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外伝 最終章 皇位奪還【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】龍の目覚めⅣ

龍の化身に変化したクロフォード公爵は上皇王とファビエンヌを乗せて皇宮を脱出する。


革命軍から逃れる事が出来るのか?

「レオポルド!!

 しっかりしろ!

 助けてくれ!

 このままでは落下する!!

 お前が!

 お前が私を殺すのか?!」


龍の背にしっかりとしがみつく上皇王は激しい言葉を投げかけた。

必死の形相で龍の身体を何度も激しく叩く。


しかしその手に感じる龍の肌の感触は徐々に霧のようなおぼつかないものへと変わる。


血の気が一気に引く。


「早く!!なんとかしろ!!

 レオポルド!!」


そうこの龍はレオポルドの命と引き換えに、精神と心を龍に捧げたレオポルドの変わり果てた姿だ。


レオポルド自身の意識は存在していたが、意識だけで身体は龍の姿。 

しかも身体が少しずつ軽くなるような欠けていくような感じた事のないような感覚があった。


マリアンネを助けないとここで消滅する訳にはいかない。

もはや強い信念だけで動いていた。

自分の異様な姿などどうでもいい事だと。

そう思っていた。

何故こんな姿になどという疑問はまったく思わない。

それどころかさらに献身的に上皇王にこの身を捧げるという思いしか頭の中にはない。

自分ではない人ですらないその姿に何の絶望もない恐怖心もない。

まるで呪術にかかった様に全てはマリアンネの思いだけで存在しているとしか思考しない。


ファビエンヌは龍の尾に抱きついきながら、落下して死ぬほうがマシだと思って死の覚悟はできていた。


上皇王は絶対にあの子を許さない。

生きて亡命でもしてフェレ皇国に皇位奪還でも計画したらあの子は?

私はどうなってもいいわ。

あの子をあの人との愛の証である。

私に残されたあの子を。


ファビエンヌは固く心に誓う。


絶対にこのままでは!!

その強い意志を浴びた瞳はしっかりと上皇王の背をとらえる。


レオポルドは最後の力を振り絞る様に身体を更に青白く太陽の光のその輝きに似た光を放って。

昇る。

天昇する龍。

激流を遡る様に稲妻すら敵わない速度で。

空を一瞬白色の光に染める。


私の上皇王陛下。私のマリアンネ。

貴女が無事であれば私はどうなってもいい。

この身は貴方に捧げた。

永遠に貴女の為に生きた。

それで十分だ。

報われた二度も。

王配に裏切られた時に私を求め、皇王陛下を得て父とは名乗れなかったけれどその存在を私が知っているだけで十分だった。

そしてこの逃避行で私を必要としてくれ、私だけに助けを求めてくれたマリアンネ。

貴女の為に私は生きた。

それで十分だ。

もう何も………。貴方の為に……。



真っ白な世界が一瞬支配した後、まるでその情景がなかったかのように。

龍の姿は消えた様になくなった。

残ったのは元の青い空だけ。



龍の姿も上皇王の姿もファビエンヌの姿も見えない。

突然消えてしまった様に。



消えた上皇王達をどう追いかけるのか?

そしてディアナの母ファビエンヌは?

上皇王は逃げきれるのか?

ヴィルヘルム達は上皇王を捕らえる事が出来るのか?


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