外伝【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】 婚約一年目の二人 私がヒキガエルになるのか?
ヴィルヘルムとリライディナの婚約によって離宮で生活している二人ドンドン近づいている。
ヴォルポルトが二人の仲をからかって、リライディナは恋愛、結婚についての知識を知るがそれは衝撃の内容だった。
あぁ…なんで今日に限って全く先生の話が…。
先生の話が全く入ってこないんだろうか?
今日はとても重要ですごく大切で、一番大事な授業「フェレの近代史」なんだ。
私の流れている半分の血の歴史を学ぶ日。
なのに…なのに…。
私の頭の中の全てがヒキガエルで埋め尽くされてるんだ。
ひっくり返った。
ヒキガエル…ヒキガエルがひっくり返ってる姿が……私の頭から離れない。
しかも私の隣にはヴィルヘルムが・…。
ヴィルが座ってる。
張本人のヴィルがだ。
涼しい顔をして!
先生の顔とノートを取りながら張本人が!!
リライディナはヴィルヘルムを横目で見ながら、ドンドンむかついてくるし恥ずかしいくなるし。
だからと言って文句も言えないし…………。
もう~~~顔も上げられない。
あはぁ〜〜。
結婚……。結婚……。
ヒキガエルにならなきゃいけない。
ヒキガエルにならなきゃいけないのか?!
ひっくり返ったヒキガエルに。
「リ…リライ…リライ…ディナ……皇女殿下?」
はっと我に返るとすぐ傍に教師のラディック伯爵がリライディナの顔を覗き込んでいた。
あまりの距離に気付いた時にはもう遅かった。
パチッ!!
教師の頬にリライディナの掌が。
リライディナの手が震えている。
やっちゃった!!
そう先生の頬を思いきりビンタしたのだ……。
呆気にとられた教師は茫然と顔を何で?と言わんばかりにリライディナの顔を覗きこんでいる。
もう耐えられない~~~。
そう思ったら、ついにスイッチが入ってしまった。
「わあぁぁぁぁ~~~~~~」
部屋の窓が全部割れるんではないかと思っくらい大声で泣き叫んだのだ。
教師も突然の事にどうしたらいいのか、右往左往してようやく部屋を出て侍従長を呼びに行った。
ヴィルヘルムは泣き叫ぶリライディナの背中をさするが、明らかに泣き声の音量がMAXになり始めたのを察しやめた。
どうしたらいいの?
ヴィルヘルムは石像になったように、リライディナの隣で固まっている。
当然当日の授業は中止。
先生は訳も分からず、赤い頬を手で押さえ、侍従長に説明してそそくさと今日は離宮を引き上げていった。
「私何をしたんだ?」
自分のした事がまったくわからないでいた。
そう野生の拒否?
静まりきった離宮内。
その日は誰もリライディナに近づかない。
無言の侍女が寝室まで夕食を運びそれを食べて、そのままベットで過ごした。
翌日少し気分が戻り昨日の出来事を思い起こし、教師にお手紙を出す事にした。
頬を殴ったお詫び、どうかしていた事。
今後真面目に授業を受ける事。
だから授業をしてほしい事を滾々と書いたのだ。
教師はすぐに手紙を書いてくれ、優しい心の籠った返事をくれた。
勿論答えはYESだった。
あぁぁぁ~~~。
これもそれも皆あんなことを私に言うから!。
マーシャ……!!!
そう昨日のキスしたら子供が出来る知識宣言の後、さすが庶民のマーシャは結婚の何たるかを知っていた。
マーシャはリライディナよりも4歳上、現在18歳の女子盛り。
ファナにはリライディナと同い年の子供がいたが、運悪く乳児の内に亡くなった。
時同じくリライディナの里の要請でリライディアの乳母となったのだ。
その時に本来ならば子供は故郷に置いておくものだったが、マーシャにはすでに父もなく、しかたなく一緒にフェレへ渡ったのだ。
なのでこの母と一緒にフェレの下町にも出入りしていたからそのあたりは精通している。
この後皇室の方々がこの離宮に避暑にこられた後、帝都に一緒に戻るが無知識のままでは乳母はまずいと思ったのだ。
その後結婚式の夜に晴れてヴィルと夫婦になる。
母に頼まれて子供はキスでは懐妊しない事を伝える。
何をするのかを女性としての教育を頼まれたのだった。
マーシャは単純に面白がっていた。
何せこの年頃の差は大きい、しかも皇女は世間を全く知らない。
ちょっとした面白さにテンションがあがり、リライディナに大きな衝撃をもたらす話をオブラートなしで話した。
で惨事の結果になってしまったのだ。
「姫様!
いいですか。
キスで子供は出来ません!」
「絶対に?」
「はい。絶対に」
「ふ~~~ん。
じゃあどうしたらできるんだ?」
「それはですね。姫様」
「ん。私も親にならないといけないからな。
しっかり教えてくれ」
「いいですか?
まず結婚式の後、一緒に寝る初めての夜。
姫様は皇子様と寝室を共にします」
「へえ~~~~一緒に寝るのか?
寝れるなぁ?」
「あっ!そこからですか?」
「ふう~~~~ん」
「まず皇子様が姫様をベットに寝かせて身体を愛撫します」
「はあ ~~。愛撫?愛撫ってなんなんだ?」
「んっ!愛撫とは……優しく撫でる…という所でしょうか?」
「くすぐったいな」
「その後、キスもするでしょう。
いろんなところを触られますが。
抵抗してはいけません」
「えぇ~~~そんな検分するのか?」
「検分?
まあいいです。
最終的に皇子様の大切な一部が姫様の下腹部に挿
入して事をなされます」
「何?それなんだ?それ?」
「少し痛いですが、我慢です。」
「え?まあ剣の鍛錬で痛いのは慣れている」
「まあ…。とにかく拒否してはいけません。
皇子様は姫様の上に覆い被さり上下の体勢になり
ます。
びっくりしてそのまま撥ね付けてはいけません
よ」
「上下?じゃあ私はヴィルの下に仰向けになるのだ
な」
「まあそうです」
「その挿入とやらはどういう体勢なのだ私は?」
「両手は皇子様の背中に。
両足は左右に開くのです」
「はぁ~~~~~~???
まるでまるで……子供の時によく見た
ヒキガエルの腹見せみたいじゃないか!!」
この話でリライディアの頭の中の全てがヒキガエルのひっくり返る映像が支配されたのだ。
ヒキガエルのひっくり返った姿…
ひっくり返ったヒキガエル
リライディナの態度にどこか不安げな様子、ギクシャクする二人の前に夏のバカンスに離宮に合流する皇帝一家がやってくる。




