話のあらすじと登場人物の構想
きっかけは、若い頃、インドブームだった時期があり、インド関係の本を沢山購入したのに、買っただけで満足して読まないで放置していた本が多数あり、今になって勿体なくなり、これを歴史小説を書く資料の一部に出来ないか? と思ったことでした。
そうしてそれらの本を読んだり、新しく買い足したり、公立図書館で本を借りたりしながら構想を練り、インドを舞台にした歴史小説なら、イギリス植民地時代が異文化交流的な面で良いし、十九世紀、中でもヴィクトリア女王時代が魅力的なのではないか? と思いました。
十九世紀という時代はゴールドラッシュがあったり、鉄道網が発達したり、色々と魅力的な時代です。そして物語のラストの方で家に電気や電話が引かれたエピソードなど出せたらいいなぁと思いました。
しかし、物語を考えていくにつれて、この時代のインドの歴史小説を書くには日本語の資料だけでは不十分だということに気づきました。しかし、私は外国語も苦手だし、外国語の資料を使う学力もお金もありません。それで、イギリス植民地時代のインドの歴史小説を書いてみようという試みは失敗だったという結論に達しました。そこで、今まで読んできた資料で印象に残ったことなどをまとめてエッセイにしようと思いました。まず初めにどんな登場人物やあらすじを構想していたか書きたいと思います。
物語は二世代に渡るものにしようと思いました。親世代はバラモンの息子である、ラリットという青年と、白人でインドで英語を教えている父親とインド人の母を持つ混血の娘のルクミニを主要登場人物とし、ルクミニの父が死に立場の弱くなったルクミニを強姦しようとする村の青年達から、ラリットはルクミニを救い、ルクミニと結婚することはバラモン階級としてふさわしくないと親に勘当されルクミニと駆け落ちし、カルカッタ(現コルカタ)の名家であるタゴール家を頼ります。そして二人の間にはパールヴァーティという娘が生まれます。
子世代の物語はパールヴァーティとイギリス人の青年アーサーの物語です。インドの女神の名を持つパールヴァーティはインドの女神的な性質を持つ女性です。そしてアーサーはイギリスにいた幼少時代にカレー料理に魅せられたのが最初の切掛けとなり、インドに憧れを抱くようになり、成人してインドへ渡ります。
それ以外にも、アーサーはガリ勉ではなくスポーツマンだとか色々設定は考えたのですが、今となっては小説になることはないでしょう。
次にこの出来損ないの歴史小説で重要な年号は
1857年のインド大反乱ではないかと思われます。セポイの反乱とも言われたこの事件は、イギリスの植民地政策にも大きな影響を与え、小説を書く上でも目印になる事件です。
1837年にヴィクトリア女王は即位し、1897年に即位60年となりますが、資料をあさるうちに、この小説で重要なのはタゴール家ではないか? と思い始めました。
アジアで最初にノーベル文学賞を受賞したラビンドラナート・タゴールは
1861年に生まれ1941年に亡くなります。
1842年に生まれ1923年に亡くなった、ショッテンドロナト・タゴールはイギリス植民下のイギリス上級公務員試験にインド人で初めて合格して、官僚コースの最高峰を辿ります。
その他、タゴール家の人々は色々活躍していて、タゴール家を小説の芯にすると、ラストはインド独立運動かな? と思ったり色々妄想しました。