表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

第5話 雷光

「あれ?なんで変身出来ないのかな?」


第5話 雷光


司令室は微妙な空気に包まれていた。

突然現れた女の子(17)がいきなりキレて変身しようと痛々しい掛け声をあげたのだ。それで変身出来ていたらまだ良かったのだが、変身に使おうとしたデバイスは機能停止してしまっていた為か只々、微妙な空気が流れていくだけであった。


(うわ、あれは痛いわぁ…取り敢えずフォローしとくかねぇ)

「えっと…その……どんま」

[それは偽物のデバイスですよ。美月]


輝のフォローの言葉を遮り、フレイに似た声が美月の胸ポケットの中から聞こえてきた。


「あれぇ?フレイそこにいたの。そっか…コレは偽物なんだ」


そう言って美月は手に持っていたフレイ?を投げ捨て、胸ポケットに入っていたフレイ⁇を手に取った。


[はい。そこに居る魔法少女擬きにいつの間にかすり替えられていたのです。さぁ早く変身して、その悪党を懲らしめてあげましょう。正義の魔法少女として…]

「おい…さっきから何を言ってんだ?俺はここに来てから殆ど寝ていたんだぜ?そんな事出来るわけがねぇだろ?て言うかお前誰だ?フレイの真似しやがって…」

「五月蝿いですよ?守銭奴さん貴方の戯言なんて今更どうでもいいんです。さっさと私の前から消えて下さい…それじゃいくよフレイ………マジカル…チェンジ」


先程とは打って変わって、静かに言い放った美月ではあったが…


「うっ⁉︎グッ…グァァァァア‼︎」


おおよそ、女の子が上げてはいけない様な呻き声を漏らしながら苦しみだした。


「この反応…やはりフレイとは違う魔力反応を検知しました!」

「なんでこうなるまでわからなかったの⁉︎」

[うふふっアハハッ…ハァーハッハッハァーー‼︎私の偽装は完璧だったからねぇ!あんたら如きに見破れるわけがないのさ‼︎]

「てめぇ…いってぇそいつをどうするつもりだ‼︎返答次第じゃ容赦しねぇぞ‼︎」


嘲笑う様な笑い声を上げる偽フレイに対してキレ気味に問う輝であったが…


[容赦しない?どうするつもりなのかしら?デバイスも無い今の状況で!今のあんたなんてね唯の小娘に過ぎないのよ‼︎]


偽フレイの言う通りであったが、今の挑発で完全に頭に血が上ってしまった輝はそんな事は関係なく偽フレイをぶっ飛ばそうと殴りかかろうとしていた。しかし、それは楓に制止された。


「無茶よ!変身中の魔法少女の周りには高エネルギーフィールドが展開されてるのよ⁉︎今の状態で行ったところで大怪我するのがオチだわ‼︎」

「だからって…このまま見てる訳にはいかねぇだろ‼︎」


輝は久方ぶりに本気で怒っていた。小娘呼ばわりされた事ではなく(それも少しあったかも知れないが)一人の純粋な少女を騙し弄んだ事を…そしてその純粋な少女に、自らの相棒であった存在をまるでゴミの様に捨てさせた事を…そしてその一部始終を見て居る事しか出来なかった自分自身の無力さに


(全く頭に来るぜ…そもそも俺がフレイを忘れて来なけりゃこんな事にはならなかったんだ…俺のせいで、フレイをあいつに…美月に投げ捨てさせる様な事をさせちまった…)

「俺が何とかしなきゃいけねぇんだ…俺が」

[落ち着いて下さい。マスター輝]


輝にとって今一番聞きたかった声が聞こえてきた。


「フレイ…お前、今迄どうしてたんだよ⁉︎」

[申し訳ありません…私がもう少し早く美月の異変に気付けていればこの様な事にはならなかったのですが…]

「聞いてんのはそう言う事じゃねぇんだがな…まぁ良い。変身するぞ!」


そう言ってフレイを拾おうとする輝であったが…


〔させないわよ?〕

「ぐぁっ‼︎」


何処からか飛んで来た魔力弾に吹き飛ばしされ壁に叩きつけられてしまった。


「クソッ変身完了しやがったか…」

「美月ちゃん⁉︎ちょっとあんた‼︎美月ちゃんになにしたのよ⁉︎」


そこには真っ黒な服装に身を包んだ魔法少女が立っていた。


〔なぁに簡単な事…乗っ取ってやったのよ。そうね…あんたらのやり方に従ってやるとすると…シャドウハートとでも名乗っておこうかしら。それにしても…心に迷いがある奴はいいわねぇ…ちょっと揺さぶっただけで簡単に乗っ取れたわぁ♡〕

[何て卑劣な…!貴女の目的は何ですか⁉︎何故美月を…私の友人を乗っ取る様な真似をしたのですか‼︎返答次第では容赦しませんよ‼︎]

〔機械の癖に感情的になってるんじゃないわよ。クールにいきましょクールに…ふふっ

目的なんてひとつしかないわよ。あんたらM.G.S.Cを潰す事…唯それだけよ〕

「ッ‼︎総員退避‼︎急いで‼︎」

「いや、退避指示おせぇだろ…ってかなんか魔獣が元気に動きだしてんだけどさぁ…あれヤバいんじゃね?」

と、モニターに映った魔獣を見て輝はちょっと焦りぎみに言った。

「不味い、すっかり忘れてたわ!ど、どうすればいいのよこの状況⁉︎」

「知るかよ‼︎それを考えんのがあんたの仕事だろうが‼︎」

[取り敢えずマスターは私を拾う事を考えて下さい!]

〔その前に、あんたにはさっさと壊れて貰うわよ〕


そう言って偽フレイ改めシャドウハートは、フレイに向けて魔力弾を発射した。


「フレイッ‼︎」


ドゴンッとフレイがあった場所に魔力弾が着弾した。


〔アハハッ!あんたらの頼みのフレイも粉々に砕け散ったわよぉ!ほらご覧なさいよ無惨な機械の残骸…を…?〕


至極嬉しそうであった、シャドウハートの顔がたちまち困惑の表情に変わった。


〔おかしいわねぇ破片すら残らないなんて…絶望させようとわざと出力を抑えたのに〕

「ふぃ〜間一髪って所だったね」


そう言って、金色の衣装を身に纏った少女が姿を現した。


〔あんた…何者?〕

「ん?あたし?あたしはね〜雷の魔法少女‼︎その名も〜ライジングハートって言うんだ‼︎よろしくね!」


こうして新たなる魔法少女の登場によって逆転の狼煙が上がったのであった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ