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走る乙女たちのロンド  作者: 四月猫
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プロローグ 走る乙女の国

乙女ファンタジー第2弾です。

バレエ『ジゼル』の村娘の群舞を見て、スカートを翻して踊る彼女たちに魅せられました。

中欧東欧あたりの民族衣装をモデルにしています。

青龍、竜騎士といったモチーフに喪女の意地も入ってます。


ほんの少し百合風味です。苦手な方はご遠慮ください。

プロローグ 走る乙女の国


春の女神を決めるのために、早春の丘を

少女たちがスカートやエプロンをひるがえして走る。

ポールにかけられた花輪を真っ先に手にしようと。

それはこの大陸のほぼすべての国に古くから根づいている習慣だった。


だが婚約者を決めるのも、候補の娘たちが走って決めるのは、

どうやらこの国だけらしいと

イベルナの人達が気づいたのはわりと最近のことだ。


イベルナは大陸の南西の端にあり、

高く連なる山々と荒海によって大陸の他の国とは隔てられた

辺境の小さな王国だった。

荒海を越えてたまーに交易船がやってきたり、

ナンパした漁船や海賊船が流れついたりすることはあったが、

ほぼ閉ざされた世界といってよかった。

造船技術の進歩で耐久度の高い大型船がつくられるようになり、

定期的に船が来るようになってからまだ50年ほどしか経っていない。


元は漁村だったイベ川河口の町ーウルガの、ここ50年の変化は凄まじい。

あっという間に10万近い人口の、国1番の都市に成長した。

イベ川中流の王都イベリダは人口3万を超える城下町を持ち文化産業の中心だったが、

今やウルガに大きく水をあけられている。

王都とウルガを結ぶ街道が整備され交流が増えるにつれて、

異国の情報や技術が古い町にももたらされようになった。


それで人々はやっと、どうもよその国では婚約者を決めるために

娘たちが走ることはないようだと気付いだのだった。

だが気付いたからと言ってどうこうしようという気はまるでなかった。

よそはよそ、うちはうちというわけだ。

そういうわけでイベルナではいまだに婚約者を決めるために

娘たちが走る『乙女徒競走』が行われている。



全9話の予定です。

必ず完結させるのでどうか最後までお付き合いください。

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