無人兵器。
ようやく下りれた……。
ついさっきまで山を登っていたが、ようやく下山できた。
もうこれからは近いからって山を越えるのはやめよう。
素直に迂回して行こう。
ちなみに下りた先はザ・荒廃世界だった。
ビルはツタに覆われ、ひび割れていた。
地面には背の高い草まで生えていて、自然に戻りつつあるらしい。
こんなところで探すのは水だ。
今までは軍にいたころの水があったが、そろそろなくなりそうだ。
弾薬と銃はある。
食料も放射線に侵されているが、まだ食べられる。
だが、そろそろ補充したい。
とりあえず当分の目標は前に見た装甲車を見つけることだ。
装甲車は輸送任務も受けてる。
つまりその中に水や食べ物があるはずだ。
そのために少しずつ俺は歩く。
ここは多少は放射線の濃度が低い。
さっき超えた山のおかげで多少は大丈夫だったらしい。
だがそれでも川は完全に汚染されていた。
なのでどうしても水を探す必要がある。
それと、願望だが人に会いたい。
ずっと一人は暇だ。寂しいともいう。
……ん?
この音……!
俺は反射的に近くのビルに隠れた。
この音は俺も覚えがある。
俺の所属していた部隊を襲ったやつだ。
俺は心の安心を求め、奥に隠れた。
ブロロロロみたいな音が鮮明に聞こえ始めた。
俺の大嫌いな音だ。
地面にそいつの影が映る。
やっぱりか。
その影は大型のヘリだ。大量の武装を搭載し、自立兵も大量に載せている。
見つかったら死ぬ。
それだけがわかる。
俺は必死に息を殺し、遮蔽物に身を隠した。
心臓の鼓動がここまで聞こえたのは初めてだ。
ッ!なんで止まる!止まるな。どこかへいけ!
ガンという鉄の扉が開く音が聞こえた。
ほんの少しだけ顔を出すと自立兵が出てきていた。
俺は見つからないことを心の底から祈り、隠れた。
軍用の自立兵だからか足音が聞こえない。ガシャガシャみたいな音もならない。
だからこちらに来ているかどうかがわからない。
怖い。ただひたすらにそう思った。
音は聞こえない。なのに近づいてきている。そう感じた。
銃を握る力が増す。銃が壊れるんじゃないかと思うほど俺は握りしめた。
その瞬間。野生の勘があるんだと思った。それと同時に火事場のばか力って本当にあるんだと思った。
こちらを覗いてきた自立兵の頭を照準器ものぞかずに片手で撃ちぬいた。
狭い室内に乾いた火薬の音が響き渡り、その自立兵は倒れた。
だが、これは大型のヘリにケンカを売ったのと同じわけだ。
大型のヘリは陸上で運用されるような榴弾砲だろうと搭載している。
つまり室内にいれば爆風で即座に死ぬ。
俺は急いで走り、外に出た。
俺がぎりぎりで外に出た瞬間にビルの室内が爆発に包まれた。
周囲一帯も爆音に包まれ、俺は爆風のせいで転ばされた。
そしてヘリからさっきまでの自立兵が出てきた。
俺はすぐさま逃げ去った。
本気で走る。
死ぬ気で走る。
ビルの裏を全力で走る。
死んでたまるか。生きたいんだよ!
ビルの裏は路地裏みたいに薄暗く、狭いため、やつらが入りにくいのだ。
圧倒的に人間の方が有利!
といっても自立兵はうまくついてくる。そのうえ自立兵は死んでもいいのか、ヘリが機関砲をこれでもかと撃ってくる。
それを何とか逃げ続ける。
初めて軍に体を改造されたのに感謝する。
そして俺は必死に頭を回す。
ビルとビルの間に逃げるか?いや。引き返せない。
だからといって逃げ続ければすぐさま機関砲にハチの巣で終わりだ。
そのうえ後ろから銃を撃ってくるロボットもいる。
必死に頭をフル回転させていると、その絶望的な状況に追い打ちをかけるやつが現れた。
前から自立兵の集団が来たわけだ。
あっ。やばい。
頭ではわかる。だが、どう動けばいいのかわからない。
どうする。このままいけば挟み撃ちで死ぬ。
もういっそ一か八か大通りに出るか?
そして俺は周りを見回す。
……あっ。
あった。背の低いビル。
あそこはこいつらの自軍の生産施設だ。
あそこに入ればあいつらは攻撃できない。
少なくとも自立兵しか来ない。
ヘリの攻撃から逃れられる。
だが、それはかなりの賭けだ。
大通りに出ればすぐさま死ぬかもしれない。
それでも俺はその小さな希望の光に飛びつくしかなかった。
縋れ。小さな小さな光に。
一気にビルとビルの間を走り抜ける。
もう車も過去の繁栄の跡もない大通りを全力で走る。
ヘリも一瞬でこちらに追いつく。
それでもほんの一瞬。あいつらは出遅れた。
その一瞬が欲しい。喉の奥から手が出るほど欲しい。
俺は一気に中に転がり込む。
危なかった。扉の前に機関砲の弾丸が撃ち込まれていた。
だが、これでも安心したらだめだ。
自立兵の連中が来る可能性がある。
急いでカウンターのところに行って持ち上げる。
その下にある鉄の扉を持ち上げ、梯子をつかまずそのまま着地する。
足が痛んでも気にしない。
急いで銃を構える。
[顔認証を実行。……不一致。排除します。]
そういわれた瞬間に前の扉が開く。
もちろん何度も同じ手にはかからない。
俺は愛銃のコピー品を出てきた自立兵に向かって連射する。
火炎放射器を使用させる間すら与えずに殺す。
一つのマガジンを打ち終わるころにはそいつらは倒れていた。
そのまま中に入り込み、入り口の死角に隠れる。
もちろん待ち伏せだ。
俺はようやく一息つく。
まだ終わってはいないが、一区切りついた。
だがそれでも終わってない。
俺はもう一度気を引き締めた。
……しばらく待ったが全然来ない。
建物に入れないようにしているのか?
少し確認するか。
いや。これは相手の作戦かもしれない。
ドアの前にいて、来た瞬間に撃つ。そんなことかもしれない。
俺は警戒しながら、銃を構えながら一気にドアの前に出た。
……そこには何もいなかった。
よかった。
「ふぅ。」
そう一息ついた瞬間だった。
野生の勘。それがまた働いてくれた。
俺はさっきまでは何もなかった扉に向かって銃を連射した。
片手で反動を必死に抑え、そちらに撃った。
マガジン内の弾が尽きたころ。
扉には倒れたロボットがいた。
嗚呼。勝った。
そう思った。
だが。その一瞬の油断が命取り。
自立兵が室内に突入してきた。
「ちょっ!」
急いでベルトコンベヤーの陰に隠れる。
急いでマガジンを交換する。
だが、焦りのせいで手が震え、うまく入らない。
あぁ。もう!
ようやく入った。
急いで銃を撃つ。
ベルトコンベヤーに銃を置き、一気にばらまいた。
35発という相手よりも5発多いマガジンだ。
たかが5発。されど5発。
相手は自分の体に弾丸が当たると狙いが相当へたくそになる。
だからこの距離で外したわけだ。
敵の数は5体。
そう。5発だ。
相手は30発打ち切り、リロードを始める。
その隙に五発連続してそいつの頭を撃ちぬく。
「はぁ。はぁ。はぁ。」
先ほどまでうるさかった銃声は火薬のにおいを残して消え去った。
これであとは自由に探索ができるわけだ。
俺はとりあえずあのヘリを破壊できるようなものがないか探す。
できれば誘導型グレネード砲とかがあればいい。
……これは……。
そこにあったのは一つの機械。
いや。剣か。まぁ。槍なんだけど。
剣にも見えるものがついている小型の機械だ。
そしてこれを俺は知っている。
俺の部隊に採用されていたやつだ。
俺の愛銃があったし、この国はこちらの研究を進めていたんだろうか。
とりあえず、俺はその機械を手首のあたりに装着する。
そして必要なものを探す。
「……あった。」
そう。小型の砲弾だ。
やはりこの国は武器の研究をしていたらしい。
これを機械の中に装填する。
「よし。一発やってやる。」
俺はそれを手に装着した状態でここを出た。
ビルから出る。
覚悟を決めろ。さぁ。あいつを壊せ。
自分に言い聞かせ、俺は外に出た。
そいつは予想通りビルの真正面にいた。
俺は出た瞬間に地面をこれでもかと思いきり蹴る。
大ジャンプだ。
軍に改造された足は俺の欲する高さまで上げてくれた。
ヘリの上を取り、一気にさっきの機械をそいつに突き刺す。
そいつの装甲の浅くても突き刺さった。
「死ね!無人機が!」
そうして機械を起動させる。
その瞬間にヘリが内部から爆発四散した。
あの機械は槍のようなもので敵の内部に砲弾の爆発と圧力。すべてを送り込み、内部から爆発させるわけだ。
簡単に言えば中に爆弾を入れるための穴を掘り、その中に爆弾を入れて即座に起爆させるということだ。
……コピー品の割には予想以上に高火力だ。
俺はふと体を見る。
体には追われたときに撃たれたのか弾痕がいくつかあった。
「えっ。」
なんか…意識が………
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