表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/106

⑹居場所

 助けを求めた時に、誰かが手を差し伸べてくれる。

 そんな当たり前は、当たり前のことではなかった。

 湊は死者達の名前を聞いた時、そんなことを思った。


 十四歳の頃、学校で嫌なことがあった。

 学校でも人気のある男性教諭が女子生徒を餌にして、淫行を働いた。現場に遭遇した湊は被害者を庇い、男性教諭を糾弾した。


 男性教諭と被害者は、揃って「誰にも言わないで」と懇願した。湊はその時、迷ったのだ。

 正解は解っていた。沈黙が事態を悪化させることも知っていた。けれど、湊には、背中に庇った少女を守る術が無かった。


 性犯罪において、女性は被害を訴え難い。被害者に対して社会は優しくなかった。彼女の尊厳は踏み躙られ、社会復帰は困難となるだろう。


 何でもかんでも救える訳じゃない。全部を背負って行くことは出来ない。

 湊は二度目は無いと脅し付け、被害者を自宅まで送り届けた。それが、当時の湊に出来る最善だった。


 男性教諭は罪を繰り返した。その矛先が向かったのは、湊だった。中性的な顔立ちと、未発達の身体は餌に似ていたのだろう。


 呼び出された相談室で襲われ、必死の思いで抵抗し、男性教諭を殴って逃げ出した。


 怖くて、誰かに助けて欲しくて、頭の中はぐちゃぐちゃだった。糞みたいな男に狙われたことも、弱い子供みたいな抵抗しか出来なかったことも、この事態を想定出来なかったことも、全てが堪え難く、気持ち悪かった。男の触れた部位が汚らわしく思えて、その部分から腐って行くような気さえした。


 そのまま、航のいるストバスコートまで走った。


 格好悪いことするなよ。

 航が言った。返す言葉も無かった。全部自分の甘さが招いた事態だった。


 翌日、湊は男性教諭への暴力を糾弾された。

 湊は事実を話した。だが、誰も信じてはくれなかった。その日から、湊は教師に暴力を振るった嘘吐きだとレッテルを貼られた。


 徹底抗戦するつもりだった。

 母は自分のことを信じてくれた。けれど、社会は自分達には優しくなかった。ーーこの頃のことは複雑なのだが、父は紛争地で死亡したとされていた。航も学校とは疎遠で、湊は遅い反抗期。家庭内不和を疑われていたのだ。


 不幸だとは思わなかった。だって、母は自分を信じてくれた。独りきりじゃなかった。ちゃんと自分のことを案じ、守り、助けてくれる人がいた。此処は地獄じゃない。味方がいる。こんなことで傷付きはしない。この世には、もっと悍ましい不幸がある。


 苦しくなかったと言えば、嘘になる。それでも、母が信じてくれて、航が笑ってバスケをしている。それだけで良かった。


 同級生が帰った教室で、男性教諭と二人きりになった。鼻が付きそうな至近距離から覗き込まれ、嘲笑うように何かを言われた。もう、覚えていない。ただ、目の前の男の嗜虐的な笑みが頭に焼き付いている。


 徹底抗戦を誓った筈なのに、折れてしまいそうだった。自分が酷く惨めで弱い存在に思えて、情けなかった。


 航が現れたのは、その時だった。


 窓から差し込む夕陽を遮って、躍り出た航は、大きく腕を振り被り、男性教諭の頬を殴り付けた。湊には、その光景がコマ送りに見えた。


 男性教諭の体はスーパーボールみたいに弾け飛び、幾多もの机を巻き添えにしながら教室の床を滑って行った。

 湊は驚いて声も出なかった。騒音を聞き付けた教師や生徒が押し寄せて、今度は航を糾弾した。


 なんてことをするんだ!

 教師を殴るなんて、頭がおかしいんじゃないか!

 退学させろ!


 せっかく笑えるようになった航が、また透明人間になってしまうのは堪えられなかった。湊が庇うように腕を広げると、航はその腕を押し退けて一喝した。


 うるせぇ!!

 俺がムカついたから殴ったんだ! 他に理由なんて無ぇ!


 帰るぞ、と航が腕を引いた。

 自分がどんな顔をしていたのかなんて解らない。航はとても、とても怒っていた。


 胸が震えるようだった。

 きっと、自分は、殴れば良かったのだ。被害者も加害者もそっち退けにして、自分が我慢ならないからと言って、誰に何を背負わせることも無く、殴れば良かった。自分に出来なかったことを、航は当たり前のように実行する。なんて格好良いんだろう。それが誇らしく、羨ましかった。


 後日、葵君の活躍で男性教諭の罪は明るみになり、懲戒免職処分の上、逮捕されることとなった。


 これは、お前等の勇気が成し遂げた偉業だよ。


 そう言って、葵君は両手を打ち鳴らした。

 湊は、自分の偉業だとは思わなかった。功労者というのなら、航だと思った。だって、自分は何も出来なかった。


 航は格好良い男だ。

 揺るぎない信念を持ち、それを貫く為には泥を被ることも厭わず、大切なものを見失わない。


 湊には、航が眩しかった。


 自分の弟はヒーローだ。

 それが悪として叩かれることになっても、湊にとってはヒーローだ。そして、自分はそんなヒーローの兄なのだ。


 航が笑っていられるのなら、それで良い。

 俺はただ、航の味方でいたい。ヒーローに誇れるような、自分自身から目を逸らさないでいられるような自分でありたい。




「湊」




 名を呼ばれ、湊ははっとした。

 駅は閑散としていた。航がいなくなってから二時間が経過し、利用者も随分と減った。


 航からの連絡は未だ、無い。


 ライアンは立ち上がると、駅の外を指差した。




「……後は俺等に任せろ。俺等は補導されんのも慣れっこだけど、お前はそうじゃないだろ」




 送るよ。

 ライアンはそう言った。湊には意味が解らなかった。

 補導されることが何の損失になるのだろう。そのレッテルが不利益になるのならば、それ以上の結果を残すだけだ。そんなことよりも、此処で退いたことで失うものの方が堪えられない。




「何処にも行かないよ」




 ライアンは表情を強張らせた。

 兄である彼には解る筈だ。




「航を待ってる」




 ライアンが何かを言った。湊には解らなかった。労わりだったのかも知れないし、叱責だったのかも知れない。けれど、湊にはどうだって良かった。


 白いカーネーションを一本、プラットホームに供えた。死者の為に出来ることなんてないことを、湊は痛い程に知っていた。だから、これはただのエゴだ。


 俺はただ、航の味方になりたかった。

 孤独を恐れるヒーローの居場所に。







 7.神隠し

 ⑹居場所








 目を覚ました時、其処は見慣れた駅のプラットホームだった。足元に白いカーネーションが置かれていて、それを見ると何故だか肩の力が抜けた。


 殆ど導かれるようにして、改札を抜ける。駅員が、あ、という顔をした。けれど、航にはどうでも良かった。改札を抜けた先のベンチに湊がいた。


 自分を認めると、泣き出す寸前みたいに顔を歪めた。

 駆け寄ると、湊は縋るように抱き締めた。両目が熱かった。




「おかえり」




 湊の手が震えていた。それだけで、兄がどれだけ心配したのかを理解した。


 湊の感じた恐怖や悲哀、無力感や歯痒さが手に取るように解る。逆の立場だったなら堪えられなかったと思った。




「悪かった」




 自分に非があったとは思わないけれど、湊を心配させた。それだけで自分は反省すべきだった。大切にしなければならない相手を追い詰めた。

 湊はきっと自分自身を責める。アンカー理論という影も形も無い机上の理論の為に、自分を追い込んで、罪悪感に苛まれる。湊には反省すべき点も落ち度も無かったのに。




「お前は悪くないよ」




 痙攣のように震える腕を掴み、航は言った。湊は何も言わなかった。


 傷口は何事も無かったかのように癒えていた。夢を見ていたのかも知れない。その度にあの悪夢のような光景や化物が思い出されて、航は形容し難い気分になる。


 自分の帰還に納得したのか、湊は航から離れ、駅の外へ向かって歩き出した。脇腹を庇うようにして体を傾けて歩く後ろ姿は頼りなく見えた。


 後を追うように航が歩き出すと、隣に立っていたライアンが言った。




「お前の兄貴、ずっと待ってたぞ」

「ああ」




 初春の夜は寒い。思えば、湊の顔も青白かった。

 体格の良いライアンは兎も角、小柄で痩せ型の湊は随分と寒い思いをしただろう。




「湊を一人にしないでくれて、ありがとな」




 冷たい風の中、湊が一人じゃなくて良かった。

 航が言うと、ライアンが笑った。




「流石、双子だな。お前の兄貴も同じようなこと言ってたぜ」




 航は答えなかった。

 自分のことで湊が感謝したり、謝罪したりするなんて腹が立つ。しかし、きっと逆の立場なら、自分も同じことをしたのだろう。


 駅の外に出ると、見慣れた顔の少年少女が群れを成していた。その先頭にルークがいたので、航は経緯を察した。




「よお、お疲れ」




 ルークはパーマを軽く撫で付け、苦笑した。

 航は目礼して、湊の姿を探した。駅前の広場の植え込みの側、電話をしているらしい。


 その側へ行こうとして、ルークに呼び止められた。




「久しぶりに湊と会ったけど、変わらねぇな」




 航は振り向いた。

 ルークは軽薄に笑っていたが、その目には疲労が見て取れた。


 ルークは、航が透明人間だった頃の元チームメイトだ。それはつまり、湊にとっても同様だ。

 同じチームでプレーしていた同い年の少年を、湊は覚えていないだろう。コンピュータ並みの記憶力がありながら、チームメイトの顔を覚えていないというのは、当時の湊がそれだけ余裕が無かったということなのだろうと思う。


 透明人間だった自分は、湊を拒絶し、遠去けた。

 独りきりだと思っていたけれど、航の側には必ず湊がいた。じゃあ、あの頃の湊の側には誰がいてくれたのだろう。そんなことを、今更に考える。


 生まれながらの変人だ。他人の評価に価値を見出せない完成された人格に、孤独を恐れるようなか細い神経は持ち合わせていない。だが、そんな兄が本当は繊細で、優しいということを航は知っている。


 湊が電話を終えるまで、航は植え込みの近くで待っていた。身体中が疲れ切っていて、とてもストバスに興じるような余力は無かった。


 帰ったら風呂に入って、夕飯を食べて、早く寝よう。

 そんなことを考えていると、通話を終えた湊が戻って来た。




「帰ろうか」




 湊がふにゃり、と微笑む。

 ライアンやルークがバイクで家まで送ってくれるというので、甘えることにした。だが、二人で後部座席に乗るのではなく、航はルークのバイクを借りて、湊を後ろに乗せた。


 無言で帰路を辿った。

 超常現象を研究する湊が、今回の件に関して根掘り葉掘り訊いて来ると思っていたが、予想に反して何も訊いては来なかった。自宅に到着してみると、湊は後部座席で転寝をしていた。

 斜め後ろを走っていたライアンは気付いていたらしく、ひやひやしながら見ていたようだ。


 到着を知らせると、湊は寝惚け眼を擦りながら玄関へ向かって歩き出した。扉を潜る寸前に振り返り、ライアンやルークに「またね」と手を振った。


 航は借りていたバイクを降り、鍵をルークへ返した。

 自分のバイクの不調を思い出し、夕飯が出来るまで修理しようかと思った。




「バイク、調子悪いの? 見せてみろよ」




 航の返事を聞く前に、ルークは車庫へと歩き出した。


 シャッターの降りた車庫の前、愛車が中途半端な位置に停まっている。今朝は時間が無かったのだ。

 バイクに跨ったルークがスタンドを立てたままエンジンを掛けると、あっさりと動き出した。


 苛立ちよりも安堵の方が強くて、航はほっと息を逃した。これで、明日は電車に乗らなくても済むのだ。


 ルークはエンジンを切ると、バイクから降りた。




「なあ、航」

「あ?」

「湊って、今、何してんの?」




 何、と言われても答えるのが難しい。航も把握している訳ではなかったからだ。

 ルークはバイクに寄り掛かり、注意深く玄関へ視線を送って言った。




「今から半年くらい前にさ、湊がローカルな雑誌に出てたんだよ。知ってる?」

「聞いたことはある」




 そういえば、リリーだったか、リーアムも言っていた。


 ルークは続けた。




「カルト教団とやり合ったって、書いてあった」

「カルト?」




 カルトーー反社会的な宗教団体。

 湊とは全く関わりの無い単語だ。


 航が眉を寄せると、ルークは苦々しく顔を歪めた。




「どっかの国まで行って、カルト教団の偉い奴を論破したとかって」




 どっかの国。

 航の頭には、雲一つ無い青空と、エメラルドグリーンの美しい海の風景が浮かび上がった。


 ハバナの海だよ。

 スリープ状態のノートパソコン。ディスプレイを指して、湊が言っていた。


 何故だろう。胸騒ぎがする。




「その雑誌に湊が載ってた。美少年とか、天才とか、すげぇ褒められてたぜ?」

「湊はそういうの喜ばないだろ」

「うん。そうなんだろうけどさ」




 ルークが困ったように頭を掻く。




「俺が言いたいのはさ、半年前の湊と、今の湊の格好が余りにも違うから、何かあったんじゃないかってこと」




 半年前は、湊は大学の寮にいた筈だ。

 何時からあんなオタク姿になったのか疑問だったけれど、どうやら、半年前に、何かがあったのだろう。


 何か、というと曖昧で、漠然としている。

 これは航の推論だ。ルークの話が本当ならば、恐らく半年前、湊はカルト教団と対峙し、勝利した。しかし、何かしらの理由があって、変装ーーというにはお粗末だが、姿を隠さなければならなかった。




「なあ、それ、もうちょっと調べられるか?」




 ルークは困ったように眉尻を下げた。




「直接、訊けよ」

「湊はそういうの、絶対言わねぇ」




 俺が、格好悪いことするなと言ったから。

 弱音も吐かず、泣き言も言わず、弱り目も見せない。それでも貫くべき信念があり、絶対に折れない。


 航が言うと、ルークは短く「解った」と頷いた。


 風呂上がりの湊が玄関から顔を覗かせる。頬が薄っすらと上気している。前髪を頭頂部で結び、如何にも間抜けに見える。


 今行くよ、と軽く応える。湊は子犬のような目を細めると、「夕飯はお好み焼きだよ」と笑った。


 またお好み焼きか。

 続くとうんざりするが、玄関先から漂う芳ばしい匂いは間違い無く食欲を唆る。

 玄関まで出て来た母が、ルークとライアンを夕食へ誘ったが、二人は断った。頭を下げてバイクへ飛び乗り、そのまま夜の闇の中へ駆けて行った。


 バイクを車庫の中へ入れ、航は家に戻った。




「観測者効果かな」




 湯気の昇るお好み焼きを突きながら、湊が言う。

 母を交えた三人の食卓は、テレビの雑音の中、とても穏やかだった。


 母の前だったので、先程までの大冒険をぼかして語ると、湊は話し始めた。




「二重スリット実験で有名になっただろう。観測するという行為が、観測される現象に変化を齎す。これは仮想現実の証明にも通じて」

「要約しろ。時間の無駄だ」




 湊は不満そうに口を尖らせると、渋々と箸を置いた。




「怪談や都市伝説、パラレルワールドや異世界。これ等は全て、人の共通知識による仮想現実だと思う。人が観測することによって実在する。大勢の人が信じれば、それは実体を伴う」




 湊は再び箸を取った。




「お化けも幽霊も、殆どの人は認識出来ない。でも、暗い場所や物音が聞こえるとその存在を疑う。暗いところにはお化けがいるかも知れないという共通知識があるから」




 つまり、お化けや幽霊は人が生み出した妄想なのだろう。影も形も無いにも関わらず、大勢の人が信じ、無意識に観測しようとする。結果、有り得ないものが実在するようになる。


 誰も信じず、認識もしなければ、それは実在しない。

 何だか、嫌な言葉だと思った。つまり、今、目に見えているものすら、実在しないかも知れないということだろう。


 航が黙っていると、湊が言った。




「怪談とか都市伝説っていうのは、そういう曖昧なものだと思っている。事実から生まれるのではなく、想像から生まれる」

「そして、それを観測しようとすることで、実体を伴う?」

「そう」




 航は溜息を吐き、中華スープを啜った。

 チョレギサラダを小鉢に取り分ける。帯状のわかめが繋がっていて、驚く程長い。


 母が呆れたように肩を落とし、キッチンへ調理用の鋏を取りに行った。こういう好い加減な調理をするのは湊だけだ。


 母が立ったタイミングで、航は声を潜めた。




「今回みたいな異世界に介入するには、どうしたら良いんだ?」




 湊は黙々と咀嚼していたが、目を瞬いた。


 今回は運が良かった。航はそう思っている。もしも、あの電車に乗り込んだのが湊だったなら、果たして自分は冷静を保ち、真実へ辿り着くことが出来ただろうか。


 あの車掌は、悼んでくれと言った。そして、その手には湊の供えた白いカーネーションがあった。一輪の花に込められた憐憫が、自分を生還させた。航はそう思っている。


 逆の立場だった時、都市伝説や死者の素性に辿り着けただろうか。湊は救出の為の手札が多く、凡ゆる方法を試すことが出来、その一つが効果を発揮した。では、湊よりも手数の少ない自分は兄を助けることが出来るだろうか。


 アンカーと呼ばれる潜在的な被害者体質。

 本来ならば、自分よりも湊が巻き込まれる確率の方がずっと高い。その時、自分はどうするべきなのか。


 湊は口の中のお好み焼きを飲み込むと、言った。




「全ての手段を試して、それでも駄目なら天命を待つしかない。人間なんて、ちっぽけな存在なんだ。どんな理由があっても、身の丈に合わないトラブルには介入するべきじゃない」




 湊がじっと覗き込む。

 濃褐色の瞳が不思議に揺らいでいた。




「俺もお前も、ただのガキだ」




 湊の言葉は、自戒を含んでいるように感じられた。

 航は鼻で笑った。




「ただのガキのちっぽけなお節介に、助けられた奴もいるさ」




 湊は瞠目し、噴き出すようにして笑った。

 丁度、母がキッチンから戻って来た。

 長いわかめを切り分ける母を見ながら、航は声を殺すようにして一緒に笑った。


 父が生きていて、母がいて、湊が笑っている。

 こんな他愛の無い日常が大切だと思う。この世界を守る為なら、自分はどんな窮地にも立ち上がれるし、何だって出来るんだ。


 中華スープから出て来た長いわかめを咥えた湊が四苦八苦している。

 馬鹿だなあ、と笑えば、湊が目を眇めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ