皿もほとんど完食しかけていた。

 となると――いよいよメインディッシュの準備である。


「それでは、少々お待ちくださいませ」


 ティマロが小姓たちとともに出ていってしまったので、俺も慌ててそちらに向かう。

 ティマロはまるで俺に話しかけられるのを避けたいかのごとく、あっという間に回廊の果てへと歩み去ってしまった。


「貴族たちに敵意は感じないが、あの料理人めはひとりで敵対心を燃やしてしまっているようだな」


 歩きながら、アイ=ファがそっと口を寄せてくる。

 小姓たちの手前、俺もあんまり迂闊なことは言えなかった。


「ああ、アスタ。おこのみやきの仕上がりに問題はありませんでしたか?」


 厨に戻ると、まず真っ先にレイナ=ルウが駆け寄ってきた。

 青い瞳に、不安と期待の光が交錯している。


「ばっちりだったよ」と答えると、その顔には花のような笑みが広がった。


「それなら良かったです。では、ついに肉料理ですね」


「うん。各自、よろしくお願いします」


 俺とレイナ=ルウとシーラ=ルウで手分けをして、各自のかまどに火を灯す。

 少し離れた場所で、リミ=ルウは「がんばれー!」と応援してくれた。


「晩餐会のほうは、いかがですか?」


「うーん、やっぱり端々で気まずい空気が流れたりもしてしまうね。ドンダ=ルウたちも、もともと晩餐で無駄口を叩く習慣はないわけだし」


 透明に溶けていくラードの様子を見守りつつ、俺は肩をすくめてみせる。


「だけどまあ、俺の料理もそれなりに好評であるようだし、残りふた品できっちり締めくくってくるよ」


 とにかく今日は、波乱なく終えることができれば及第点であろう。


 マルスタインは、愛想がよすぎるためにかえって内心をつかみにくいが、ポルアース、ウェルハイド、トルスト、リーハイムといった面々には、俺の料理を――ギバの料理を気に入ってもらえたという実感を持つことができている。


 あとはメインディッシュとデザートで落胆されないよう祈るばかりである。


「よし。それじゃあ行ってくるよ」


 仕上がった料理を皿に盛り付けて、勇躍、食堂へと向かう。

 泣いても笑っても、晩餐会の終わりはもう目前だ。


 食堂では、すでにティマロが待機していた。

 俺が所定の位置につくのを待ち、ティマロは料理の蓋を取り払う。


「カロンの蒸し焼き料理でございます」


 おお、っと貴族側の人々がまたどよめいた。

 これまでで一番大きな皿の上に、巨大な肉塊がどっしりと横たえられていたのである。


 長さは60センチ、幅は30センチ、厚みは15センチばかりもあっただろう。片方の端がやや小さく薄くすぼまっており、小ぶりな四足獣の胴体の半身を丸ごと使用しているようである。


 表面を焼いたりはしていないらしく、象牙色に蒸された表面にオレンジがかったソースがまんべんなく掛けられている。


 その周囲には、しおしおにしぼんだ小粒のタラパや、チャッチや、ネェノンや、それから名も知れぬ数々の野菜と数々の香草が敷きつめられており、外観の豪奢さはなかなかにとてつもなかった。


「こちらは、子供のカロンの胴体の半身を使用しております。まずは外側の背中の肉から召し上がっていただきましょう」


 ティマロが手ずから巨大な肉切り刀を取り上げる。

 肉塊は、何の抵抗もなくその刃を受け入れ、豆腐かバターのようにすみやかに切り分けられていった。

 断面から覗く肉は濃い桃色をしており、何やらねっとりとした光沢を放っている。

 肉のほうは、そんなに水分も抜けていないのだろうか。

 とにかく美味そうな肉だった。


「こちらは、ギバの背中の肉をチャッチの粉で包み、ギバの脂で揚げた料理です」


 こちらも負けてはいられない。

 俺はまず、千切りにしたティノとアリアとネェノンの生サラダを取り分けてから、シールの実とレテンの油をベースに作製したドレッシングをかけ、そこに『ギバの竜田揚げ』を配置させた。


 この料理も、ドンダ=ルウ以外は初のお目見えである。

 けっきょく使用する部位はロースに定め、やや厚みのある形で、ふた口ぐらいで食べられるサイズに仕上げることにした。


 数ある肉料理の中からこの献立をチョイスした、俺の判断にどのような評価が下されるのか――ティマロの献立とは関係なく、俺にとってもこれは勝負のひと時であった。


 小姓たちの手によって、俺とティマロの料理が配膳されていく。


「ああ、これはまた、どちらから食べるべきか迷ってしまうなあ。アスタの作ったキミュスの揚げ物料理はまたとない絶品であったものねえ」


 ポルアースは、切り分け用の小さな刀と二又の鉄串を手に、ふたつの料理を見比べた。


 同じように鉄串を取ったダリ=サウティが、「これは……」とわずかに眉をひそめる。


「この肉は生焼けであるようだが。これで食べてしまってもかまわないのだろうか?」


「ええ。新鮮なカロンの肉はまったく火を通さずとも食することができるのです。どうぞご安心してお召し上がりください」


 妙にぬめぬめと光ってはいるが、外観的にはローストビーフそのものである。

 こういうダイレクトな肉料理であるならば、森辺の民の好みにも合致するのではないだろうか。


(そういえば、ドンダ=ルウはローストしたギバ肉も好物だったんだよな)


 これはティマロとの味比べではない。

 しかし、もしもドンダ=ルウが、ティマロの料理のほうが美味い、という判決を下してしまったら――俺は内心で、けっこうな大打撃を受けてしまうかもしれない。


 この段に至り、俺は初めて動悸が速くなっていくのを感じることになってしまった。


「では、いただこうか」


 マルスタインが、まずはカロンの肉に鉄串を刺す。

 2、3センチの厚みはあろうかという、ボリュームたっぷりの肉塊である。

 それを刀の腹で支えつつ、オレンジ色のソースをこぼさぬよう慎重に口もとへと運んでいき――


 そうしてマルスタインは、満足そうに目を細めた。


「これは……驚くべきやわらかさだ。まるで口の中で溶けていくかのようではないか」


 焼くのではなく蒸した料理でも、そこまでやわらかく仕上げることができるのか。

 ちょっと息を呑む俺の対面で、ティマロは優雅に一礼する。


「特に質のよいカロンの子供を選んでおりますし、下ごしらえにも十分に手間と時間をかけることができました。あとは火加減さえ気をつければ、歯のない人間でも食せるほどのやわらかさを生み出すことが可能なのです」


「ふむ。それでもここまでの料理を作りあげることのできる料理人は、ジェノスでも何人とはいまい。いずれ其方には、ジェノス城の厨も預かってもらいたいものだな」


「斯様なお言葉をいただき、恐悦至極に存じます」


 勝ち誇ったように、ティマロが俺を見る。

 ポルアースやトルストたちも、同じようにカロンの料理を口にして驚嘆の声をあげていた。


 そして、森辺の民たちである。

 ここ何品かではずいぶん静かになっていたダリ=サウティが、「ううむ」と、こらえかねたようにうなった。


「アスタよ、どうしてこの場でぎばかつを作らなかったのかと、俺は不思議に思っていたのだが……お前の腕前は、凄まじいな。まさかぎばかつにも劣らぬ料理を隠し持っていたなどとは、俺は夢にも思っていなかったぞ」


「お気に召していただけましたか?」


「ああ。いい加減に腹は膨れていたのに、これではいくらでも食べてしまえそうだ」


 朴訥とした笑みを浮かべるダリ=サウティのかたわらで、ガズラン=ルティムも「そうですね」と声をあげる。


「このような料理を口にしたと話したら、また父ダンに文句を言われてしまいそうです。アスタ、近い内にまたルティムのかまどを預かっていただくわけにはいきませんか?」


「ええ、喜んで」


 あまり大げさには騒がないふたりの言葉が、俺の胸には深くしみいった。

 ドンダ=ルウもグラフ=ザザも、フォウとベイムの家長らも、みんな無言のままなれど、かなりの勢いで俺の料理をたいらげてくれている。


 どうやら、貴族陣営は全員ティマロの料理から、森辺陣営は全員俺の料理から手をつけたらしい。

 ひかえめに盛られた最初の分はあっという間に皿から消え失せ、いよいよ次のステップである。


 貴族の人々はその大半が期待に満ちた顔つきで、森辺の民たちは総じて感情の薄い面持ちで、それぞれ第二の皿を取った。


「おお……!」とポルアースの声が響く。


 どうなのだろう。

 これまでに使用してきたのは、薄切りにした肉か、あるいは挽き肉だ。

 お好み焼きでも冷しゃぶサラダでも、主張が強くなりすぎないよう分量には気をつけてきた。


 これこそが、正真正銘のギバ肉料理であるのだが――


 ポルアースの丸っこい顔には、えもいわれぬ歓喜の表情が浮かんでいた。


「美味い! これは美味い! アスタ殿、君の腕前は――」


 と、そこで咀嚼に戻ってしまう。

 それでも俺は、安堵の息をつくことができた。


 賞賛の言葉を述べる時間も惜しむように、俺の料理を味わってくれている。それだけで、俺にはもう十分だった。


「これは、驚かされましたな……ファの家のアスタ殿、其方は海の外より来たりし民と聞いているが……其方はいったい、どのような来歴を持つ御仁なのですかな?」


 時間をかけて一口分の竜田揚げを飲み下した後、そのように問うてきたのはトルストだった。


「自分は日本という島国の、小さな料理屋の息子です。幼少の頃から父親に料理の手ほどきを受けていました」


「それは真実なのですかな? もしや、竜神の国の宮廷料理人か何かだったのでは――?」


「滅相もありません! そのように大層な身では決してありませんよ」


「ふうむ。しかし、その若さでティマロ殿に並び立つような腕前を備えているとは、尋常な話ではありませんぞ」


 当然のこと、ティマロの頬がぴくりと痙攣した。

 それを横目で眺めながら、リーハイムがちょっと人の悪い笑みを浮かべる。


「トルスト殿、並び立つとまで評するのは言葉が過ぎるのではないのかな。思うに、このアスタとやらは異国の作法にて料理を作りあげているために、その物珍しさから、我々も幻惑されているのだろうさ」


「ほう。リーハイム殿は、そこまで感銘を受けてはおらぬと?」


「いや。きっちり幻惑されているよ。はっきり言ってしまえば、アスタとやらの料理のほうが格段に美味いとさえ感じられてしまうぐらいだ」


 どうやらこの若君は、あんまり真っ直ぐな気性をしていないらしい。

 さらにリーハイムが軽口を続けようとすると、それを断ち切るように発言する者があった。


「しかし、この肉料理は文句なく美味である。その一点には、何の間違いも疑いもなかろう」


 何とそれは、貴族陣営で頑なに沈黙を守り続けていた、メルフリードの声であった。


 リーハイムはぎょっとしたように口をつぐみ、マルスタインは「ほう」と微笑する。


「これは驚いた。何を食べても眉筋ひとつ動かさないお主がそのような言葉を口にするとはな。お主が料理の感想などを述べるのは初めてのことではないか、メルフリードよ?」


「……料理の味の善し悪しなど、私にとってはどうでもよいことです」


 爬虫類のように冷たい目つきで、メルフリードはそう言った。


「ただ、どうでもよくても善し悪しはわかります。この料理は、美味でしょう」


「ああ、美味だ。ティマロの料理も絶品であったが、味比べなどをしたらどちらに軍配を上げるべきか迷ってしまうところであったな」


 この言葉に、ティマロは今度こそ愕然と立ちすくんだ。

 顔から血の気が引いていき、細い肩がわなわなと震え始める。


 おそらくはそれに気づきながらも、マルスタインは陽気な声をあげた。


「さあ、もっと我々の舌を楽しませていただこうか。アスタ、ティマロ、残った料理を全員に取り分けてもらえるかな?」


「了解いたしました」


 どちらの料理も、まだ半分がたは残っている。これなら全員に行き渡らせることも可能だろう。


 しかし――そこでドンダ=ルウが、重々しい声音でひさびさに発言した。


「ジェノス領主マルスタインよ。心づかいはありがたいが、俺はもうそちらの料理は遠慮させていただきたい」


 マルスタインは「おや」とそちらを振り返る。


「ドンダ=ルウ殿は、このカロンの料理がお気に召さなかったのであろうかな?」


「ああ。もうひと切れ食べるのがジェノスの作法だというのならば是非もないが、そうでないなら、遠慮させてもらおう」


 すると、3名の人々がそれに同意を示してきた。

 グラフ=ザザと、ベイムの家長と、フォウの家長である。


 ティマロはまだいくぶん青い顔をしつつ、知ったことかとばかりに肉を切り分けている。


「ほほう。6名中の4名までもが、お口に合わなかったというのか。……ぶしつけだが、いったいこの料理のどこに不満があったのか、お聞かせ願えないものだろうか?」


「……俺はただ、汁物でもないのにぐちゃぐちゃとした肉を食べるのが好かないだけだ」


 面倒くさげに、ドンダ=ルウは言い捨てる。


「べつだんそれは、誰が作ろうとも変わりのないことだ。初めてファの家のアスタにかまど番をまかせたときも、俺はその料理を毒であるとしか思えなかった」


「なるほど。やわらかい肉を好まないのであれば、それはしかたのないことであるな。……では、そちらの皆も同じ理由であるのかな?」


「肉の固さなどは関係ない。しかし、この肉を食べると、胸が悪くなる」


 ドンダ=ルウ以上に不機嫌そうな声音でグラフ=ザザが初めて発言した。

 ベイムの家長も、大きくうなずいている。


「俺もだ。今までの料理でも、何か嫌なものを感じることが多かった。胸から腹のあたりにかけてが、何か熱く疼いてくるようなのだ」


「ふむ。何か身体に合わない食材でもあったのであろうかな。……貴殿は、どちらの理由かな?」


 笑いを含んだマルスタインの目に見つめられて、フォウの家長はゆっくりと首を横に振った。


「そのどちらでもない。ただ、汁物も野菜もポイタンもないままに肉ばかりを食べるのに、いささかうんざりしただけだ」


 そして、その目が意外な鋭さでもってティマロを見る。


「城下町の料理人よ。その皿にはそれだけたくさんの野菜が並べられているのに、それを配らないのは、何故だ?」


 まだマルスタインの評価から立ち直っていないらしいティマロが、うろんげにフォウの家長を見返す。


「これはカロンの肉に旨みと風味をもたらすための野菜であり香草であるのです。彩りを添えるために盛りつけておりますが、言ってみれば抜け殻のようなものでありますため、食べるには値しません」


「やはりそうか。……ならば、なおさらそのような料理を食べる気はしない。食べたい人間だけで食べればいい」


 そのように言ってから、フォウの家長は力なく目を伏せた。


「言葉が過ぎたな。礼を失していたなら、謝罪する」


「謝罪には及ばないよ。しかし、どうしてそのように思ったのかを聞かせていたけるとありがたいのだが」


 マルスタインの目が、いよいよ興味深そうに細められている。

 そちらを見ようとはしないまま、フォウの家長はまた首を振った。


「取るに足らない話だ。このような場で口にするべき言葉とも思えない」


「いや、これは胸襟を開いて理解を深めるための場なのだよ。我々は、あまりにもかけ離れた生活に身を置いているのだから、時には流儀が異なってしまうこともあるだろう。そういったことも、誤解を恐れずに打ち明けていくのが肝要なのではないだろうか?」


 フォウの家長は、しばらく卓の上をにらみつけてから、言った。


「俺はただ……美味い料理を作るという目的のために、食糧を無駄にするようなやり口が気に食わないだけだ。そのような料理は、どんなに美味くても食べる気はしない」


「ほう。蒸し焼きのために旨みを搾り取った野菜を捨てるという行為が意に沿わないということか。……ティマロよ、バードゥ=フォウ殿はこのように申し述べられているが、其方はどのように考えているのかな?」


 マルスタインの口から、俺も知らなかったフォウの家長のフルネームが飛び出して、俺は相当驚かされることになった。


 取り分けた肉を小姓らに託しつつ、ティマロは苦々しげに首を振る。


「流儀が異なるという一言に尽きるのでしょうな。この料理に限らず、出汁を取るためには多量の食材が必要となるのです。そうして旨みを抜かれた食材などは、捨ててしまう他ありません」


「ふむ。それではアスタはどのように考えているのであろうか? 其方とて、もとは異国の料理人であったのであろう?」


「自分は……そうですね。森辺に住みついてからは、なるべく食材を無駄にはしないように心がけてきました。それが森辺の習わしであるということは、すぐに知れることができましたので」


 たとえば、デンプンを抽出するために絞ったチャッチなども、炒めたり茹でたりして、他の料理に流用していた。ボソボソとして味気なくなってしまったチャッチの搾りかすでも、何かしらの調理法はあるものだ。


 アイ=ファが生命をかけて狩ったギバの角と牙で得た食材を、一片たりとも無駄にすることはできない――アイ=ファとの生活が始まって、最初の数日で何食分かのポイタンを無駄にして以来、それが俺の胸に叩き込まれた教えであったのだ。

 自分で銅貨を稼げるようになった現在も、根っこの部分では何も変わっていない。


「なるほどな。確かに城下町と森辺では、そういった流儀も異なってくるのであろう」


 そんなマルスタインの言葉を最後に、食堂には少なからず気詰まりな沈黙が落ちた。


 そんな中、取り分けられた肉は着々と減じていき、小姓たちは扉の外に消えていく。

 メインディッシュを終えて、ついにフィナーレのデザートである。


「リフレイア姫よ。其方はたしか、通常の料理よりも甘い菓子を好む性分であったな」


 と、マルスタインがはっきり初めてリフレイアを見つめながら、言った。

 リフレイアは虚空を見つめたまま、「ええ」とうなずく。


「その其方がファの家のアスタに並々ならぬ執着を抱いたということは、きっとアスタは菓子作りにも精通している、ということなのであろうな」


 ごく何気ない口調であるが、それはリフレイアの過去の罪に触れる、非常に剣呑な話題であった。

 グラフ=ザザは底光りする目でリフレイアをにらみつけ、ダリ=サウティもいくぶん眉をひそめている。

 しかしリフレイアは、やっぱり「ええ」と静かに答えるばかりである。


「菓子作りには、通常の料理とはまた異なる技術や知識が必要なのだと伝え聞いている。アスタよ、其方は本当に、その若さに似合わぬ器量を有しているのだな」


「いえ。正直に申しますと、菓子作りにはまったく精通していないのです。先日も本日も、漠然とした記憶だけを頼りに、おっかなびっくり作製する他ありませんでした」


「ほう。そうであるにも拘わらず、リフレイア姫を満足させることのできるような菓子を作りあげることができたというのならば、それはそれで一驚に値するな」


 そうしてリフレイアに気に入られてしまったからこそ、俺は幽閉され続けることになったのだから、何ともコメントのしにくいところである。


 なおかつ、一言つけ加えておきたいこともあった。


「ですが今日は、リフレイア様にお出しした菓子とは趣の異なる献立を準備してしまいました。皆様のお気に召せばいいのですが……」


「別にトゥラン家の家臣でもないアスタがわたしなどに敬称をつける必要はないわ」


 ほんの一瞬――本当に一瞬だけ、彼女らしい傲慢さを鳶色の瞳に閃かせつつ、リフレイアはそう言った。


「そもそもあなたにきちんと名前を呼ばれた覚えもないのだけれど、できればわたしのことはリフレイアと呼んでほしいものね、アスタ」


「……大変失礼いたしました」


 俺がそのように答えたとき、小姓たちが戻ってきた。


「お待たせいたしました。こちらはミンミを使ったフワノの焼き菓子となります」


 だんだんと疲弊のにじんできた声で言いながら、ティマロが銀色のクロッシュを開け放つ。


 その下から現れたのは、大きな正方形をしたパンケーキのような焼き菓子だった。

 何だかしっとりとした質感をしており、ところどころからピンク色をしたミンミの実――俺もリフレイアのために使用したことのある、桃のごとき果実の欠片が顔を覗かせている。

 漂ってくるのは、パナムの蜜の甘い香りだ。


 ティマロがそれを切り分けている間に、俺も深皿の蓋を取り除く。


「こちらは――ええと、チャッチを使った菓子になります」


「チャッチ? チャッチを使って菓子など作れるのかい?」


 仰天したように、ポルアースが大きな声をあげる。

 結果的に、奇をてらう格好になってしまったかなと思いつつ、俺は「はい」とうなずいてみせた。


 俺が準備したのは、片栗粉のごときチャッチ粉を使用して作製した、チャッチ餅であった。

 チャッチ粉を、ジャガルの砂糖と一緒に水で煮て、透明に固まり始めたら、なるべく冷たい水にそれをぶちこんで一気に凝固させ、適当な大きさに切り分ける。わらび餅の簡易版のようなものである。


 味付けは、やはりチャッチ粉と砂糖と、それにタウ油を使ったみたらしの餡掛けだ。


 どちらも砂糖はひかえめで、ぷるぷるぷちぷちとした食感が眼目の菓子である。

 これは、菓子作りを得意にしていた玲奈ではなく――幼い頃に、母親が作ってくれていた菓子のレシピを参考にしていた。


「うわ、透明だ! これが本当にチャッチなのかい? あのチャッチをどのようにいじくり回したって、このような形にはならないだろうと思えてしまうのだが……」


「チャッチの汁を搾り取って、それを乾かした粉を使用しています。そうして精製されたチャッチの粉は、フワノの粉と同じように扱えるのですよ。焼き菓子に使うこともできるのですが、本日はこの献立を採用しました」


『ギバの竜田揚げ』を主菜と決め、『タウ油仕立てのギバ・スープ』もまあ当確だろう、という段になると、それならば和風で統一するべきなのかなと思い至った俺であった。


 こんなこだわりは、この世界の人々にとって何の意味もなさないのであろうが、お好み焼き、冷しゃぶサラダ、竜田揚げ、ときて、ドーナツやホットケーキを締めくくりとする気持ちにはどうしてもなれなかったのである。


 それにまた、森辺の狩人たちが甘い菓子などを求めるイメージも持てなかったので、それならば、せめて食感で楽しませることはできないだろうかと考えた面もある。


 そして、これは本当に俺の勝手なイメージの押し付けであるのだが――ドンダ=ルウやグラフ=ザザなどといった強面の狩人たちには、西洋風の菓子よりも和風の菓子のほうが似合う! という思いもあった。


「うむ、これは――実に不思議な味わいだ」


 真っ先に俺の準備した菓子、『みたらし餡掛けのチャッチ餅』を食べてくれたマルスタインは、実に愉快そうな声をあげた。


「アスタの作る料理はどれも不思議な作法で作られていたが、この菓子はその中でも群を抜いているようだな。これぞまさしく異国の味わい、異国の料理と評することができよう」


 異国ではなく異世界なのですけどねと考えつつ、俺は「恐縮です」と頭を下げてみせる。


 そんな中、ベイムの家長が「何だこの料理は」と目を白黒させていた。


「これがチャッチで作られているのか? これは何だか――いや、何にもたとえようのない味だな」


「はい。そもそも森辺や宿場町には、砂糖というもの自体が存在しないのですよね。それゆえに、森辺の民には菓子を食べるという習慣どころか、そのような食べ物がこの世に存在するという知識もなかったと思います。ですから、こればっかりはお気に召すかどうか、まったく自信が持てなかったのですが……如何でありましょう?」


「ふうむ……」


「自分の生まれ故郷では、特に子供や女性などが、甘い菓子というものを好んでいたのですよね」


 森辺では、砂糖を使用しない試作品しかこしらえることはできなかった。

 それでもリミ=ルウなどは、この食感をとても面白がってくれていたのだが、本日、初めてチャッチ餅の完成品を口にすると――感動のあまり、ひっくり返りそうになってしまっていた。


 だからやっぱりこの世界でも、甘い菓子というものは女性や子供に好まれるのかもしれない。

 とか考えていたら、ベイムの家長が不機嫌そうに唇をとがらせてしまった。


「……これは、女衆や幼子が好む料理なのか?」


「ええ、まあ、自分の故郷ではそうでした。もちろん、男性やご老人でも甘い菓子を好む人間は少なくなかったと思いますが」


「……だったら、男衆が好んでも恥とはならないのだな?」


「恥? ええ、恥となるようなことは決してありません」


「……そうか」とベイムの家長は木皿に残っていた分を口の中にかき込んだ。


 静かに自分の分を食していたフォウの家長――バードゥ=フォウが、ふっとそちらを振り返る。


「ああ、ベイムの家長はこの料理も気に入ったのか」


「……そのようなことは、一言たりとも口にはしていない」


 その間に、貴族陣営でも俺の料理がしきりに取り沙汰されていた。

「これは不思議だ」「面妖な味だ」と、とにかく驚きがまさっているご様子である。


 そして――それらの賑やかな輩をぴたりと黙らせるような出来事が勃発した。

 グラフ=ザザが、「ジェノスの領主よ……」と、苦渋に満ちた声を振り絞ったのである。


「我々との縁を結びなおしたいと述べるジェノス領主の言葉に、俺は大きな疑いを持ってはいないし、それが正しき道なのだという思いもある。その上で、ひとつだけ了承してもらいたい儀があるのだが……」


「何であろうかな、グラフ=ザザ殿? 私とて、貴殿らの誠心にはいかほどの疑念も抱いてはおらぬよ」


「ならば、了承してもらえるだろうか。俺はこの料理を、これ以上食べることはできそうにない」


 底ごもる声で言いながら、グラフ=ザザは綺麗な渦巻き模様を焼きつけられた陶磁の皿を自分から遠ざけた。


 その上に載せられたのは、一口分だけかじられた、ティマロの焼き菓子である。


「この料理は、今までのどの料理よりも胸が悪くなる。食べた分が、生き物のように胃袋の中で蠢いているかのようだ。まるで、毒虫でも飲み込んでしまったかのように」


「ふむ。この焼き菓子にはパナムの蜜がふんだんに使われているようだ。その甘さが、グラフ=ザザ殿にはいささか強すぎたのであろうかな」


 悠揚せまらず述べながら、マルスタインはやおら腰を浮かせて、グラフ=ザザの皿を自分の手もとに引き寄せた。

 そして、優雅な手つきでそれを切り分けると、何のためらいもなく自分の口へと放り込む。


「ご覧の通り、決して毒となるものは使われていない。ただグラフ=ザザ殿にとっては非常に苦手な味付けであったのだろう。……そして、我々の間で食事を残すということはべつだん非礼にも値しないので、何も気に病む必要はないのだよ、グラフ=ザザ殿」


「……晩餐を残して食糧を無駄にすることは、森辺においては罪とされている」


「ならばその罪は、私が肩代わりして贖ってみせよう」


 言うなり、マルスタインはさらに手と口を動かして、グラフ=ザザの残した焼き菓子をすみやかに完食してしまった。

 家族でもない人間が同じ料理を口にするのはつつしむべき、とレイナ=ルウなどは言っていたが、もちろんグラフ=ザザがそれに文句を言い立てることはなかった。


「さて。あらかた料理は片付いたようだね。私にとっては、実に有意義な晩餐会であった。諸君らにとってもそうであったと願うばかりだ」


 口髭についたパナムの蜜をナプキンのような白い布でぬぐいながら、マルスタインはそう言った。


「この晩餐会を彩ってくれたティマロとファの家のアスタには、特に厚く礼の言葉を申し述べさせていただきたい。両者の料理は、ともに素晴らしいものであった。ジェノス城にも誇るべき料理番は数多く存在するが、両者の腕前はそれにもまったく引けを取ってはいなかったように思う」


「ありがとうございます」


 俺とティマロは、同時に頭を下げる。

 それを見比べたマルスタインは、最終的にティマロのもとに視線を定めた。


「ティマロよ、其方の料理は格別であった。少なくとも、ジェノスの城下町に身を置く人間で、其方の腕前に疑念を呈する者は存在しないであろう。森辺の客人から賛辞をいただけなかったのは、環境や生活の差異からくるものなのであろうから、何も恥ずることはない」


「は――」


「ただし、其方に森辺の客人をもてなそうという心情があったのならば、また違った結果になっていたのだろうとも思う。ファの家のアスタには、森辺の同胞と我々の双方に料理を楽しんでもらいたいという心意気が垣間見えたが、其方には、そういった気概を感ずることができなかった」


「…………」


「其方はジェノスでも屈指の料理人である。重ねて言うが、その一点において疑いはない。いずれ其方には、ジェノス城の宴を任せてみたいものだとも考えている」


 そうしてマルスタインは、明るく力強い声で、言った。


「しかし、この晩餐会の厨をまかせるには不相応な料理人であった。其方は何も恥じ入る必要はないが、其方の希望を聞き入れて料理番に任じてしまったこの私は、己の不明を大いに恥じ入るべきなのだろう。……では、追って報酬の銅貨を取らせるので、この場は下がっていただこうか」


 そんな辛辣なるマルスタインの言葉によって、晩餐会は終焉を遂げた。

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