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外伝【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】結婚一年目の二人 婚姻式の前夜

離宮から皇子妃教育を終えてヴィルヘルムと一緒に宮廷のお披露目会を無事に終えていよいよ明日二人の婚姻式が。


皇后エリザベートの寝室では?

皇后と誰が何を話しているのか?


昼間は貴賤を問わず慌ただしく人の出入りの激しい皇后宮だが、夜は打って変わって静寂に包まれた空間へと変貌る。

全く同じ場所とは思えないほどのある種地上のそことは思えない重厚感と神秘性を感じる。

窓から満月の光が射しこむと薄っすらと宮殿内は神々しいまでに青く妖しげに輝きを増す。


その皇后宮の更に奥にある皇后のプライベートエリアの寝室で囁くような、声にならない声が漏れ聞こえている。


いや聞こえるほどとは言えないほどの声だ。

そこからかろうじて漏れ聞こえる。


あまりの静けさに耳につくだろうが、人払いをしているのだろう辺りに人が気づく様子はない。


皇后の寝室は蝋燭の光が灯されているものの、わずかに薄暗く見える程度だ。

ソファーに腰を下ろす暗闇に浮かび上がる様に二つの影が重なり合っている。


「リラ。

 貴方は貴方のままでいいのです。

 それが人を引き付ける鍵になるでしょう」


「だけどお母様。

 まだ多くを学んでないんだ」


「今は不安でしょう。

 でも貴方は貴方のままで。

 いえ。

 そのままがいいのですよ。

 そのままでこそ。

 貴方の武器になるでしょう」


「だって私にはたらないもの。

 いたらないものが沢山あるんだ。

 こんなんじゃ。

 絶対成し遂げれない。

 きっと」


「いえ一人では全ては出来ないものよ。

 貴方は皆を引き付ける大きな力が。

 その存在が全てなの。

 一人では全ては成し遂げれない。

 一人で行えば必ず綻びが出てそこから崩れてい

 く。

 そうしたら鋼の権力といえど必ずね。

 今のフェレ皇国の様に。

 それぞれの得意とする分野の最高峰の人物に任

 せ、それらの人々から信頼される人物になれば。

 それ以上の力になるのよ。必ずね」


「そうかな?」


「貴方は貴方のまま。

 今のままでいいのよ。

 今のままがいいのよ。

 いい。

 オルファン民族は情熱的で陽気だけれど、自尊心

 の高い人物で認めない人物にはどんなに高位な貴

 人であっても受け入れはしない。

 私達が擁護しているからだではないわ。

 貴方はオルファンをオルファンは貴方を受け入れ

 た。

 忘れないで絶対に。

 貴方はその存在が全ての者の希望となる。

 その為に私達は全てを託します。

 このエルディア大陸の存亡をかけてね」


「お母様。

 本当に出来ると思うか?」


「えぇ。必ず。

 女神ディアの祝福を受けるでしょう。

 その為にこの時に相応しい者、物、事全てを準備

 しました。

 完璧に。

 だから大丈夫です」


「あぁ。

 わかったよ。

 でも…。」


「愛しい娘。

 貴方の身近な者を信用しなさい。

 皆を信頼しなさい。

 必ず出来ます。

 そうその為に我が帝国と同盟国が準備を行って来

 たわ。

 必ず帰ってくるのですよ。

 首を長くして待っていますよ。

 いつまでも永遠に。」


「うん。わかったよ」


「明日は大変な一日になるでしょう。

 今夜はゆっくりと寝なさいな。

 私は陛下の十人目の皇后だったので、実は国を挙

 げての挙式や祝賀、祝宴を遠慮したのよ。

 子供達には立派な門出をしてあげたいわ」


「わかったお母様。

 お母様婚姻式を盛大に出来なかったのを残念に思

 ってる?」


「いいえ。

 ハインリッヒが生まれる前に立派な新王朝の初立

 后式と婚姻十年祭を盛大に祝ってもらったから。

 なんとも思っていません。

 そんな事はなんとも思わないほど幸せです。

 私の娘リラ明日楽しみにしています。

 もう寝なさい。

 明日は大変よ」


「はい。お母様。

 おやすみなさい」


「おやすみなさいリラ」


そしてその声を最後に皇后宮は再び静けさを取り戻した。


リライディナの運命の糸が紬始める。

次回婚姻式が行われて二人は新婚旅行に旅立ちます。

二人の今後に注目です。

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