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外伝 【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】結婚二年目のニ人 夏至の日の出発

ヴィルヘルムとリライディナは協力者を得てフェレ皇国へ皇位奪還の為に出発する一団を結成し、その日を迎えた。 

太陽は闇の夜の終わりを告げるように、白く天にぱっくりと口を開けるように光放つ。

白から黄色の光はまだ早朝であるに神々しいまでに輝いている。

今日は待ちに待ったフェレ皇国皇位奪還の為に出発する夏至の日だ。


「姫様が故郷の民を救う為に皇位奪還を目指すな

 ど。

 私は誉れで嬉しく、また姫様の命をお守りしない

 とと。決意しました。

 娘共々この命の限りいえ、この命を引き換えにし

 てもお使えいたします」


ファナが嬉しさのあまり涙を流しながらリライディナの手に口づけ手涙を流している。


ファナは生まれてきてから祖父の元で生活してからも、片時も離れず世話をしていたファナにとっては、リライディナは主従関係以上の情愛で接していたので感激もひとしおだった。

リライディナは母を知らないだから母と思える存在は間違いなくファナだ。


リライディナの隣にはマーシャが泣きすぎて腫らした目が真っ赤になって、鼻はまだグスグスとしてくっちゃくちゃの顔で抱きついて離れないでいる。


「姫様!

 マーシャは姫様と共に。

 生きるのも死ぬのも一緒です!!」


けたたましく皆の鳴き声が森に吸い込まれていく。

「本当にこの日を迎えられるなんて奇跡だ。

 首領様もさぞお喜びだろう。

 だが全てはこれからだ。

 そう簡単ではないだろう」

ヴォルが軽いため息を吐きながら、これからの前途多難になるであろうと身を引き締める。首領からはすでにリライディナをオルファンに向かわせる際に意向を聞いてはいたが、いざ出陣となると流石のヴォルも緊張を隠せない。


「かなり覚悟がいるな。

 でも大丈夫だ。

 この為に全てを犠牲にしたろ」

隣のギャバンがヴォルの肩を叩いてヴォルの不安を振り払う。


この出発の日に合わせディナス家からも千人の騎馬隊が到着していた。

数は少ないがいずれも戦術にたけた兵で人選に並々ならぬ祖父の思いが感じられる。


「アズラン!

 久しぶりだな。

 お祖父様はお元気か?」


リライディナが声をかけたのは浅黒い大男で、厳つい顔には刃に出来た傷跡が残っていた。

どうやら騎馬隊長のようだ。


「姫様にもご機嫌よろしいようで。

 首領様はたいそう元気でこないだなと大猪と格闘

 されていましたよ!」


「そう。ならいい」


「姫様をとても心配されて、お守りするよう仰せつかっております。」


「ありがとアズラン」

 

「リラ!

 用意はいいかい?

 クリスティア商団も準備万端だそうだ。

 僕達は商団としてにフェレに入る。

 武装のカモフラージュは完璧だそうだ」


いかにも商人といった変装をしたヴィルヘルムはいつもより緊張の為に表情の硬いリライディナをリラックスさせ不安に感じないようにさりげなく言う。


出発隊はアレキサンドロヴィッチの城壁に集合してその時を待った。


「いよいよですね。

 準備万端です。

 武器は分解して荷に積んでいます。 

 兵も経験豊かな信用できる精鋭をニ千用意しまし

 た。」


「フランシスありがとう。

 こちらもオルファンとフェレイデンから二千信用

 できる精鋭を用意出来た。

 合計五千先発隊としては十分だね。

 もし追加が必要な場合は次の冬至の日に後発隊が

 組まれる手配になっている」 


ヴィルヘルムはフランシスに握手を求め、感謝を伝えた。


「いえ。

 この数だとクリスティア商団でも大商団隊で組ん

 だ事がありますし、野盗向けに兵をつけていま

 す。怪しまれたとしても弁解出来るでしょう」


皆初めての空間超えの体験に緊張して、空気が張り詰める。


時満ちて太陽が頂点に達した時、皆城壁に集合していた。


そして空間の歪が開きその黄色の光の中へと先頭の馬車がゆっくりとそのぱっくり開いた黄色の光の中に吸い込まれるように列を作り、新たな旅立ちへとむかっていった。

一団は無事にフェレ皇国に到着出来るでしょうか?

次回一団にいきなりの危機が。


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