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外伝【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】結婚一年目の二人 点と点を繋ぐ線Ⅱ

離宮で和やかに過ごしていたヴィルヘルムとリライディナの前にシャハルバードの大統領が内密に訪問してきた。

どんな話をするのか?

物語は次の展開へ。


「はい。その通りでございます。

 フェレ皇国は元々独裁的な国家でした。

 それは多民族国家でかつ少数のフェレ人の統治

 で行うには否めないかもしれません。

 それでも三代皇王時代前までは比較的健全な統治

 でした。

 しかし前皇王のクーデターから今日に至るまで国

 民は疲弊し、流民で溢れております。

 エルディア大陸最大の危機になりかねません」

瞳に危機感を湛え、自国の利益個人的な因縁など感じないほど大陸全土の広い見地が大統領から感じるヴィルヘルムだった。


「ああオルファンにもフェレの流民が流れてきてい

 る。

 相当な数だ。

 治安も疫病も蔓延してきていると聞く。

 今の所救済出来ているし、うちは経済も安定して

 いるから国民から不満が出ているわけではないか

 ら。

 国内問題化はしていないが。

 他の国は社会問題になっていくだろうね」

リライディナも思い出も少ない祖国だが、あった事のない国民の心配を出来るほど優しく責任感がその言葉で十分感じ大統領はほっと胸を撫でおろす。

大丈夫かもしれないしれないと。


「ええ。特にフェレ皇国の同盟国はただでさえフェレにいろいろ絞り取られているのに。

 更に流民となるとかなり危機的問題になっていると聞いています

 国内も相当ガタがきているのでは?」

ヴィルヘルムは外務大臣から聞いていたフェレ同盟国から聞いていた。

挿絵(By みてみん)

「それが皇国軍が出動している始末と聞きます。

 国内の若い貴族、ブルジョワ階級の子息が主ですが、皇室に反旗を翻し地下でレジスタンス活動を展開しており、地方でも一部では反乱軍が支配している街も出てきているようです。

 首都では皇室強硬派の大臣が襲撃される事件が多発しており、政情はかなり不安定化しています」


「大統領閣下それだけ詳しく事情を承知とみたところ。

 閣下が裏で関与されているようですね」


ヴィルヘルムが核心をついた。


「殿下に嘘を申してなんの得がありましょうか?

 お話します。

 確かに彼らの支援をいたしております。

 彼らの話では軍事面では一歩及ばず、しかも革命軍に正当性が低いというのです。

 血気盛んではありますが、まだ精神的支柱がない

 のとやはり経験値が低く、統制が取れないという

 弱点が大きな問題です。

 仮に革命が成功してもその後は分裂し国内が不安定化するでしょう」


「まあ端的にいうと旗印が欲しい。

 共和国を成立させたい訳ではないのですね」


「ええ。殿下のおっしゃるとおりです。

 仮にそうなれば多民族国家であるフェレではかなりの分裂が起きます。

 そうなれば国力は落ち小国に成り果るだろうと考

 えて、最終的には立憲君主制をひきたいという意向です」


「そこで新たな君主となる人物を探していた。

 でも大統領の最も身近に候補者がいらっしゃるで

 はありませんか?

 何故リライディナなのでしょうか?」

話を聞いていたヴィルヘルムは一つの疑問を投げかけた。

それはそうだ。

最も身近で信頼の出来る妻ではなく。あった事のない義妹に白羽の矢を立てたのだ。


「妻は今の生活に満足していて、環境が変わる事を望んでいません。

 大統領夫人という立場もあまりなじめないようです。

 勿論私もです。

 かつ私の個人的な思いですが。

 妻への仕打ちを決して許せません。

 積年の恨みと申しましょうか?

 まだ幼かった妻を殺害しようなんて。

 許せません。

 現在のフェレ皇国を立て直し健全な国家に導ける人物を。

 その資格、その気質を満たせる人物が他におりません。

 そう()()()()()()()殿()()()()


噂通りそうとう愛妻家だな………。

ヴィルヘルムは声に出さないまでも自分もそうなる予感は十分していたので茶化つもりはない。



「私は幼い頃に国を出たので祖国の詳しい事情を知

 るわけではない。

 でも物心つく頃から祖父から祖国の事は聞いてい

 た。

 今も私の周りの人達は祖国に家族を残したままだ。

 その者の話によると毎日の食事にも困る始末だという。

 いたたまれない。心が痛い。

 多民族国家で国の根幹を結びつける支柱が必要な国だと私も思う。

 現在は独裁国家で人民は疲弊し、治安的にも政情的にも不安定で反乱や犯罪も多発している。

 私は難しい事はわからない。

 でも小さな頃から祖父はいつも私の生まれについていろんな折に言っていたものだ。

 人にはそれぞれ宿命を背負っていてそれは生まれ落ちた時に持っているもの。

 それから逃れる事は出来ない。

 だからそれを背負える人となれと。

 それを恐れてはいけない。

 御前の全てを。その宿命をはたせと。

 いろんな事をさせてくれた」


「ええ。彼はとても勇敢で勇猛で。

 そう言ったでしょうね。

 そこでリライディナ妃殿下。

 貴方を新フェレ皇国皇王として即位してほしい。

 私シャハルバード共和国、フェレイデン帝国、オルファン帝国が結集して貴方を後方から支援いたします。

 但し外交上表立っては難しいですが、資金と軍事、人材その他の裏での支援をフェレ皇国が立ち直るまで支え続けます」


「私はまだ統治者として足りない。

 自覚している。

 お母様にもそう言った事がある」

不安そうな瞳を大統領に向けるとシャルルは温かい優しい微笑みと共に言った。


「妃殿下。

 一人では重荷を背負い全ての重責には耐えられなでしょう。

 そして一人では完全にはやり遂げる事は出来ないでしょう。

 でも妃殿下のその信念や人柄十分に備わるカリスマ性。

 貴方の周りに優秀な人物が貴方の魅力で自然に集まり、それは強大な力になりそれを可能にするのですよ」


「大統領はお母様と同じ事をゆうんだな」


「リラ。僕は十分に君には素質があるよ。

 僕も全力で命に代えても君を守る。

 それはヴォルとギャバンもアンリも一緒だよ」


「ヴィルヘルム…君にいなくなられると困る。

 悲しい………」


リラそういうとこだよ。


「妃殿下のその人柄、自然さ、素朴さ、全てにおいて魅了する。

 私の目に狂いはなかった。

 先にお会いして確証がほしかったのです。

 貴方しかいない」


「魅了?」


「ご本人に自覚がないのが更にいいかもしれませんね妃殿下。

 手始めに一団体手元に送りましょう。

 クリスティア商団オルファン支部 キャラバン隊という名の軍事集団を。」


僕はリラのいままでの言動、行動を改めて思い出した。


狩りをするし馬にも乗るし、剣まで使い手だし。

庶民の食べ物を口にする事で、彼らの生活を少しでも体験したいんだ。

彼らを最も知りたい。

そして……と言っていたし。

アンリエットには栽培と……栽培というよりも経営に興味があるんだ。といったらしいし。

リラが大変勉強熱心と母も言ってたし。


考えてみたら今までのリラは何か信念の上で行動して言動していたように思う。

ここまでこないと理解出来ないなんて夫失格だ。

いや失格なんて言ってる場合じゃない。

そう返上したらいいんだ。

僕はリラに相応しい王配になればいい。

彼女に寄り添い。

彼女を支える。


ヴェルヘルムは自分の手をリライディナのそれに重ねて熱い血潮を共有しようという行動だった。

リライディナは安心した様にヴィルヘルムの瞳を覗くと自分の不安な瞳が。なんの不安のない凛とした瞳が自分を見ていた。

大丈夫かもしれない。

私の周りの人がこんなに自分を信頼してくれたいるんだ。


リナの中で今まで多くを占めていた不安と迷いが霧が晴れた様にどこかに消えた瞬間だった。


二人はついに宿命を受け入れ、フェレ皇国の皇位に挑戦する事になった。

次回クリスティア商団との出会いに新展開へ。


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