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外伝 【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】結婚三年目のニ人 皇都到着 反乱軍リーダーとの出会いⅡ

フェレ皇国の皇都に到着したヴィルヘルム達が革命軍のリーダーと出会う。


目の前には大きなマホバニーの机が置かれた会議室目に飛び込む。

その一番正面に男が座っていたが、ヴィルヘルム達を見た途端に立ち上がり近づいてくる。


「オルファン帝国のヴィルヘルムです」


そう言って警戒心を解くようなくったくのない笑顔で握手を求め手を差し出す。

男はその手を強い力で握りしめた。


「はじめましてヴィルヘルム大公殿下。

 私は皇都革命軍中央司令官のアレクサンドル・ディア・ド

 ゥルージュと申します。

 フランシスの幼馴染で殿下の旅程、行動、人柄お

 聞きしております。

 我らに陰ながらオルファン、フェレイデン帝国の

 後見を賜る事嬉しく思います。

 是非協力をお願いしたい。」


年の頃は四十半ばか落ち着きと気品があり、反乱軍という荒々しさはない。

なんとなく貴族の雰囲気を持っているとヴィルヘルムは直感的に感じた。

澄んだライトブルーに切れ長の目元、長い髪はナチュラルブロンドで後ろで束ねている。

健康的な日焼けした肌に体つきはがっしりとして、確かに戦いの経験がある者である事がわかる。

しかしその顔立ちといえば正反対で、いかにも中央貴族しかもかなりの高位貴族の雰囲気は隠しきれなかった。


そして彼が名乗った姓にヴィルヘルムは心当たりがあった。

ドゥルージュ?確か……。


顎に指を当てて頭に浮いた疑問に自問自答してみる。


聞いた事のある姓だが?

果たしてどこのだった?

フェレ皇国の貴族に…??

ブルジョア階級?


挨拶もそこそこに考え込んで黙り込み場は一気に沈み始める。

 

フランシス機転をきかせて会話を続ける。


「久しぶりだな。

 元気だったか?」


久方ぶりの再会に頰を緩ましにこやかに微笑むフランシスが空気を柔らかなものに変える。


最後に会ったのはまさにクリスティア商団との戦いの前だった。

まさか自分がその相手の商団に入るなど思いもつかなかった。


「私はな。

 ただいろいろとあってね」


アレクサンドルが口を濁すにフランシスは事情を察した。

顔に陰りを感じたフランシスは安心させようとアレクサンドルの肩に手を置き背を二度軽く叩いた。


「ああ。知っている。

 その件も合わせて今日話に来た次第だ」


「すまないな」


「何言ってる。

 こっちとしても解決しないといけない問題だ」


「ありがたい。 

 ひとまず掛けてくれ」


「まず現状革命軍と皇国軍の交戦は膠着状態だ。

 あちらも首都圏で流石に大規模な交戦は出来ない。

 我々の襲撃に皇軍の隊が場当たり的に対抗が繰り返されている。

 いわゆるゲリラ戦だ。

 ただ気になるのは最近向こうの士気にむらがあってな。

 どうも解せないだ。

 うちの戦術は皇都は先住民族の精霊信仰が弾圧された際に地下で隠れて信仰された地下神殿の迷路

 になった地下道を元に改修して。

 地上に出て襲撃しては地下に潜る。

 使用した地下道はすぐに封鎖するので、奴らも地下道攻略には至っていない。

 何千年にわたってクモの巣のように巡らされているからな。

 ただ限界にきつつある。

 それと北部と東部の司令官が拘束されて牢獄に収監されている。

 彼らが戻らないと二つのエリアの統率がとれない状況だ。

 なので。

 すぐに本格的なクーデターを起こすには無理がある。

 それと大変不敬だが。

 リライディナ殿が皇位奪還を成し得て、私達が身

 を投げだしたいと思える方なのか。

 今一見極めたい。

 私だけがそう思うだけでは。

 君主たる逸材と皆が思える事が大切だと思う」


リライディナは真剣な眼差しでアレクサンドルを見つめていた。


実直な生真面目さがかえってリライディナは信頼出来ると感じホッとする。

本心を隠し腹のうちを探りあうなど苦手な分野だったからだ。


「勿論だ。

 そう時間はたっぷりある。

 私をその地位に相応しいか見極めてほしい。

 私はフェレの人々が笑える国にしたい。

 なんでも言える。

 なんでも話し合える」


だまりこんだヴィルヘルムは瞼をぱって開けての顔をしっかりと正面からじっと見て聞いた。


「貴方も私達に真を伝えないとフェアーじゃないな。

 真をね」


アレクサンドルは肝心したような、観念したように深いため息をついては深く頭を下げた後その問いにゆっくり答えた。


「だますような真似をして申し訳ありません。

 私の本姓はグランタリア。

 そう父はグランダリア公爵の弟つまり私は甥にあたります。 

 革命軍は皆知っているのですが。

 表だっては母方の性を名乗っています。 

 母は貴族ではないですがフェレでは珍しい裕福な商家で。

 貴族の私が反乱軍にいては何かと偏見があってね。 

 外部では母方の遠縁を名乗っているんだ」


ヴィルヘルムは口元をわずかに緩め瞬きをした後、しっかりと一点の曇りのない輝く瞳で見つめて言った。


「正直に話してくれてありがとう。

 うちはクリスティア商団を隠れ蓑にして行動する。

 武器は各所に保管し、順次利用可能な状態にしていきます。

 そなたらの武器やその他の調達はフランシスが助けてくれます」


ヴィルヘルムはアレクサンドルの手の前に差し出し握手を求めた。

「助かります。

 資金は上皇王即位後に弾圧を懸念し亡命したブルジョワ階級が手厚く出してくれているが。

 なかなか武器の調達がね」 


「その点は任せてくれ。

 東西南北の司令部にも各商団の隊が到着して接触している」


「助かる。フランシス!」

隣のヴィルヘルムはその晴れやかな笑顔に釣られて二人顔をあわせてはにっこりと微笑んだ。


「さて。僕に計画がある。

 是非一緒に行動してほしい」

ヴィルヘルムは一瞬のうちに軍師の顔に変えた。


革命軍と一定の合意を得たヴィルヘルム達は早速フェレ皇国を揺るがす計画を語り始める。


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