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いつもの道とは少し風景の変わった道を歩く。

嫌な所だ。

結論を言ってしまえばそれだけ。

俺にとっては、というのが前提の話だが。




見慣れたマンションに辿り着き、階段を登る。

扉を開け室内に入り、目当てのものを探す。

引き出しにしまっていた書類等今回持ち込んだ一式をスーツケースにしまっていく。

部屋の空気が澱んでいる。日が落ちてきて余計にひどくなってないか。

明かりは点けたが、俺にとって用を成してはいないということか。

眼鏡をずらし、室内を見渡す。

我ながら毎度この好かれぶりはどうしようもないな。

何かするわけでもないので、無視しておく。

突然ドアが開かれる。

「誰だ?!」

身構えると同時に相手を見据える。

「なんだ。お前か」

「相変わらず好かれてるようだな」

「嬉しくないセリフだ」

「事実を言っただけだ。で、どうする?」

「好きにしろ。ああ、でも、あまり派手なことはしてくれるなよ。後が大変だからな」

「準備はできたか」

「迎えに来たのか。珍しい配慮だな」

「まさか。心の準備に決まってるだろ。行くぞ」

「って、おい。待てよ。いきなりか!」

「遅れるなよ」





「お疲れさま」

「明るく言わないでくださいよ。大変だったんですよ」

「でもでも、ひとりで出来るってことは、いいことだよ」

明るく笑うこのお姉さんは、この事務所の中でもトップを争う人材だ。

一緒に仕事をしたことがないから知らないが、かなりすごい人だと噂で聞いている。

「それにしても、廃校になったはずの学校に堂々と通ってるのもすごい光景よね」

「仕方ないじゃないですか。潜入するにはそれしかなかったんですから」

「生徒にも気に入られてたんだって」

「誰に聞いたんですか」

「誰にって?ほら、ね。情報通だから」

「誤魔化さないでください」

「で、あそこにいた人達は大丈夫でしたか」

「うん。きれいさっぱり忘れてもらったわ」

「そうですか。ならいいです」

「未練ある?」

「ありませんよ」

「そ。ならいいの。便利よね。その瞳」

「そうでもないです。あれがわかるようになってからはいいことないです」

「生まれつきじゃないんだっけ?」

「後天的ですね」

「ふーん。次の仕事もがんばってね」

お読みいただきありがとうございました。

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