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第三話:皆で行こうというお誘い

「私は兄達の、グランドツアーに付いてきたんです」


 私達はこの町で一番、ぎょかい料理がしいというお店へやって来た。


 そこはしょみんでも気楽に入れる、普通のお店。建物は高級な物ではないけれど、きちんとそうが行き届いていてとってもせいけつ


 店にいる人達も、とってもせいけつな身なりと服装なのにはおどろいたわ。


 お酒は出さないお店とかで、って騒いでいる人もいないの。


 すっごく良いわ!


 そんな店内で、せいかんな男性、ソレットさまとあいせきして食事する事になったの。


 だから料理が届くまで、しょうかいや色んな事を話す事になったのよ。


「私も、北からのグランドツアーなんだ。()とと、この町に着いた」


「時期とはいえ、ぐうだね」


「そうだね」


 夏の終わり。がくしゃそつぎょうした者たちは、そつぎょうから一月程度の間に、多くの者がグランドツアーへ行くのだ。


 時期にグランドツアーへ行けば、こうして同国の人とも割と会うらしい。


「私も、本来なら私とえいだけのグランドツアーになるはずだったんだが……。一つ上の姉上が、どうしてもと付いて来てしまって……」


 そこで言葉を区切り、ソレットさまは私達をわたされた。


「男ばかりの中に、女性が一人いては心配ですね」


が家の妹のような方は、他にいないと思っていましたよ」


「あら、どうして? 外はこんなに楽しいのに。家にもっているのが好きな女性ばかりではないわ」


 つい、むきになって反論してしまう。兄上達は、私をかわがって下さっている。外が好きな事だけは、なかなか理解して下さらないのは残念なのよね。


「そこで、だ。どうだろう? 君達が良ければ、グランドツアーを一緒にしないかな?」


 そこで改めて、ソレットさまは私達をわたされた。


「妹は、そこそこマナーは身に付けていますが……」


「その……。女性の話相手といった事は、少々……」


「失礼ねっ。ちゃんとマナーもがくおさめたわ。先生達にも、最上ではないけれど、どこに出しても問題ないって言って頂けるくらいにはがんったのよ!」


 グランドツアーでは、国のしゃくは持ち出さないのがルール。だから、もしソレットさまがが家より上のかくでいらしても、お断りしても問題はない。


「そうだな。今年は今がグランドツアーのピークで、なかなかえいつかまらないって事だしね」


「ご一緒させてもらって、ほうしゅうを上乗せしてえいつのるのが、一番()らいを受けてもらえそうかなあ?」


 兄上達も予想外の事に、どうしようか悩んでいる。


「それならば大丈夫だと思う。姉上も、私のグランドツアーに付いて来るような方だ。女々したタイプではないから」


「兄様、ちい兄様。ご一緒しましょう。お困りのご様子ですし、大勢の方がきっと楽しい旅になるわ」


「そうだね。女性がいらっしゃれば、君が女性のしょを学ぶ機会があるかもしれないしね」


「大勢が楽しい旅になるのは、間違いないだろうしね。兄上、ご一緒させて頂きましょうか」


「そうだね。そうしようか。ソレット殿どの、どうぞ宜しくお願いします」


「申し出を受けてくれて、ありがとう。食事の後、姉上を紹介するよ」


 そこで頼んでいた料理が届き始めた。


 兄様は、フライのプレート。ちい兄様は、白身魚のフライのプレート。ソレットさまは、ぎょかいるいのパスタ。私はもちろん、のプレートよ!


「頂きます」


 ソレットさまもふくめ、皆でシュシェーナ王国風の食前のあいさつささげる。そして、皆それぞれ頼んだ料理にしたつづみを打つ。


フライ、とてもしいな。が国にもフライは入って来ているけど。このフライのころもの方がサクッとしていて、はぷりぷりしていてとてもしい!」


 まあ、フライはしいのね。いつか食べなきゃ。


「白身魚のフライも同じです。なまぐささがなく、ころもまでしい……!」


 え? 白身魚のフライもしいの? それも食べなきゃ……!


ぎょかいるいのパスタは初めて食べたが、パスタまでしっかりぎょかいるいうまからんでいて、この料理もとてもしいよ」


 まあまあ! ぎょかいるいのパスタも?! 色々食べなくっちゃ!


はどうなんだい?」


 私が大人しいので、サラール兄様に話を振られた。しくないと思われたのかしら? 


「完全な生の物より、あぶった物の方が良いというアドバイス通りだわ。新鮮な魚のあぶった油と、生の油が口の中で溶け合って、とってもしい」


 ニホンショクのマナーに従い、ハシでつまんで口へ運ぶ。つまみ慣れておらず、ちょっと難しいけど大丈夫。


 マナーの先生にきゅうだいてんをもらえる程度には、ちゃんと食べられている。そして、初めてのを味わっているわ。


 ハシに苦労しないおかげでスムーズに食事ができていて、お料理の味に集中できている。


 しゅんのお魚三種盛り合わせのおは、白身魚二種類も、赤身魚もとってもしい。


「君達兄妹は、皆とてもマナーが良いね。これは、姉上は負けているかも知れない」


 子供は大人の時間をうばわない為、両親である大人とすら、十六(さい)の成人になるまで一緒に食事をしないしきたりがある。


 子供の間は食事の部屋は別々だから、両親のテーブルマナーを見る機会もなかった。


 成人して何度か両親や兄達と食事をしたが、家族以外の人の食事は、社交界デビュー前で見た事がない。


 だから、テーブルマナーがちゃんと出来ているかどうか、マナーの先生と家族以外の人から聞いた事がないの。


 めてもらえて、とっても嬉しいわ。ちゃんとテーブルマナー、身に付けられているみたいね。


が家は、テーブルマナーには特に力を入れて教育されたから」


「厳しかったよね」


 うんうん。マナーの先生、とっても厳しくて怖かったわ。


 でもね。この場で一番テーブルマナーが出来ているのは、ソレットさま。が国にナイフ、フォークが入り、テーブルマナーが整ったのは、私が産まれた頃らしいの。だから、テーブルマナーを教えられる先生は、まだかなり少ないらしいわ。


 そんな中、ソレットさまはマナーの先生みたいにカトラリーをあつかっていらっしゃるもの。かなりの上流階級のお家の方ではないかしら? 


 そんな事を気にしつつ、初めてのシュシェーナ王国での食事を終えたの。


 そして、ソレットさまの宿へ向かい、お姉様にお会いしたのだけど。その場でソレットさまのお姉様、ジャジーラさまととうごう


 とってもお美しいツンとして見える方なのだけれど、グランドツアー中だからか気さくでいらっしゃるのだもの。仲良くなれそうで、とっても嬉しい!


 楽しいグランドツアーになりそうだわ!

お読み下さって有難うございます。

お楽しみ頂けましたら幸いです。


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【事実は小説より。異世界ライフがリアル】も宜しくお願いします。女の子が主人公の、異世界転移してからの日常の物語です。 【伯爵令嬢は男爵令嬢となり、やがて王妃となる】も宜しくお願いします。
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