『ラーマーヤナ』
今回で完結設定にしますが、追記した方が良さそうなことがあれば追記するつもりです。
ラリットがルクミニと駆け落ちする時、カルカッタ(現コルカタ)のタゴール家へ行くまでの道中でイギリス人の商人夫妻と同行することになり、その道中、インドの文化などについて語るという場面を考えました。又、パールヴァティとアーサーが交流する中でインド文化についての話になるという場面も想定しています。
何の話が良いか? と考えて、やはりインド思想とか二大叙事詩の『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』についてなどが良いのではないかと思いました。
日本には馴染みがないけど、深夜枠で良いからインドで高視聴率だったマハーバーラタのテレビドラマを日本で放送してくれないかと密かに思っています。しかし、日本人に楽しめるかどうかというと、いきなり見ても面白くないかもしれません。私が思うに長年の慣れや親しみが必要な気がします。私も楽しめるようになったのは最近のことで、最初は面白いと思いませんでした。ウィキペディアやあらすじをまとめたサイトもありますが、とても長い作品で、あらすじを読んでも魅力は伝わらないのではないかと思います。
今回、私なりに紹介してみようと思いますが上手くいくかわかりません。
『マハーバーラタ』・・・簡単に言ってしまうと、クル家とパーンドゥー家という近い親戚の両家が争い二陣営に分かれて戦争するという話です。一方がもう一方をイカサマ賭博でだまし、領地や全てを取り上げ、辱めて、十三年追放した後、戦争となります。両家の確執の詳細を書くと長くなってしまいます。ここでは本筋とはあまり関係ない両家の兄弟の出生のくだりについて書くに止めます。
クル家の百人兄弟の出生・・・父親は盲目で、その妻である母親は夫に忠実であろうとして目を布で覆って見えない状態にしています。やがて妻は妊娠しますが、二年の間出産することはありませんでした。そこで自分の腹を強く打つと鉄の玉のような肉の塊が出てきました。肉の塊は百に分けられギー(バター状の乳脂)を満たした容器の中に二年間保存されました。その結果、百人の息子達が生まれました。
パーンドゥー家の五人兄弟の出生・・・母親は若い頃、聖なる仙人の世話をして満足させ、神様を呼び出し、その子供を授かる呪文を教えてもらいます。やがて結婚しましたが、その夫は、ある日、鹿の姿をして妻と交わっていた隠者を鹿と間違えて矢で射たため「お前も妻と交わった時、死ぬ」という呪いをかけられたため、子供を作ることが出来なくなります。
そこで呪文の出番となります。彼女と、もう一人の妻は、呪文により、ダルマ神、風神、インドラ神、そしてアシュヴィン双神から双子が生まれ、五人兄弟が生まれます。
こうした話の他、色々なエピソードがあるのですが、これだけにしておきます。
『ラーマーヤナ』・・・ある王国に三人の妻を持つ王様がいました。そして四人の王子が生まれます。やがて王様はラーマを次の王にしようとしましたが、ラーマではなく自分の子を王にしたい、王妃の一人が昔の何でも願いをかなえるという約束をたてに、ラーマを王位につけず追放して欲しいと願います。ラーマは妻のシータと弟のラクシュマナと一緒に森で生活します。ある日シータはスリランカの魔王のラーバナに誘拐されてしまいます。ラーマ達はサルの援軍を得てラーバナの国と戦争してシータを取り戻します。シータは貞節を疑われますが、身の潔白を証明します。そして国へ凱旋したラーマは王位につきます。
以上が簡単なあらすじなのですが、この叙事詩も数々のエピソードにあふれており、それが物語の面白さとなっています。
ここではサルのハヌマーンについてのエピソードを書くに止めましょう。
ラーマを助けたサルの中でもハヌマーンは一番活躍しました。インドの地図を思い浮かべて下さい。インドの最南端からシータが誘拐されたスリランカ島までは海で隔てられていますが、ハヌマーンは海に落ちることなく、ひとっ跳びでインドからスリランカへ移動して偵察しました。
又、ラーバナの王国との戦争の時、ラーマの弟のラクシュマナが死の矢に刺され死にそうになった時、ハヌマーンはヒマラヤに生えている薬草を十八時間くらいで取って帰ってきてラクシュマナを生き返らせます。インドの最南端から最北端のヒマラヤですから壮大なスケールの移動です。大まかに言って、インド亜大陸の面積はヨーロッパと同じくらいなのですから。
こんなエピソードを書いてみてもあまり、インドの叙事詩について伝わらない気がしますがこのへんで止めときます。私にしても抄訳を読んだだけで、本格的な訳のものは途中までしか読んでいません。
今後、何か追加したら面白そうなことがあれば追加しようと思います。
参考文献
『ラーマーヤナ』上 下 第三文明社 レグルス文庫
『マハーバーラタ』上 中 下 第三文明社 レグルス文庫
『バガヴァッド・ギーター』 岩波文庫