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超能力者達の学園  作者: トリブレイシオ
第一章 高校一年春 後編
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第四十五話 体育祭二日目②

 第四十五話 体育祭二日目②



 体育祭二日目が八時三十分に開始してから大体一時間十五分ほどが過ぎた頃、携帯に連絡があった。

 こちらの映像がうつっていない瞬間を見計らってこっそりと確かめてみたところ、姉さんからのようであった。

 どうやら、こちらに到着したということらしく、メッセージとともに位置情報も送られてきた。

 いる場所は校門前辺り、入ってすぐのところのようだ。

 後十五分ほどで交代となるから待っててというメールを送り、俺は、実況を続けるのであった。




 十分程度後に交代となり、莉奈先輩と合流した俺は、先輩に頼んで、見回りの順番を変えて、先に姉さんが待っているであろう、校門前へと足を運ぶことにした。


「あれ、秋水くん腕章はどうしたの?」

「えっ?

 あれ、置いてきたかも。」


 腕章というのは、運営側の人であるというアピールのために、見回りをしている人がつけているもので、目立つように赤い色になっている。


「どこに置いてきたとかはわかるの?」

「たぶん本部ですね。

 秀樹に連絡を取ってみます。」


 そういって連絡を取ると、ちょうど本部にいたらしく、かばんの横においてあった腕章を見つけたので、持ってきてくれるそうだ。

 その持ってきてくれるまでの間に校門のほうへと移動する。

 先輩と話しつつ、校門のほうへと移動してきたわけだが、姉さんの姿が見当たらない。

 まぁ、人が多すぎるということもあるのだとは思うが。

 まぁ、待っていれば向こうから勝手に見つけてくれる(・・・・・・・・・・)だろう。

 そんなことを考え、待つこと約十秒するするっとこちらのほうへやってくる姉さんの姿を捉えた。


「おはよ~、しゅう君。

 思ってたよりも早かったね。」


 おそらく近くの屋台で買ってきたのであろう、りんご飴らしきものをペロペロとなめつつ姉さんがこっちに話しかける。


「あぁ、思ったよりも早く競技が終わったからね。

 その分早くこっちにこれたんだ。」

「そっか~、今から見回り?」

「そうだよ。

 あぁ、そういえば、こちらが今一緒に見回りなんかをしている生徒会の二年生藤堂莉奈先輩です。」

「あら、はじめまして。

 私は秋水の姉の北神霧華です。

 いつも秋水がお世話になっております。」

「はじめまして、藤堂莉奈です。

 いえいえ、秋水くんは優秀ですから。」

「そうですか?

 それならばいいんですけれど。

 これからも愚弟のことをよろしくお願いするわね。」

「はい。

 そういえば、霧華さんのうわさはよく耳にしますね。

 ここ最近では、最も優秀だったとか。」

「いえいえ、私など、全く持ってたいしたものではありませんよ。」

「そんな、ご謙遜なさらず。」


 そんな会話を二人がしていると、秀樹がこっちにやってきた。


「あら、ひで君。

 久しぶりね。

 元気にしていたかしら。」

「おや、霧華さん。

 お久しぶりです。

 ええ、こちらは元気でしたよ。

 あぁ、秋水、こちらを。」


 軽く秀樹は姉さんに挨拶をすると、こちらに腕章を渡してくる。


「そういえば、今思い出したのですが、秋水。

 こないだの霧華さんが機嫌が悪かった理由ってなんだったのですか?」


 渡す際に、ふと思い出したようで、こちらに質問をしてくる。


「あぁ、あれか、あれはな……。」


 そう聞いてきたので、秀樹であれば問題はないであろうと思い、こないだの機嫌が悪かった原因となった事件について話す。

 本来は、情報規制がなされているので、あまり教えるのはよくないのだけれど、まぁ、大丈夫であろう。


「そうだったんですか。

 ふむ……。」


 こいつは情報通ではあるが、自分に関係のないことに対しては若干無関心なところがあるので、日本海側についての情報はつかんでいなかったようだ。


「霧華さん。

 少し聞いてもらいたいものがあるのですが、よろしいでしょうか?」

「いいわよ、何かしら。」

「えっと、こないだ箱根にいったときにちょっと怪しい感じの人達がはなしていた内容ですね。

 おそらく韓国語だとは思うのですが、残念ながら、僕にはわからなかったもので。

 調べようにもスペルもわかりませんでしたから。」

「なるほど、それじゃあ聞かせてもらえるかしら。」

「了解しました。」


 そういって、秀樹が目を瞑る。

 それと同時に、右手の人差し指と中指をそろえて、側頭部へと添える。

 これは、秀樹の能力の一部で、あるひとつの情報を他人へとそのまま受け渡すという能力だ。

 本来の使い方は、情報を動物に伝え、そのとおりの行動をしてもらう際に使用するものであるが、人間も動物であるためデータを送る程度のことは出来るのだそうだ。

 但し、相手が受け入れようと思っていない限りは無理だったり、どうしても、動物のときに比べて、距離が近くなくてはいけなかったりといろいろと問題はあるようだが。

 ともかくとして、現在情報のやり取りをしているようで、二人とも黙っている。

 あぁ、後、時間がかかるのも難点だといってたっけ。

 そんなこんなで少しずつ時間がたっていく。

 はじめは顔色が良くなっていった姉さんであったが、段々と顔色が悪くなっていった。

 いったいどうしたんだ?



 第四十五話 end

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