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▼あらすじ_
王「わしの可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛すぎる息子助けて!」
ク、ア(親バカ過ぎる…)
王城から出て、二人は一息つく。
そして、王城から出る時に貰った武器を見る。
パーカー勇者が貰ったのは普通の剣。和装獣者が貰ったのは鞭である。
「これ…獣者だから鞭なんですかね…」
「だろうね。私ただの剣だよこれ」
貰った武器に不満を言う二人だが、我慢して小さくため息をついた。
そして、横に居た電脳妖精も大きくため息をつき、王から預かったもうひとつのバルチャの中に入ってから気が抜けたように毒を吐き出した。
『あーだっる…親バカにも程があるだろ。てかなに?マジだるい』
「!?」
「豹変したよこの電脳妖精」
『だって偉い人の前じゃちゃんとしなきゃだろ?』
「まぁそうですね」
『あー…だるいわ…なんだよあの親バカジジイ』
本人の前では絶対に言えないことをペラペラペラペラと話し出す。
あぁ、裏ではあれなやつってことだな。と二人は思う。
だが確かに、そう思うところもある。
可愛い連発、描写されて居ないが、王城から出る前に息子の自慢…なんとも素晴らしき親バカであろうか。
「…とりあえず、次の街に行く準備しよう」
パーカー勇者…クロハがそう切り出した。この空気から逃げ出すために。
「そうですね、そうしましょう」
和装獣者、アザレアが賛同する。彼もまた、この空気から逃げるかのように。
そして、電脳妖精もそうだなと言って賛同した。
気まずそうに頭をかいていた和服マフラーな獣者が、あ、俺はちょっと使役しているのを呼んできますんで、買い物は任せます。と、思い出したかのようにそう言う。
え…大丈夫かな…とクロハは心配になる。一体何を心配しているのか。それはきっと自分だけで無事買い物を済ませられるかどうかだろう。
「何かあったら電話してくれれば大丈夫ですよ」
「そうだね!じゃあ集合は…噴水で良い?」
「えぇ。ではまた後で」
そう言ってアザレアは足速に城下町の方へ翔けて行った。
一体使役している獣はどんなものか、少女勇者は少し期待する。
下駄の音が遠くなってくのが分かる。そしてそのうち聞こえないくらいになってしまった。この辺ではあまり見かけない和服の後ろ姿も見えない。
気を取り直して、少女は小さく深呼吸をしてから、電脳妖精、リヒトにお店ってどこにあるんですか?と尋ねた。
尋ねられた方は、あぁと言ってナビゲートをする。
城下町の商店街に着くと、どこも賑わっていてとても活気がある良い場所だ。
そんな商店街のとある店の店内、クロハは一人悩んでいた。
「何を買えばいいんだろう…」
商品は、水とパン。だが迷っていたのは商品ではなく、その量だ。
そこでリヒトが助言する。
電話すれば良いんじゃね?と。
そうだった!と言って電話を繋いで貰う。
応答音が2、3回なってから、小さくブツッっと聞こえた。
それは切れた音ではなく、電話にでた音だろう。
『もしもし?』
スピーカーの向こうから、先ほどまで一緒にいた青年の声が聞こえてきた。
安心して先程まで悩んでいたことが言える。そして言う。
「あ、もしもしアザレア!パンとお水があるんだけど…どれぐらい買えば良いのか分からなくて」
スピーカーの向こうの彼は、少し悩んでから返事をすした。
『んー…電脳妖精に次の街までの距離を聞いてからですかね」
「あ、そうか。リヒトさん!次の街までの距離は?」
この少女、中々に重要なことを忘れていた。
アザレアに言われたように、クロハはリヒトに聞いた。
そしてバルチャ内で会話を聞いていた少年は、あー、そうだな、約5kmぐらいかな、とすぐに、更に電話の向こうの彼にも聞こえるように答えてくれた。
案外近いな、とアザレアは呟く。
一方クロハは5キロかぁ…と呟いてから、どのくらい買ったらいいの、と困っていた。
『とりあえず一日で着くから…』
少し考えながら青年は答える。
「じゃあ少しパン買えばいいか」
そうクロハは適当に買うことにした。
『あー…ちょっとそっち向かいますよ』
それが不安になったか、青年は少女を止めるように言う。
「おぉ!」
まるで心強い!と言うかのように、クロハは歓喜した。
電話越しから下駄の音がする。
カランカランと、とても心地良い音だ。
そして、もうひとつの声。
それは人の声ではなく、何か別の動物の鳴き声___
『アザレアの獣者スキル見せてもらうぜ』
そう声が聞こえた時、プツンと電話が切れた。
アザレアの目の前には、暴れる馬二頭が現れた。
▼アザレア は どうする_
中の人の会話
リヒト、システム(TRPGで言うGM)…村雨豆腐(もしくは豆腐メンタル)→豆
アザレア…アザレア餅→ア
クロハ…クロハ→ク
(リヒトの本性のところ)
ク:なんか…リヒトジュダルっぽい
ア、豆:(´^ω^`)ブフォwww
(買い物)
ク:どんぐらい買えばいいの…
ア:あ、電話あったじゃん
ク:そうだった