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外伝 最終章 皇位奪還【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】決着の時Ⅱ

ディアナを人質に取られて身動きがとれなくなったヴィルヘルム達。

どうこの窮地を乗り切るのか?

ファビエンヌを助ける為遂に上皇王の行方を突き止めたヴィルヘルム達。

しかしディアナを人質に取られ、上皇王の要求を受け入れるしかないヴィルヘルム達は?


「一つ聞いていいか?」


ヴィルヘルムは饒舌な上皇王の様子にどこかに隙が無いか?

探る為に言葉をかける。


「ふっ~~まあいいだろう」


「ファビエンヌをどうした?」


「あぁ~~あの不埒な女か?

 今頃そこらへんで死体になっているだろうよ。

 あの女人のしかも君主の夫を誘惑しておいて子供まで産んで…。

 それでも生かしておいたのは私にそっくりだったせいだ。

 何でも母方が亡命貴族のフェレ人で髪の色は違っていたが。

 瞳は綺麗な真っ赤だった。

 恐れ多くもフェレ皇家の深紅の色。

 だからさ。

 かつらを被らせて私の影を何度もさせたさ。

 そうそう毒薬を飲まされたり、刺殺されかけたり、事故死に見せかけられて何度も殺されかけたね。

 まあ………いままで生かされていたのは女神の祝福だろうね。

 だからここまで生かした。

 私の死を目にさせる為にね。

 君らに悟られなかったら実現しなかったけどね。

 このままファビエンヌとして同行して隙を見て出国しようと思ったが。

 まあ失敗した時の防御線で隣国の力を借りる手配は出来ていたがね。

 まあ楽しかったよ。

 でも君達は謎の戦闘集団に殺され、ここで死ぬという物語は継続中だよ。

 そして私は再び戻ってくるよ。

 必ずねフェレ皇国の君主としてね」


今この状況でも悔しそうでもなく、残念がるでもなく。

自分の将来の君主として君臨するのは当然とばかりの口ぶりだ。

なんの障害もないという自信がヴィルヘルムには信じられなかった。


「そ……そう………」


「じゃあそろそろグーリューク王国へ去らなくてはね」


上皇王は満面の微笑みを湛える。

そしてディアナに突き立てた刃を更に首元へと押し当てた。

ジリジリとゆっくりと後方へと徐々に下がっていく。

ただ瞳だけはヴィルヘルム達を注意深く凝視しながら。


ザッ!ザッ!!ザッ!!

砂を踏む足の音が不気味に無音の砂漠に刃の切り裂く音の様に聞こえる。

自分達の使命が。

努力が。

すべての希望が去って行く。

ヴィルヘルムの心は悔しさで張り裂けそうだった。


このままフェレを再建してもいずれこの女が皇位奪還を名目に混乱が起るだろう。

皇民に苦労をかけるのは間違いない。

胸が押しつぶされそうになる。



「止まれこれまでだ!!」

突然上皇王の背後で低い男の声が空に響く。


反射的に上皇王はディアナから目線を外し後ろを振り返ると、僅かに刃がディアナの首元をそれる。


と、あっという間にその男の刃が上皇王の喉元を突き立てていた。


と同時に上皇王のディアナに突き立てられた剣をいとも簡単に奪った。


「クッ!!」

みるみるうちに上皇王の顔色が真っ青に変わっていく。


「惜しかったな()()

 ディアナ!殿下の所に行くんだ!」


ディアナは上皇王の懐から素早く飛び出した。

息を切らせながらリライディナに抱きつく。


安心したのか深い吐息を一つたてた。


「大丈夫!

 私が守る」

リライディナは強い眼差しを上皇王に向け、敵意を隠さない。


「ギャバン?!!

 ギャバン!!」

リライディナの驚きと高揚した様な嬉しそうな彼の名を叫ぶ。


「ギャバン!!

 遅いぞ!!」

ヴォルの声が聞こえた。


「??」

全員?だっ。

目を丸くして状況が飲めない。


「はぁ~~いや~~ギャバンと連絡をとりあっていてね。

 どうしても協力したい。

 なにかあったら俺を呼べと言われてね」


ヴォルは半笑いで申し訳なさそうに告白しながら置いた剣を手に取る。

まさにしてやったりといった得意げに胸を張った。


「………」


リライディナは嬉しいような、悲しいような。

どうしようもない気持ちを抱え恨めしそうにヴォルを見てぼそりと言った。


「あとでゆっくり話がある」


めんどくさい事になるなぁ〜。

ヴォルは半笑いを浮かべながら剣を拾い上げた。


「はあはああぁ~~~~はぁはああああ〜

 ああ傑作ダ~~~!!

 本当に!!

 さあグーリューク王国の兵士達よ!

 いまこそ! 

 こいつらを殺せ!

 私はかまわない!!

 さあこちらへ!

 戦え!!!」


気がふれた様に上皇王が喚き散らすと一戸集団の影が反対側のギャバンの後ろに現れる。

緊張が一気に高まる。


「あっ!!

 ギャバン!!」


そう言ったヴィルヘルムの顔を見てギャバンはにっこりと笑いかける。


「さぁ殿下!

 暴れましょうか?」


皆置いた剣を素早く拾い上げ臨戦態勢に入る。


爽快な笑顔で、内なる戦いの意欲にメラメラと炎が立つ。


それはリライディナも同じ。

いやこの場にいる者全員が同じ思いを抱いている。


ザッザッザッ!


ザッザッザッザッザッザッ!


ザッザッザッザッザッザッ!!


砂を金属が蹴る様な甲高い音と擦れるような金属音が砂漠に響く。


かなりの人数だ。

どう見ても兵士だ。

耳を塞がないといけないくらいのけたたましい耳障りの悪い音。


「くるぞ!!」


「よっしゃ!」


「暴れますか?」


剣を構え黒い物体を凝視してその時を待った。


風が起こる。

砂埃が渦を巻く。


躊躇する事なくその黒光りした甲冑の集団の中へと飛び込んだ。


砂が風に舞い散る。


ヴィルヘルムの踵が、指先が強く砂を掴んで踏みしめる。


乾いた風が巻き起こる。


シュ!

宙を剣が舞い空を切る。


カシャ!キーン!!


鋭い金属音

兵士の剣を振り払い一気に電光石火の早業に懐に入る。


次の瞬間に血吹雪が舞い散り、ヴィルヘルムの前で踵から崩れ落ちた。


「まだまだ!」

ヴィルヘルムの動きは止まらない。


波の様に押し寄せる敵兵をもろともせずに次々押し倒す。


リライディナもディアナを守りながら力を抜きつつ、相手の動きを読みあげる。


シュ!シュ!

まったく届かない剣に敵兵は苛立ち益々動きが荒くなる。


そこへ小さな身体がすっと兵士の懐に入る。


短剣で一突き。


「グッ……」


ゲポッ!!

ドン!!


吐血しそのまま砂の上に倒れて動かない。


ギャバンも久しぶりの交戦も感じさせない俊敏な動きで敵を砂の上に沈めていく。


エメラディーヌも団員達も次々不利な戦いをもろともせずに兵士を倒していく。


しかし敵兵があまりに多かった。


「仕方ない!!」


アレキサンドルが懐から何かを取り出し頭上に挙げたその時だった。






援軍に悪戦苦闘するヴィルヘルム達に!

突然!?


次回戦いの終結とフェビエンヌの行方は?

とうご期待!

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