表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/117

外伝 最終章 皇位奪還【愛と革命に生きるヴィルヘルム大公物語】皇宮攻撃Ⅳ

牢獄に監禁されていたディアナを助けたヴォルへルム達に新たな危機が訪れる。


「ふっ」


グロフォード公爵の吐いた息を冷めたく湿気の浴びた地下室に愚弄と軽蔑をばら撒いた。

その瞬間すぐ右手に握った剣が風を巻き起こる。


シュ!


その刃先はヴィルヘルムへと真っすぐ向かって来た。


ダン!


瞬時にヴィルヘルムは梁から飛び降り、梁に手をかける。


ガシャン!シャン!

すんでの所で剣はそれ固い床へと転がり落ちた。


ヴィルヘルムは体重を感じないほど勢いでクルリと回転した。


ダン!


ディアナは振り落とされない様にしっかりとヴィルヘルムに抱きついて瞼をギュッと閉じその腕を離さない。


ヴィルヘルムは奥の梁に飛び乗り、手には剣を防御の姿勢でクロフォード公爵を威嚇する。


「ああぁ~もう少しだったのに。

 忌々しい忌の子め!

 邪魔をしてくれましたね。

 ヴィルヘルム殿下!」


クロフォード公爵は軽蔑と憎しみの炎が激しく宿る瞳をディアナに向けて苦々しいと言わんばかりになじる。

その言葉にディアナの心臓は凍り付く。

そんな軽蔑な呼び方をされた事がなかった。

確かに生まれてから父はいなかった。

物心つくころには母と乳母、身の回りの世話をする召使の四人暮らし。

父の存在は知らなかったのだ。

忌子…忌子……忌子

何度の脳内を駆け巡る。



「忌子?」

ヴィルヘルムは公爵が何を言っているのかわからず身体が固まって動かない。

そこを公爵の剣が突く。


シュ!!


風が鋭く吹いた。


次に気がついた時に目の前に自分の肩をめがけて短剣が飛び込む。

まさにその刃の狂気に圧倒されディアナは顔を背ける以外何も出来ない。


一撃をくわされんとした瞬間だ。


ガシャ!

キーンキーン!


ガチャガチャ!!


甲高い音をたてて石の床に冷たい刃が落ちる。



「ディアナ!!」

その声に心当たりがあった。


思わずヴィルヘルムはその名を叫んだのは。

挿絵(By みてみん)


「リラ!!」

そう声の主はリライディナだった。


「姫様だけではないぞ!

 ヴォル参上!!」


「ヴォル!!」


ヴィルヘルムは思いもよらない二人の登場に困惑している暇はない。


「さあ~行くよ!

 ヴィル!」


ヴィルヘルムは快活なリラの声に堂々として頼もしい存在と思え、愛しさのあまり彼女の強さを忘れてしまった自分を悔やむ。


「くっそ!リライディナ皇女まで!

 まあいい。

 この場で始末してやる!!

 野蛮な民族の血を今絶やしてやる!

 そこの忌子の婚外子ともな!!」


その声は軽蔑と非難、侮辱の限りを迷うことなく放たれた。


「煩いな!!

 その口永遠に閉じてやるよ」


瞳に鋭い光が宿りながらリライディナはニヤリとクロフォード公爵を視線を投げながら、剣を手に公爵に狙いを定めた。


風が起る。


リライディナの素早い動きはあっという間に公爵の懐に入る。


カシャ!!ガシャン!!


2人の剣が交わり、鋭い金属音が甲高く鳴り響く。


リライディナは公爵の力任せの剣に身体を左右に振りながら払う様に動き、公爵も思う様に決定打を食らわせられない。


「なかなかやりますね。

 リライディナ殿下。

 しかしいつまででしょうか?」


「その台詞はそっちだよ。

 甘く見て痛い目にあわせようか?」


「面白い殿下だ」


「行くよ」


ヴォルはその声を合図にディアナを見て大きく両手を広げた。


「ディアナ!

 こい!

 俺が守ってやる!」


ディアナはヴィルヘルムの戦いに邪魔になると瞬時に理解して、ヴィルヘルムの背からしっかり抱きしめた後に囁いた。


「ありがとう殿下。

 力の限り戦って。

 私はヴォルといる。

 そして殿下の傍にいる」


そう言ってにこやかに微笑みながら勢いよく梁を飛び降りヴォルの胸に飛び込んだ。


「任せておけ!

 殿下!」


ヴォルの頼もしい言葉に胸が熱くなる。


絶対に勝ってフェレに自由を。


バン!

ヴィルヘルムは梁から飛び降りる。


「二人とも私が相手しよう!

 兵士どもお前たちはそこの大男と子供。

 それとあの海賊あがりを始末しろ!!」


そうクロフォード公爵が叫び剣を頭上に構えたその時だった。


ガタガタッ!!

ガタガタッ!!


ドンドンドン!!

地響きの様な振動が牢獄中に電動していき、クロフォード公爵の手が止まる。


「連合革命軍!

 皇宮に乱入!」


「全軍!

 皇宮内へ配置につけ!」


「北塔!敵に占拠」


「東塔陥落」


「第三連隊!

 投降確認!」


「第五連隊壊滅」


「第八連隊!

 投降!!」


次々と報告される内容は敗北ばかりで、悲痛な司令官の声が地下の牢獄にまで聞こえてきた。


みるみるうちにクロフォード公爵の顔色が青ざめていく。

震える剣先を振り払い。苦々しい声を放った。


「くっそ!!ここまでだ!

 上皇王陛下をお守りするぞ!

 皆撤収!!」


そう叫ぶと胸元から小さな球体を床に投げつけた。


シュ~~~~~~~!!


白い煙が辺りに広がりヴィルヘルム達の視界を奪う!


「クッ!」


「逃げるぞ!!」


「追え!!」









連合革命軍が皇宮へと侵入し皇位奪還はまじかに。


逃げるクロフォード公爵はどこに行ったのか?

ヴィルヘルム達は彼に追いつく事が出来るのか?

そしてディアナの忌子の意味は?

次章

それぞれの愛にどう立ち向かっていくのか?

何がそうさせるのか?

過去も含めて回顧録的なエピソード。


次回最終回へとクライマックスを迎える章へ突入。


次章考証の為、休載いたします。

更新は11月活動報告でお知らせいたします。


しばらくお待ちくださいませ!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ