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外伝 最終章 皇位奪還【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】龍の目覚めⅡ

光の中に消えていったクロフォード公爵は?

上皇王は何を考えているのか?

 

ヴィルヘルム達はファビエンヌを助ける事が出来るのか?



「えっ!!」


「WA WA~~~」


「WA~~~~~」


なんだあれは?


クロフォード公爵を追いかけて後宮の奥深く螺旋階段を下りヴィルヘルム達はようやく終着の場に飛び込んできた光景に息を呑む隙もなく、突然の青白い光線で咄嗟に瞼を強く閉じた。


いったい何が起こっているんだ!!


とその光が少し和らいだ後、そっと瞳を開けると目に飛び込んだのはクロフォード公爵が青白い光の中に吸い込まれるその瞬間だった。


一瞬にしてその光の中へ消えていった。


その青白い閃光が消えた後、丸い閃光は細長く形を変えてすさまじい速さで光は天井へ上昇し始めた。


「やっと現れたな。

 女神ディアの龍」


上皇王は頬を紅潮させて呟きながら満足そうに不敵に微笑む。


「龍?

 これが?」


ファビエンヌは想像と違った姿に戸惑いを隠せない。

龍というには輪郭がぼんやりとしていて明確ではない。

そう青白い光がぼんやりと輪郭づくっている物にすぎない。


確かに蛇の様な流動的な動きはそうかもしれないけれど、鱗や鋭い爪や角、そして長い髭など龍といい想像出来る姿だとはとても言えないからだ。


「何あれ??」

リライディナはそう声にだすのが精一杯だった。

その場にいる上皇王以外は目に見える物を理解出来ないでただ茫然と立ちつくしている。


「あっ!」

直ぐに反応してたのはディアナだった。


「お母様!!」


懐かしい母の姿が目に飛び込んでくる。


ファビエンヌもすぐに我が子の存在に気がついた。


「アンジェリ!」

懐かしい母の自分を呼ぶ声が光の向こう側から聞こえた。


光の中からぼんやりと会いたいと切望していた母。

溢れんばかりの涙にせっかくの母の顔がはっきりと見えない。

手を伸ばして声を絞り出すように叫ぶ。


「お母様!」


涙まじりのディアナの叫びは皆を現実の世界に引き戻す。


「あれを!!」

フランシスが指さした先には上皇王とファビエンヌの身体を青白い物体は巻き込み始めたのだ。

それは獲物を狙う貪欲な様には見えない。

それどころかヴィルヘルムには包み込むような優しさが感じられ変な違和感に襲われる。


何だあの龍?

何をする気?


「我が夫!

 レオポルドその身を捧げ私を助けるのだ!レオポルド!!」


「えっ??」

ファビエンヌは上皇王の言葉に絶句した。

そうこの青白い龍の様な物体はクロフォード公爵というのだ。

挿絵(By みてみん)

「この龍はディア神の龍だ。

 我が始祖皇王が龍の眠る地に建国したフェ

 レ皇国の守護神。

 この龍は我が血族の血によって目覚める。

 血族の血と繋がる事で一体となり伝説の龍

 となる。

 さあ~我が夫よ。

 私を助けて奴らを打ちのめせ!」


上皇王の猟奇的な殺気に龍の身体は輝きを放ち、段々とその姿はまさに龍の姿へと変化していく。

龍の真っ赤な瞳を上皇王に向けると、何とも言えない愛おしさ、切なさ、悲しさを湛えて上皇王とファビエンヌを背に乗せて高々と天へと。

上へ上へと上昇していった。


「ぁあっこれで全てうまくいく」

上皇王は興奮で震える身体から絞り出す様に言葉を吐いた。


何が?

うまくいくの?

どうしようとしているの?


ファビエンヌは理解できないで頭は混乱する。

現実感だとはどうしても思えないのだ。

龍に乗り上昇している自分も、興奮して猟奇的な表情をして楽しげに笑みを浮かべている上皇王にも。

そしてこの龍がレオポルドだというならレオポルドにもだった。


「どこに行くんだ!」


ヴィルヘルムは真っ青な表情で、龍に目線を向ける。

どうしようもなくただ眺めるしかすべはなかった。 


「お母様!」


ビュ~~NN~~~

その青白い光は一筋の光を天に放ち目には見えないほどの速度で一直線に上昇していく。


しかしその瞬間にヴィルヘルム達の前からまるでなかったように消えてしまったのだ。


「えっ!」


突然の静寂。

しかしそれも長くは続かない。

理解出来ないでいるヴィルヘルム達を新たな危機が襲い始めた。



ガタガタガタ!


ドッ!ドドッド!!


ドォ゙〜ドドォゴォゴォ〜〜!


突然の不協和音。


石畳の床は揺れ、擦れる軋んだ音が不気味に鳴り響く。


「地震か?」


そのうちに左右に床が壁が何かに叩きつけられたように激しく揺れ始めた。


ガタガタッガタガタガタガタ!


ドンドンドンドン!


ゴゥ〜〜ゴゥゴゴゥ〜


「やばい!皆ここを脱出するぞ!」


ヴィルヘルムが叫んだ時にはもう遅かった。


なんと床が崩れ、けたたましい爆音と共に床は木っ端微塵に裂けて分裂した。

すざまじい勢いで落下していく。


ヴィルヘルム達も立っている事は不可能だった。

バランスを崩して、全員空間に放り出される。


「わあ!!」


「ひゃあ〜」


「……」


「おかあ…」


身体に重いGが襲う。

内臓が背中を突き抜けるのではと思うほどの気持ち悪い感覚。

そのスピード。 

上からはあらゆる残骸が粉々になって落下していく自分達を襲ってくる。


もう意識も限界だった。

失神したら死しかない。

いやどっちみち助からないだろう。

抵抗しても無駄だった。


皆あっという間に意識を手放してしまった。




龍が目覚め上皇王とファビエンヌは消えていった。

崩れ落ちた城でヴィルヘルム達の危機は?


次回ラストに向けた展開。

この回も残り一話です。

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