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超能力者達の学園  作者: トリブレイシオ
第一章 高校一年春 後編
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第十八話 体育祭準備①

 第十八話 体育祭準備①



 水曜日の会議が終わってから何度か会議を行い、自分の役目などが決定し、週があけた月曜日の放課後、俺は生徒会室で、アンケートの結果を見ていた。

 アンケートというのは、皆にどんな競技をやりたいかといったものをクラスごとにとったものである。

 それを、現在まとめているところなのである。

 それにしても色々な意見があるものだなぁ。

 たとえば、

 ・高速で移動する板の上に乗って、的に射撃を行いその数を競う。

 ・チーム戦で箒に乗り、三つある相手のゴールにボールを投げ入れる。

 ・妨害ありのバイクレース。

 Etc...

 このほかにもたくさんの意見があり、どうやってそれをやるんだろうとか、それは体育祭でやるものなのだろうかなどと思うものもあるが、かなり多くの意見が出てきていた。

 なかなか集計するのが大変である。

 集め方は、これはできないと思うものを除いて、全部載せ、それをそのままアンケートにするのである。

 上に出したものの場合、二つ目以外はアンケートに乗ることになる。


「集計は全部終わりましたか?」


 井内先輩が声をかけてくる。


「はい、こっちは終わりました。」

「僕のほうも終わりました。」


 井内先輩と、俺と秀樹で作業をしていたのだが、全員終わったようだ。

 これから、井内先輩が、三人で集めたものをさらに集計することになる。

 カタカタとキーボードを高速で打ち込みアンケートを作成していく。

 しばらくして、完成したようで、全員の端末にそのデータが送られた。


「ごくろう。

 では、これを水曜日の会議で皆に渡すことにする。」


 間違いがないことを確認して、会長がそういい、アンケートが完成した。


「ところでなんですけど、去年のオリジナル競技は何になったんですか?」


 ふと疑問に思ったので聞いてみることにする。


「去年は鬼ごっこですね。」

「鬼ごっこですか?」


 井内先輩がそう答える。


「そうです。

 もちろん抵抗はありですよ。

 各チーム十人ずつ出して、生徒会メンバー六人を相手に城をモチーフにしたフィールドで逃げ回るというルールでした。

 観客は、各場所に設置されたカメラや、鬼についていたカメラでこれを見るんですけど、とても盛り上がりましたよ。

 得点は逃げた時間によって加算され、一時間逃げ切ると逃走成功となるというルールでした。」

「なるほど、でもそれって、逃げる側が有利じゃないですか?」

「そうでもないですよ。

 基本的に生徒会メンバーはその学年のトップと二番手が入っていますので。」

「そういえばそうでしたね。」

「すごいスリル抜群だったそうで、見ている側にもとても人気だったらしいです。

 逃げるときに、能力を使ったりもしましたので派手な面もありましたしね。」

「なるほど。」

「探す側もどこに罠が仕掛けてあるか分からないので面白かったですしね。」

「それじゃあ、今年も期待してもいいんですかね?」

「まぁ、アンケートなんかを見ても、面白い競技にはなると思いますよ。

 生徒会メンバーが参加するかどうかは分かりませんけどね。」


 そんな感じで月曜日の会議は終了するのであった。

 面白い競技になるといいな。




 次の日、駅を出て学校へ向かう途中、委員長と副委員長を見つけた。


「おはようございます。

 飯田先輩と松本先輩。」

「おう、北神か。」

「おはよう。」


 二人に挨拶をする。


「あと二週間と少しで体育祭ですね。」

「そうだな。

 今はまだ忙しくないが、直前の一週間はかなりやばいぞ。

 今から心しておけ。」

「そうなんですか?」

「俺たちは二人とも一年の頃からやっているが、少なくともその二年はやばかったね。」

「直前で足りないものなんかがでたりするとかなり厳しい状況に追い込まれるからな。」

「なるほど、しっかりと必要なものはチェックしなくてはいけないということですね。」

「あぁ、そうだな。」

「まぁ、それがで着てないから毎年ピンチになるんだけどね。」

「そうなんですか?」

「直前になってあれが必要だったとかこれが必要だったとかなるからな。」

「実際にやってみないと分からないところもあるからな。」

「なるほど。」

「そういえば、今年ってアンケートはどんな感じになったのか知ってるか?」

「はい、昨日集計を行いましたので。」

「おっ、流石生徒会は仕事速いな。

 こっちの端末に送ってくれないか?」

「分かりました。

 それではお二人に送りますね。」


 二人にアンケート用紙のデータを送る。

 ところでなのだが、基本的に紙というのは受験用のパンフレットや、重要な機密事項など、一部の用途を除いて使われなくなってきている。

 これは、前世紀の災害や燃料不足などで、大量の木が消失した影響で紙が高価になり、使われなくなった影響が今も続いているのだ。

 もっとも、最近では多少紙の値段は安くなってきているのだが。

 また、日本はそうでもないものの、世界に視野を広げてみると、森林破壊の影響で生態系がくずれ、植林などが行われて入るものの、今もまだ回復していない場所が多々あるのが現状である。


「おっ、これか。

 さてさて、どれになるのやら。」

「まぁ、どれでも面白そうではあるかな。

 一部危険すぎるようなものもあるが。」


 委員長と副委員長が、この話題で盛り上がっている。


「まぁ、これは、全校生徒のアンケートの結果次第ですからね。

 来週の月曜日には結果は出ますよ。」

「まぁ、そうだな。

 できるだけ面白い競技になることを願うほかないな、聡。」

「そうだな。」


 この後、去年起きた問題なんかを色々聞きながら、学校へと向かったのであった。




「あっ、秋水くん、おはようございます。」

「おはよう。」


 教室に入ると澪が話かけてきた。


「やっぱり生徒会って忙しいんですか?」

「そうだな。

 体育祭みたいな行事の前は特に忙しいみたいだよ。

 とはいえ、俺は実際にはまだほとんど経験していないからなんとも言えないんだけど。」

「それにしても、ここの体育祭って面白いですね。

 自分達がこんな競技をやりたいと思うものができるというのはなんだか珍しい気がします。

 もっとも他の学校がどうだかは知らないんですけどね。」

「そうだな。

 そういえば、去年はなにが選ばれたか知ってるか?」

「いえ、知らないです。」

「去年は鬼ごっこだったらしいぞ。」

「鬼ごっこですか?」

「ああ。

 鬼役は生徒会がやって、各チーム十人ずつ出しての鬼ごっこだったらしい。

 逃げるときに能力を使ったりして結構派手だったから結構人気があったそうだ。」

「そうなんですか~。

 面白そうですね。

 今年は何になるんでしょうか。」

「今週中には何がいいかをアンケートで答えるやつがあって、来週の火曜日か水曜日にはその結果が公表されるはずだよ。」

「そうなんですか、楽しみですね。」

「そういえば、俺、体育祭でアナウンスすることになったんだ。」

「そうなんですか?」

「あぁ、体育祭で行われる競技の実況だったりとかもしたりするらしいよ。」

「すごい大役ですね。

 頑張ってください。」

「そうだな~。

 噛んだりしたら恥ずかしいしな。

 できる限りがんばらなくちゃ。

 一応、そのために今早口言葉の練習とかしてるんだぜ。」

「毎日ですか?」

「あぁ、夜、風呂の中で一人「かえるぴょこぴょこ......」とか、「坊主が屏風に......」とかいって練習してるんだ。」

「それはなんというか、若干シュールですね。」

「まぁ、ある程度はしょうがないでしょ。

 それで噛まなくてすむんだったらそっちのほうがいいしね。」

「それもそうですね。」


 そんなこんなで、朝、先生がくるまで澪と今度の体育祭について話し合ったのだった。



 第十八話end

体育祭が遠いよ~。

あと、二週間以上もあるし。

体育祭が始まるまでまだまだかかります。

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