幕間 〜彼のひとは歌い、訴う〜
久しぶりに投稿しておいて幕間ですいません……。
あなたは光
わたしは闇
あなたは命
わたしは死
あなたは希望
わたしは絶望
あなたは表
わたしは裏
あなたは全て
わたしは無
愛しいひとよ
すべては輪のなか
常世のように
問いのすべてに
答えはかえらず
ただひとつ
すべての真理が
ゆらぐのならば
わたしは
あなたを救うため
光にだって
なれるでしょう
愛しいひとよ
どうか
どうか
あきらめないで
あなたを
絶望が
つつんでも
わたしは
永久に
あなたとともに
愛しいひとよ
もしもこの世に
奇跡があれば
それはきっと
歓びという
たったひとつの
感情の名
愛しいひとよ
すべてがふたつの
貌あらば
あなたとわたしは
つねに対
あなたがいれば
わたしがいて
わたしがいれば
あなたがいる
そうであればと
祈っている……
* * *
あなたはわたしの生きるために必要なすべてだった。
歩くためのみちであり、みちを照らすともしびだった。
よるのそらで先をしめす星だった。
命をつなぐ糧だった。
かなしみをいやす涙だった。
あなたの存在そのものがわたしを生かしていた。
――でも、それは間違いだった?
わたしはあなたの重荷だった?
わたしはあなたを苦しめた?
わたしの存在はあなたにつらさをあたえていた?
ならば――
ならばこんどはわたしがあなたにすべてを捧ぐ。
あなたがわたしの救い手であったように、わたしがあなたの救い手となれればいい。
わたしでなくてもいい。
あなたが幸福になるならば……