表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/79

知識


「師匠はなんで呪術のスキルを持っている人をさがしてるのですか?」


「...サヤが言わないってことは...私は言っちゃダメ...ごめん、でも...いつか分かるわ...ほら、今は集中...して」







 師匠が出て行ってすぐ、ミレイさんは紙とペンを持ってきて俺のステータスを書いてくれた。


「ミレイさんも人のステータス見れるんですね」


「...鑑定スキルは...努力すれば誰でも手に入れることができる...今度、教えてあげる...」


俺は紙を覗き込む。


Lv.0


筋力 14

魔力 13

敏捷 12

物防 8

魔防 5

幸運 10


スキル

呪術lv.1 火魔法lv.2


 ステータスは結構伸びているが、まだどれも15に届いていなかった。

 魔法に関しては火魔法のレベルが上がっている。

頭の中で火魔法と念じる。

すると今使える魔法が思い浮かんできた。

ファイアーボールとファイアーウォールか。

どうやらファイアーウォールを覚えたらしい。

本で読んだ感じだと名前の通りで炎の壁を作る魔法らしい。

ミレイさんの方を見ると、かなり渋い顔をしていた。


「...やはり、生身の体じゃあ...15を越すのは無理ね...きっと魔法もlv.2以上は...上がらない」


「どういうことなんですか?師匠も限界とか言ってたけど...もしかして俺、15まで上がらないんですか?」


「....普通なら...凄い才能がない限り...能力値が15を...越すことは...あり得ないわ...レベルアップを...除いてね」


「レベルアップって何ですか?」


 レベルアップそのものの意味は知っている。

しかし師匠やミレイさんの言葉を聞く限り、俺の知っている意味とはだいぶ違っていると思う。

 ミレイさんは察してくれたのか、俺が望む答えを投げかけてくれる。


「....レベルアップと...職業は神からの...祝福。レベルアップは...魔物の魔素を...体に溜め込むことで、限界を超える力を...引き出すことができる。職業は...専用の儀式を経て...就くことができる。...職業に就くことによって...自分の潜在値が...何倍も伸びて...体も...丈夫になるわ」


 冒険者ギルドで冒険者登録することによってハンターは「冒険者」という職業に就くことができる。

だからハンターはみんな冒険者という職業に就いているということだ。「戦士」や「魔法使い」という職業があるわけではない。

 「冒険者」という職業はかなり強くて、就くだけで能力値が現在の状態の倍に上昇するらしい。

他にも「商人」や「騎士」などの職業や「戦乙女」や「剣聖」などのユニークジョブが存在するらしいが詳しいことはよく分からない。

 ん?さっきミレイさん普通の人は15まで上がらないって言ったよな?じゃあ普通の人は冒険者にならないじゃん。ミレイさんに聞いてみよう。


「すいません。ミレイさんの話を聞く限り、冒険者という職業はかなりのエリートだと思うのですが、俺が見た限り、そこまで凄そうじゃない人もいるのですがなんでですか?」


「...1年前、急に...ギルドが登録できる条件を...変えたのよ。前までは特に...条件はなかったのだけど...あまりに冒険者が増えたから...他の仕事に人を回すため...登録のハードルを大きく上げて...他の職業に就かせようとしたの。だから...普通の方法では登録できないのよ」


えぇ、そんな極端なことをしたのか。


「...でも、才能がなくても...金さえ持っていれば...冒険者を雇って...レベル上げをすることが...できるわ」


今の俺みたいな感じかな?

冒険者事情は複雑怪奇らしい。


「...今の大侵攻が...終わったら、きっと誰かが...魔王を倒してくれるから...冒険者はいらない...かもね」


 魔王、それは魔物を統べるもの。

一般的にはこの大陸の北の果てにあるダンジョン、獄炎殿の最深部にいるボスのことを指している。

 200年前、大陸中の国々が争っていたときにソレは急に現れた。

 大陸中にダンジョンを作り魔物を生産して、侵攻してきた。

それに対抗する為に国同士の戦争をやめ、協力し、魔王を倒すことにした。

実際、魔王を倒すことができたが、5年後、また獄炎殿に魔王が現れた。

それから、定期的に魔王を倒す必要があることが分かり、冒険者で編成された魔王討伐パーティーを組んで、人間は対抗した。

 魔王を討伐できたパーティーのメンバーは勇者という称号を与えられ、富と名声を獲得できるという。

あと。大侵攻か。

 俺は最初存在を知らなかったがこちらではどうやら常識らしい。

 大侵攻は2年に一度、魔物の大群が王都に攻めてくることを指す。

 魔物の総数は5万ととても多いが、5万同時に出てくる訳ではないので意外と楽らしい。

しかし逐次投入という感じなので非常に期間が長い。

だいたい半年から1年くらいかかるらしい。

しかし魔王を倒せば大侵攻は止むため、魔王討伐の重要性はとても高い。

俺も魔王討伐のパーティーに参加したいが、俺は才能がないので絶対に無理だろう。

とりあえず目の前のことに集中しなきゃ。


「...とりあえず、今は冒険者に...ならないとね...修行、始めましょう」


俺の意思を汲んでくれたのかミレイさんは大きく頷きそう言った。

 そして俺のキツい修行が始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ