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外伝 最終章最終回 皇位奪還 【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】フェレ皇国の未来へⅡ

マリアンネとの戦いに勝利して皇都へと戻る。

そして皇位を継承しフェレ皇国の再建を行っていく。

ヴィルヘルム一行は帆船で皇都に戻り、皇宮近くの離宮を正宮にしてそこで新しい政務を開始した。


最初に着手したのは朝廷と行政の一新だった。

旧上皇王派は宮廷を追われ、追放され一掃された。

グランダリア公爵派は後継者の世代交代を要請され家門の当主は一気に若返った。

以前は行政官しか道のなかった新興貴族や地方貴族達の中で才能や秀でた者が選ばれ政務と行政は急ピッチに進む。

績を残そうと政務に励み貴族社会は固い岩盤が砕けるようにがらりと一転する。



ヴィルヘルムの個人的な気がかりはアンジェリの事だ。


廃絶されていたフェレ=ディエンブルグ大公家を再興させてアンジェリをフェレ皇国の現第二継承権者として遇した。


その大公任命授与式が戴冠式のような豪華な式典として執り行われる。全てはリライディナとヴィルヘルムの意思だった。


新たな大公家の再興は新皇王にとって火種となる可能性があった。

しかしにも関わらず承認した行為を皇民達は善行と皇王を讃えた。


アンジェリはそんな二人に最大の感謝と責任を果たすと固く誓う。

以降女大公はフェレ皇国の繫栄に後見する事になる皇族の一人になった。


次に行ったのは軍隊を掌握し、再編して軍事面で大幅な改革を行った。

二度と暴走する事のないように。


そして旧クロフォード公爵派の汚職貴族、悪徳商人の違法行為の摘発や賄賂、買収役人の逮捕。

治安維持と貧民と病人のための救護活動と公衆衛生と衛生施設の改善、あらゆる山積みの政務に寝る暇もなく働いていった。


皇宮の再建もせず、即位式すら後回しに死にもの狂いに政治改革するヴィルヘルムとリライディナの人気はウナギ登りだ。


再建にはほど遠いが直近の問題は解決していった一年後、元上皇王マリアンネと側近貴族の裁判が始まった。


マリアンネは始終太々しい態度で接し、側近達は自分達は君主に従っただけで従うしかなかったと全ての罪をマリアンネに押し付けた。

しかしそれが通るはずもない。


マリアンネは皇都引廻しの上斬首刑、側近達は身分剥奪の上終身刑か強制労働、投獄それぞれ言い渡された。


当日は多くの皇民がほとんど目にする事のない元支配者の没落した姿を見ようと野次馬がたかっている。


まさにプライドはズタズタに切り裂かれ、殺気に満ちた濁った瞳で睨みつける事しかマリアンネは出来ない。


早く早く殺せ!!


そう心の中で叫びながら屈辱に耐えていた。

おそらく人生で初めての屈辱だ。

腸が煮えくりかえるほどの怒りをもはやどうする事も出来ない。

何せ鉄製の籠に入れられ手足に枷をされて身動きできないのだ。

皇民達は家族を失った者。

病で一生不自由な生活をおくらないといけない者。

貧しい生活を強いられてきた者。

あらゆる不幸を背負わされた民衆はこの邪悪な元君主に向けて言い放つ。


「この人殺し!」


「悪魔!

 子供を返せ!」


「御前が皇宮で贅沢していた時私の子供は餓死して死んだ!」


「人殺し!」


「早く死んじゃえ!!」


「殺せ!」


「殺せ!!」


暴言を浴びせられ屈辱のあまりに「早く死ねれば」とさえ思うマリアンネ。

皇都のあらゆる大通りを延々と見世物にされ半時ほど後でようやく処刑場へ到着する。


高く聳え立つギロチン台は太陽の光を浴びてその巨大な刃が牙をむいていた。


あぁ~~~早く早く殺せ!!


その場には処刑見届け人と見物客だけしかいない。


皇族の誰一人としていない。

ヴィルヘルム達が立ちあうであろうとさえ思い、怒りの全てを言い放つと決めていたマリアンネは途端に抵抗をする様に籠から出てこない。


「早く囚人を籠からだせ!」

冷たく処刑執行人が言い放つと兵士が数名近づいてきてむりやりマリアンネを籠から引きずり出した。


「離せ!!

 皇族がきていない。

 あの私から皇位を奪ったあの二人が!

 あの愚かで。

 皇位を継承するには役不足の女と男が。

 いないではないか!!」


そんな言葉を遮るように五人がかりでマリアンネを押さえつけ、ギロチン台へ続く階段へと無理やりに連れて行く。

手入れのまったくされていない傷んだ髪が乱れ、汚れた顔に張り付いているのもかまわない。

瞳だけは血走ってギラギラと敵意を向けて処刑立会人を睨みつけた。


そして裁判所が発布した処刑許可書を執行人が読み上げる。


「ここに国家を破滅に導いた愚かな元君主の処刑を執行するにいたったこの者の罪は……」


君主だった者の罪状がずらりと読みあげるその罪の多さに見物人は言葉を失っている。

そう自分達の貧しい暮らしはこの女のせいだと実感させられたのだ。


「この悪魔!」


「早く殺せ!」


「娘の仇!」


「父を。母を返せ!!」


「兄を姉を!!」


「妹を弟を!!」


「早く死ね!!」


あらゆる暴言で処刑場が揺れるのではないかと思えるほどの怒りが爆発する。


処刑執行人が右手を高々と上げると。


処刑人達がマリアンネの身体を持ち上げてギロチン台の板に楽々と寝かせる。

もはや女の力では抵抗は出来ないほど男達は押さえつける。

しかも口元は布できつく縛られているから何も言えないでいる。

ただ恐怖のあまり涙目になり首を激しく左右に振るのがやっとだった。


「グッ……グワッ!!」


あっという間に木の固定板に首を挟まれ何の抵抗も出来ない。

まさに処刑が現実のものだと実感させられる。

恐怖で痙攣を起すも誰もやめようとはしない。

それはそうだ。

女のした事は決して許される事ではなかった。


「これより刑を執行する」


シュ!!!


鋭い空を切る刃は何のためらいもなくマリアンネの首を一瞬のうちにはねた。


ゴン!

だらりと血だらけの女の首が木の樽に収まる。

その周りには血飛沫が飛び散っている。


「わぁ~~~~わあ~~~~」


「新しいフェレ皇国万歳」


「新皇王陛下万歳! 

 王配殿下万歳」


「フェレに幸あれ!!」


「わぁ~~~~~~~~」


「フェレに栄光あれ!」


遂に処刑が行なわれ、長い戦いに勝利したヴィルヘルムとリライディナ。

次の回は戴冠式へ。

とうとう最終回です!

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