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**第三章:「霧の境界—揺れる壁と異形の気配」**

「壁沿いを進む者たち」**


誠と翔太は、北へ向かうために歩き続けていた。

だが、境界はどこまでも続いていた。


この透明な壁はただの物理的な障壁ではない。

何かを拒絶する意思があるかのようだった。


そして、その境界の近くには異様な空気が漂っていた。

人ではない――獣の気配。


誠は息を飲んだ。

この封鎖された都市では、人間だけでなく、何かが変異しつつあるのではないか?


壁沿いを歩く。


この都市が閉ざされてから、どれほど経ったのか。

時間の感覚すら曖昧になりつつあった。


翔太が歩みを止める。


「この霧……何かおかしい。」


霧が濃くなりすぎていた。

音を飲み込み、視界を奪うほどに。


壁の振動を感じようと、誠は耳を澄ます。

かすかに揺れている。


だが、それだけではない。


――低い唸り声が聞こえた。


それは、人のものではない。

獣のような声。

だが、どこか歪んでいた。


翔太が剣を握る。


「この都市の変異は、人間だけじゃないってことか。」


霧の向こうから現れたのは、かつて山にいた獣――

だが、その形はもう普通のものではなかった。


角が伸び、目は暗く沈み、皮膚は硬質化していた。

異形化。


誠は背筋が凍るのを感じた。


「この街は、何を拒絶しようとしてるんだ……?」


異形化した獣が壁へと向かい、吠えた。

その音が、壁と共鳴する。


誠は目を見開いた。


「やっぱり、音がこの壁に作用する……?」


翔太が獣へ向かっていく。

だが、誠は動けない。


この都市は、人々だけでなく、環境そのものを歪めている。


彼らは、この都市の本当の姿を知り始めていた。


---

「閉ざされた都市の変異」**


壁沿いを進んだ誠と翔太は、異形化した獣と遭遇する。

人間だけではない、この都市は何かを変えようとしている。


そして、音が壁へと作用する。

この透明な障壁を動かす鍵が、彼らの中にあるのかもしれない。


次章では、さらに壁の秘密へと踏み込み、彼らは新たな選択を迫られる――。

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